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作られた耐震偽装(1)公平な法適用を〜藤田東吾氏語る

編集部2006/11/15
藤田東吾氏インタビュー テキスト文書

イーホームズ株式会社 藤田東吾 代表取締役
聞き手・市民記者 建築家 江口征男

              
江口:(9日の日本外国特派員協会での)記者会見の内容で、小嶋さんを擁護するような、(今まで)対立してた感じなのが、ちょっと擁護するように見えるんですが。

藤田:小嶋さんとけっして対立してたわけじゃなくて、対立構造を作ってたのはマスコミだと思いますね。僕は。日本の。

江口:参考人質疑で何か、「バカヤロー」(正確には「なに言ってんだよ」「ふざけんじゃねえぞ」等)とかなんとか怒鳴ってるシーンが何度も繰り返されましたからね。

藤田:そりゃそうですよね。

江口:いかにもそういう感じで思われてるんだろうと思いますね。今になっておそらく藤田さんは、悪いのは小嶋さんじゃなくて、もっと別の所にあるんだということをおっしゃりたいのかなと思うんですが。

藤田:そりゃ今になってじゃなくて、もう11月の段階からずっと言ってきたんです。ある意味デベロッパーも……だけどそれを一切マスコミが報道しなくて対立構造の部分だけを流してたから、そう皆さん思ってるだけじゃないですか。

江口:そうですか。私も全然、そういうふうにおっしゃってることは知りませんでした。そうすると、今さら対立構造じゃなくて、擁護する側に回ったという訳ではないと。

藤田:そうですね。当初から姉歯さんにしろ小嶋さんにしろ、この事件のある意味で被害者だと思います。もともとの原因が制度上の欠陥にあったというふうに僕は……。今日も一番最初の冒頭で(関連記事:イーホームズ藤田氏 強度偽装、国の責任追及を)去年の10月26日に国土交通省に通報したのは大臣認定プログラムの問題だと。それを作った日本建築センターと旧建設省―認定を行った―の問題であり、履行者責任という法的な観点から言うと宅建業法と建築業法だと。だから、その下請けですよね、設計事務所というのは。だから建築業法と宅建業法、あと大臣認定制度、性能評価業務ですよね、建築基準法上の。この3つが制度上の問題だということを去年の10月26日から言ってきた。それを今日も改めて言ったんです。

江口:反論というわけじゃないんですが、設計事務所はその下請けというわけじゃなくて……(※1)

藤田:たしかに、今回のに関係した人たちが下請け関係で、建設会社なんかの下請けということだと思うんですよね。たしかに、そうですね。デベロッパーの下請けになりますよね。(そういう意味で履行者責任という意味では、宅建業者が瑕疵担保責任を負うんだというのが僕らの去年の10月26日からの見解。ずっと同じですよこれは。
だから、宅建業法としてヒューザーはそれをやはり瑕疵担保責任があるというのは事実なんですけど、その前に制度上の欠陥があったのであればおそらくヒューザーは救済されるだろうと、そういう意識はあったんです、僕らは。だから小嶋さんが初めから喧嘩腰にならなければこういう問題にはならなかったと思うんです。
おそらく僕は今回、事件を時系列で追って、話してないようなことも全部書いてあるんですけども(藤田氏は耐震強度偽装問題についての自著を近日出版の予定)小嶋さんというのは経済同友会に入っていたみたいなんですね。あとJBC(日本ビジネス協会)とか、いくつかの慶応の島田先生が主催している異業種交流会がありまして、そういうところに入ってた。僕も入ってたんですけど面識はなかったんです、お互い。
お互いよく知っている友人がいて、僕の先輩なんですけども、―その人が12月ぐらいに来たときに、会社に来たんです、僕のイーホームズに―(友人が)「小嶋さんと藤田さんをちゃんと紹介しておけば、小嶋さんの性格だからあんなふうになっちゃったけども、たぶんこんなふうにはならなかったろう」って言いましたよね。そういったところが、僕はこの事件のある意味で、心理的な原因があるんじゃないかと(思ってる)。隠蔽しようとしたとかですね。ちょっと話しがズレるかもしれないですけど。だから小嶋さんと僕の対立構造というのは、マスコミが面白おかしく作っただけで、確かに小嶋さんは国会で怒鳴りましたけども、僕は問題の論点は違うから、僕としてはそんなに、「怒鳴っているな」というぐらいにしか思わなかったんです、あの時は。
(4分30秒)

江口:藤沢の名前(グランドステージ藤沢の物件名)を出した出さないというのは、今回の資料(別添PDFファイル)にありますね。グランドステージ藤沢のことですね。この問題をちょっと補足していただきたいのですが、出したことと出さなかったことの違いは、どういうふうに小嶋さんの判決に影響してくるんでしょうか。

