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先ごろ、田中美絵子議員が経歴の中に、「コスプレ風俗ライター、ヌード女優」などをしていたことを、「当選するために前歴を封印した」と批判する男性の記事が掲載された。 その中に次のような一文があった。 「あなたは田中氏が元ヌード女優と分かっていたら1票入れてましたか?」 記事には、「経歴云々よりも判断材料が示されなかったことが問題」とも書いてあるが、この一文からは、「知っていたら1票を入れなかった」と読める。この記事の主眼は文全体の流れからも、「経歴を隠したから当選した。経歴を隠さなかったら当選しなかった」と言いたかったことにあると思う。 私は実際には田中議員が何をしていたのかは、報じられた以外に知らない。確かにマスコミは「前歴」を大騒ぎしていた。しかし、犯罪だという報道はなかった。 一文が言っているように、もし明らかにしたら当選しないなら、一度そういう職業に就いたら、もう議員にはなれない、ということになる。 女性たちは好きでそういう所で働いているわけではない。男性より生きにくい社会で、嫌だけれど生きていくために、お金のために働いている場合がほとんどだと思う。 そういう場所がある故に、ワナに落ちて、一生蔑視を感じながら生きていく多くの女性たちがいると思う。 記事では、「ヌード女優」と、一般女性とは違う特殊な女性と言わんばかりの書き方をされている。 もうずいぶん以前になるが、宮沢りえさんがヌード写真集を出したころ、りえさんがテレビで、ヌード写真を撮る決意をした経過を語っているのを見た。 写真を撮る前りえさんの家には、あちこちにきれいなヌード写真集が置いてあった。そういうものを見慣れているうちに、「こんなにきれいなら自分も撮ってもいいかな、と思うようになった」と語っていた。 母親思いのりえさんは、母親が勧めたなどまったく言わなかった。 りえさんは「写真を撮る間、視界に母親の姿がないと不安で不安で仕方がなかった。いつも母の姿を追いながら写真を撮った」とも語っていた。 りえさんは素晴らしい女優になり、母親にもなった。しかし若いとき、貴乃花関との結婚が騒がれていたころ、結婚したらりえさんの義父になる親方に(そのころ親方だったかどうか忘れたが)、マスコミ関係者が「りえさんのヌードについてどう思うか」と聞いた。 聞かれた親方は「一生懸命仕事をしているということでいいんじゃないですか」と答えて切り抜けた。 聞いていて、親方の配慮の言葉は関係のない私にもとてもうれしかった。りえさんはどんなに喜び感謝しているだろうか、と思った。しかしその一方で、結婚という喜びの中、義父に、我が身のことから社会の差別や蔑視をぶつけられて、若いりえさんはどんなに辛かろう、と思った。 結局は破談になったが…。 男性たちの求める性需要は、ときに、一生蔑視や心に傷を負いながら、耐えて生きていかなければならないような、女性たちの犠牲の上に成り立っていることが多いと思う。 もちろんそういう場所がなくなるのが望ましいと思う。男性だけが悪い、と言うつもりもない。しかし、多くを享受する側が、そういう所で働く女性たちに過酷な運命を背負わせたうえ、蔑視し平然と叩く。 田中議員は、差別を心配して経歴を隠した。差別がなければ隠したりはしなかった、と思う。 そう考えるとき、田中議員だけを責められるだろうか。差別する側には責任はないのだろうか。 J-CASTニュースにライブドアのネットリサーチが掲載されていた。 4423人に「小沢ガールズの過去が民主党に悪影響があると思うか?」と聞いたところ、「思わない」が70.1%、「思う」が29.9%だったと言う。 「風俗ライターを悪く言うのは職業差別だ」「もっと悪いことをしている議員もいるのにそっちを野放しで田中議員をいじめている」「過去をほじくるミスコミにうんざり」など、画面には田中議員擁護が溢れていた。 人々の意識は変わっていたのだ、ということを教えられた。 JanJan記事では、学歴詐称した議員が辞職に追い込まれたことにも触れられている。 地盤、看板、カネを引き継ぐ二世、三世議員問題もある。学歴も今はいい塾や家庭教師にお金をかけられる親の子どもが、税金をつぎ込んだ有名大学に入るという時代。おまけに国会議員に立候補するには600万円の供託金が必要だと聞いた。 国会議員は当選したらしっかり国民のために働いてもらいたいと思う。学歴や経歴より、当選したらどういうふうに働こうと思っているか、マニフェスト重視になったらいいと思う。私たちは学歴や経歴でなく、議員のマニフェストで選び、しっかり監視する。 民主党もマニフェストで政権交代を果たした。 田中議員、公約どうりしっかり働いてくださいネ。 ◇ ◇ ◇
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