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日本 建築 NA_テーマ2
国会NOW:番外編 鳩山邸の春
2006/03/30



 庭から見た鳩山会館。5月10日ごろ、庭にバラの花が咲き、一番美しいという。(3月29日、撮影・筆者。以下、同じ)



 正門。桜が満開だった。入って左側から「く」の字に坂道が続き、会館に着く。



 会館内の一室。パンフレットによると、「英国風サンルーム」。



 2階に続く階段の踊り場の窓にあるステンドグラス。パンフレットには、「鳩」をモチーフにしたとある。家名にちなんだわけだ。



 ここは食堂として使われたという。



 食堂の扉に使われている蝶番(ちょうつがい)と、それを指差す会館事務局長の大竹さん。昨年、この蝶番を81年ぶりに修復したという。古いもので扉が360度回転する仕組みだ。修復できる職人を全国から探し、80歳を超える老職人が完成させたという。



 2階にある大広間。パーティー用に貸し出しもしているという。



 坂道を上がったところで玄関に着く。玄関の上はバルコニーになっている。



 坂道の上から見た桜。



 満開の桜を見上げながら丘の上に続く坂道をのぼると、青い空の下に瀟洒な洋館が立っている。

 今回は番外編で国会を離れて、東京・歴史散歩とする。3月29日、歴史ある洋館と美しい庭で知られる東京・音羽の鳩山会館(文京区音羽1−7−1 電話03−5976−2800)を訪ねた。元首相・鳩山一郎、その父の和夫(衆院議長など)、子どもの威一郎氏(故人。外相、大蔵事務次官など)、そして孫である現在の由紀夫、邦夫両氏の4代にわたる政治家一族が暮らしてきた邸宅である。

 入館料500円で一般に公開されている。ただ、メディアでの写真やテレビ撮影は許可が必要である。春を迎えると、さぞかし美しいだろうと思い、2週間ほど前から取材の申し込みをしていたところ、受け入れると返事があった(筆者注・取材手続きや経緯などは欄外に)。東京の桜が満開となり、この日は天気も晴れたので出かけたのである。

 入館者に配るパンフレットによると、鳩山家が音羽に居を構えたのは明治24年(1891年)、洋館が完成したのは大正13年(1924年)だそうだ。また、「戦後政治の原点がここにあります」ともうたい、保守合同などを成し遂げた歴史に触れている。洋館建築については、藤森照信東大教授の「バラの庭を前に建つイギリス風の外観(中略)など見るべきものは多い」というコメントが記されている。

 会館の外観や内部の様子は写真欄の通りである。案内してもらった同会館事務局長の大竹範さんによると、東京観光の「はとバス」ツアーの中にも組み入れられていて、年間3万人が訪れる。人気の観光スポットである。大竹さんによると、もっとも美しいのは5月上旬、庭にバラが咲き誇るころだという。その様子は、鳩山会館公式サイトに写真があるのでご覧になるとわかる。

 今回、中を歩きながら気づいたことをいくつか。この会館を大竹さんや関係者は「文化財」と考えているという。行政の指定を受けているのではない。しかし、実質的な価値があるという意味だ。東京でこうした古い洋館や庭が残っているのは貴重なことだろう。だからこそ本欄でも取上げるわけである。写真撮影は許していないので写真欄にはないけれど、一郎、威一郎氏、一郎の妻で教育者で知られる薫さん(共立学園理事長)らの資料を展示した部屋もあり、歴史を伝えている。

 一方、この会館は今も鳩山家のものである。株式会社でも財団組織でもない。現在、鳩山家の「主」は、威一郎氏の妻で、由紀夫、邦夫兄弟の母である安子さんである。行政の指定を受けると、建物の維持修復などで即座に対応できないからだとする。しかし、私有財産であっても、公共財でもあるという側面から人々に広く一般公開するということだ。プライベート(私)に対してパブリックというのは本来、「人々」とか「公開」を意味すると、以前、本欄で書いたことがある(『「公」とは何か?』)。公私の両立、あるいは使い分けのひとつの方法なのかもしれない。

 もうひとつは歴史と現在の観点で。威一郎元外相の展示室に、戦中、結婚間もない同氏が出征したとき縁者が寄せ書きした日章旗が飾ってあった。無事、復員し、今日の由紀夫、邦夫兄弟もある。その兄弟は現役であり、評価をできるわけがないので、当たり前ながら、その展示はない。民主、自民に分かれた兄弟の現状はここでは触れない。しかし、将来、兄弟の足跡をこの会館で展示する日も来るのだろうと想像した。どんな業績を残すか、それまでは現実政治の世界で戦い続ける宿命にある。

 四季折々に人々が訪れるこの会館は、歴史であるとともに、現在も生きているということだろう。

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 筆者注
 今回の取材に当たっては、約2週間前、鳩山会館にJanJanで掲載したいとの希望をfaxで送り、写真撮影を申し込みました。個人による見学では写真撮影は一部の部屋を除いて自由です。しかし、メディアでの取材は事前申し込みを求めているからです。今回の撮影に先立って、事前に個人で下見を1回したほか、事前の打ち合わせのため1回訪ねました。そして今回の取材と計3回訪ねました。メディアの撮影であってもCMなどに使う場合、利用料金が必要となる場合があるようです。しかし、今回の取材申し込みの際、JanJanは営利目的ではなく、公共性のある媒体であることを伝えてありましたので、最初に個人で見学したとき入館料500円を支払ったほかは、金銭の支払いはありません。

(浜田秀夫)




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