藤田:小嶋さんは今回問われているのは詐欺ですよね。藤沢の物件を偽装と知りながら引き渡したと。ヒューザーの代表者として、それが問われているわけですね、いま小嶋さんの裁判というのは。小嶋さんの裁判を、それを立証する……小嶋さんが藤沢の物件は耐震偽装だと知っていた事実は2点あると検察は言っているんです。
その1つがヒューザーの社内での会議で曽我(曽我勝範・ヒューザー元常務取締役)さんが残した曽我メモ―藤沢の物件が耐震偽装されているというのが社内の会議であったと。―それは僕らには関係ないことですが。もう1つの証拠が、10月27日の会議で藤田が、僕が藤沢の名まえを口にしたというのが証拠になってるんです。立証する。だからその2点が証拠ですよね。社内での会議というのはわからないじゃないですか。10月27日は少なくともヒューザーの第三者、イーホームズであるとか設計事務所がいますよね。だからそういった人たちの証言をもとに小嶋さんを詐欺にして立証しようとしてるんです。だから僕が何も言っていないんだということが明確になれば、小嶋さんは無罪になるんじゃないですか。この点においては。

江口:2つの証拠のうち1つは、藤田さんの分については、藤沢(の名前を出した)というのはなかったということなんですね。

藤田:こっちの方が強力な証拠ですから、曽我メモよりも。曽我メモというのは社内のことだから小嶋さんが「知らない」と言えばわからないことです。
こういう裁判では「主観的要件の立証責任がある者に敗訴がある」というような法律上の言葉はご存知……。

江口:いえ。

藤田:主観的要件というのは、たとえば知ってるとか知らないとかいう言葉ですよね。言ったとか言わないとか、その立証責任を持っている者は敗訴がある、負けるというセオリーがあって、今回その立証責任は検察側にあるわけですよね。それで詐欺罪でいっているから。だから小嶋さんが知っているという立証責任を一番客観的にするのは第三者が同席した10月27日(ヒューザー社で)の会議だということになると思います。

江口:つまり藤沢のグランドステージ(に偽装があること)を知って売ったんじゃなくて、藤沢だということは特定してないでやったことだから、今の検察の言っているのはおかしいということになるんでしょうか。

藤田:いや、僕はあの、おそらく小嶋さんは知っていたんだと思いますよ。僕は個人的にはそう思います。ただ、検察が小嶋さんを立証する上の証拠として2点、それが曽我メモと藤田証言というのを言っているんですけど。藤田証言は検察によって誘導されて作られた調書だと。それは書いたとおりなんです。
僕は3月たしか29日、今年の。そのときに東京地検に呼ばれて川上さんという検事に「10月27日に藤田さん、藤沢の物件を口に出してますよね」と、言われたんですけど、僕は「言ってません」って言うんです。だけど、言った言わないになるんですね。他の同席していたイーホームズの社員の人や設計事務所、スペースワン(スペースワン建築研究所)とかSSA(エスエスエー建築都市設計事務所)の井上さん(井上正一・スペースワン建築研究所元代表)とか佐々木(佐々木一美・エスエスエー建築都市設計事務所代表取締役)さんたち、あとヒューザーの曽我さんとか犬山さんという社員、役員の人たちがいましたけど、その人たちがみんな、「藤田さんが言ったと、証言してますよ」と言うんですよ。でも僕は「言った記憶は全くないんだ」とずっと言うんですね。そうこうしているうちにもう、朝からもう夜の11時くらい―10時とか11時くらいですかね―ずっとそんな話が続くんで、もういいかげん嫌になってくるわけですね。10月27日の会議は確かに3分の2は小嶋さんがしゃべっていて、3分の1は僕がしゃべっていたんです。ほとんどの人間は、ほとんど無口だったんです。喋んなかった。ちょこちょこっと喋るぐらいしか喋ってない。
だから僕が喋ったことは、自分では喋っているときはメモを取らないですから、自分の喋っていることは。だから「僕は全く言った記憶はないけれども、他の人が言ったということであり、なおかつ検事さんがそれを立証出来るんであれば、じゃあ僕が言ったという調書にしていいですよ」って言ったんですよ。それでもうだから、僕が一応「藤沢と言った」という調書になったんです。
次の日、夜遅かったから家に帰って、次の日会社に行ってうちのイーホームズから僕を含めて3名行っていたんですけど、その2名に聞いたんですね。「『僕が言った』って言ったんですか?証言したんですか?」って言ったら「いや、言ってないですよ、社長は」って「社長は言ってないです、そんなこと」って。「ほんとー」って。「なんだ、そんなふうに検事に言われたから書いちゃった。言ったって言っちゃった」なんて言ったのが、たぶん4月になったぐらいですよね。で、検事にちょっと問い合わせしようかと思ったんですけども、会社もすごいバタバタしてた状況で、逼迫する状況の中で警察も出入りしてましたし、結局それを質すことができない中で僕が逮捕されてしまうと。

