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「オゾン層が破壊されると太陽光が強く照らすようになり地球が温暖化する」。地球温暖化の仕組みをこのように誤って捉えている人が多いことが、国立環境研究所の調査でわかった。この調査は2月、環境問題にある程度の関心を持つ首都圏の20歳代〜50歳代の男女39人を6グループに分け、聞き取りで行なったもので、逆に、二酸化炭素(CO2)が原因と正しく答えた人は、1割にも達しない、という結果が出た。 温暖化とは、地球の平均気温の上昇と気候変動が生じ、様々な影響が起こる現象のことである。気温の上昇に伴い、海面上昇や自然災害、農林業への影響、生態系破壊、健康への影響など、多方面にそのインパクトが懸念される深刻な問題である。2003年に環境省が実施した「環境にやさしいライフスタイル実態調査」によると、現在国民が関心のある環境問題として、温暖化が80%(オゾン層の破壊59%、大気汚染55%)を占めるなど、国民の温暖化への関心の高まりも指摘されている。 温暖化の深刻さが注目され、その関心の高まっている中で、この正解率1割は驚きの結果である。2005年2月に発効した京都議定書により、日本は2008年から2012年の温室効果ガスの平均排出量を1990年に比べて6%削減することが義務付けられた。温室効果ガスとは、温暖化の原因となるCO2を主とするガスのことである。6%削減を達成するために、地方自治体や企業はもとより、国民1人ひとりの取組の必要性が叫ばれている。 国民の温暖化への関心は高まっている事実とは裏腹に、今回の国立環境研究所の調査では、温暖化に対する知識のなさが明らかにされた。関心があるといっても知識が伴っていないわけである。温暖化抑制のためには、1人ひとりの実践行動が求められる。知識があればいいというものではないが、あれば行動に深みも増すかも知れない。だが、知識を深めれば、それが行動につながるのだろうか。科学的な知識は行動に結びつかないという報告もある。つまり、温暖化の原因を正確に知っているからと言って、その人が抑制につながる行動をするとは限らないということである。 2008年から始まる京都議定書の第1約束期間はすぐそこまで迫っている。この期間の削減目標である6%を達成するためには、早急かつ効果的な対策が求められる。筆者の調査によると、温暖化対策の進んでいるドイツでは、温暖化と関係するいくつかの行動は法制度で規制されており、その抑制行動の実行率が高いことがわかっている。日本の現状を踏まえた上で6%削減を達成するため極論を言うなら、知識の提供や啓蒙を通して、自発的な行動を求めるよりはむしろ、法制度の充実が急務なのではないだろうか。付け加えて重要な点は、自発にしろ規制にしろ、求められるものは私たち1人ひとりの具体的な実践行動である。 (原田卓) |