江口:いずれにしても藤田さんが藤沢の名前を出したことは、事実ではないということですよね。

藤田:僕は記憶ないですよね。全くない。で、イーホームズの社員も記憶にないと言ってる。それでこの前、10月18日、僕の判決があった日に、清野憲一さんという検事―今日も小嶋さんじゃない、姉歯さんの裁判の検事に来てましたけども―その人が僕を小嶋さんの証人に呼ぶから翌週の月曜日「10月の23日に東京地検に来てくれ」って言うんですよ。だから「わかりました」って言って。そして20日と22日に僕が安倍総理官邸に行くじゃないですか(藤田氏は安倍晋三首相を訪ねて首相官邸に赴くが、官邸に入ることはできず、安倍首相に会うこともできなかった 参考:藤田東吾社長官邸直訴(You Tube))。いろんなことを発信し始めますよね、僕が。隠蔽されてきた事実を、インターネット上で。で、なんか東京地検は僕をキャンセルしたみたいなんですね。イーホームズから僕と危機管理室長と構造部長の3名を証人で呼ぶというのを小嶋裁判には申請していたんですけど、急きょ藤田をキャンセルしようという話になったみたいなんです。だけど、それを知らずに僕は月曜日に行って清野さんという検事に3月のときの東京地検での調書を取られたときの状況をありのまま話すんです。
「検事さんが立証できないんだったら僕は言ってないってことだから、それをそのまま言うだけですよ」と言ったら、「じゃあ藤田さんを呼ぶのは考え直しますから、ちょっとまた連絡する」と言ったまま2週間経ったわけです。このまま呼び出されないで小嶋さんの裁判が、僕の調書だけが一人歩きして進むのは許されないことですから、こういう形で上申書を書くということで、毛利裁判長(へ)。安田弁護士(安田好弘弁護士)ですか、小嶋さんのほうの弁護士にもメールを送ったんです。メールアドレスを聞きましてですね。必要であれば僕を証人で呼んでくださいと。小嶋さんの側の。ということで、たぶん呼ばれるんじゃないですかね。
(12分)

江口:それでは、今日のこと(日本外国特派員協会での記者会見)について補足するようなことは特にありませんか?

藤田:ビデオを見ていただくのが一番ありのままだと思います。

江口:姉歯さんの今日の最終弁論を傍聴されたとお聞きしてますけど、何かそれについてコメントはございますか。

藤田:姉歯さんは設計士として偽装したこと自体は悪いことだと思います。けれども、すでに社会的制裁を受けていますし、お子さんがまだ小さいわけですから、実刑などないよう、とくに名義貸しですからね。
僕はアトラス(アトラス設計)の渡辺氏のほうがよっぽど悪質だと思うんですよ。直接、命にかかわる部分ですよね構造というのは。そこを無資格でやってるわけですよ、アトラスの渡辺氏は。少なくとも今日(の公判)、秋葉さんですよね。名義貸しした、姉歯さんが。秋葉さんは意匠と設備は自分で設計して、構造部分は有資格者の姉歯さんがやってるわけじゃないですか。だから、偽装したことは悪いことですけれども、法の公平性の観点から名義貸しで実刑を出すのはあまりにも不公平だと思いますね。それに、社会的制裁を受けてますし、お子さんのことを考えて、奥様が自殺なされていることを考えてですね、姉歯さんは早くお子さんたちと暮らして社会復帰するのが一番いいと思います。それが一番正しい大岡裁判じゃないだろうか。 ―大岡裁判という言い方はおかしいかもしれないですけど― と僕は思います。

江口:アトラスの渡辺さんの名前が出ましたけども、名義貸しということで。建築士事務所登録の管理建築士を他の方、女性に頼んで事務所を開設していると。これは開設者が渡辺さんで、それでその管理建築士、小林(小林昭代一級建築士)さんという方だということですね。その方が名義貸しということは専任ではなくて外にいるということですよね。そこの場所にいれば名義貸しとは言えませんよね。

藤田:この名義貸しの問題も、僕がやった見せ金の問題と同じように、あまり法のことを、やっぱり無意識に、そんな罪の意識なくやられてきたことだから、通念として常識化しているんじゃないかと僕は思うんです。専任であろうと専任でなかろうと、名義貸しは名義貸しですよね。で、指定確認検査機関で僕は建築士じゃないですよね。でも僕がもし確認検査業務をやったら違法ですよね。違法になるんです。日本ERIで、かつて無資格者が確認検査業務をやって営業停止をくらいました。平成14年に、9月末ですけども。同じことなんですね。だから専任であろうと専任でなかろうと、無資格の人間が設計という行為を行ってはいけないはずなんです。だったら小学生でも誰でもできますよね。

江口:実質上は(無資格の)渡辺さんが(構造設計業務を)やってるからおかしいということですね。(※2)

藤田:そうです。

江口:(管理建築士の)名前だけ小林昭代さんの名前になってるけど。

藤田:だったら超高層でも何でも無資格の人間がしていいのかというと、そんなことはないですよ、資格制度というのは。

江口:実際に渡辺さんが本当に(実質的に構造設計を)やっているという証拠があるんでしょうか。

藤田:国会で答弁してるじゃないですか(渡辺氏が答弁した国土交通委員会の議事録)。姉歯さんの物件を自分で再設計(※3)して、自分で設計したと。あの人はいろんな講演会、東急不動産の講演に出向いていろんな処で自分の名まえを、構造設計士の名まえを出してますよね、構造設計で。だから今、たぶん住民からそうとう反発をくらってるんじゃないですか。僕はアトラスの渡辺さんも無意識にたぶんやっていたんだと思います。いわゆる法律を知らずに。おかしいと思いませんか?アトラスの渡辺氏がなんでイーホームズに来たんだと思いますか。グランドステージ北千住の物件というのは全く関係ないですよね。自分が設計にも一切関わってない物件。デベロッパーもゼネコンも全然関係ないところをなんでイーホームズに来たのかというのは、僕はすごい不思議だったんです。

江口:初めの頃(昨年11月)からイーホームズのホームページもずーっと見てきましたし、そういう話を聞いてですね、何が原因だったのか、その後いろいろと出てくると頭の中で想像で結びつけていくと、こういうことなんだろうなと思いますけども。残念ながら証拠を見ないと我々もなかなかわかりづらいところなんですよね。今の名義貸しの問題というのは難しい問題で、開設者が普通の経営者でたとえば藤田さんみたいな方で建築のことを知らない人であれば、そういう問題はたぶん起きなかったと思うんですよね。日本の建築士法の矛盾点で、開設者が専門家じゃなくていいというふうになっているんで、そういう問題が起きてるんですが、私の所属している日本建築家協会なんかでは、それがおかしいと、開設者も専門家じゃなきゃいけない。当然、一級建築士であるべきだというふうに言ってるんですね。だけど、実際世の中には開設者が普通の経営者で建築士を管理建築士として雇用していれば商売としてやっていけるというふうになっているんですね。そこに建築士法の矛盾点があって、そのうちそれが当たり前みたいになってわけがわからなくなってきたんだと思うんですよね。ですから、そういう目で見ると、ちょっと藤田さんがおっしゃるのはわかるけども。実際名義貸しじゃなくて常駐していれば名義貸しにはならないというふうな、一般的な通念があるんですよね。正しいかどうかわかりませんけども。
(18分7秒)

藤田:一級建築士事務所を登録する上での、たとえば管理建築士の制度の問題ってありますよね。あと、たとえば確認申請書を出す上での「申請者(通常は建築主)を誰にする」、(設計者欄に)意匠の元請けだけ出せばよい、とかそういう問題がありますよね。それと、「資格制度」っていうのがあるわけですよね。それぞれ制度上の違う問題ですよね申請書は、確認申請の「(建築基準法)施行規則一条の3」(※4)で定められているわけですし、一級建築士事務所については設計建築士法(正しくは建築士法)で定められていますよね。だけど設計という行為を行えるという資格制度というのは違うわけですよね。だったら小学生でも誰でもいいのか?ってことになりますよね。だから僕は、そういったいわゆる法意識が日本のなかに欠落していて、ただ通念でずっと行われてきたことが常識化してるだけだと僕は思いますよ。
僕だって建築のことはある程度、仕事でやってきたわけです。建築のことをアカデミックに学んだ経験はないですけど。僕はお祖父さんが宮大工だったんですけど。それはまあ、そういうことは関係なくてですね。技術的なこと、ある程度のことは勉強すればわかりますよね。僕だってチェックはできますよ。だけどそれは、僕が確認検査業務を主としてやって、僕が誰かの名義で印鑑を押したらそれは違法行為です。それと同じですよ設計士も。
そういう法の意識がない、だから日本ERIは業務停止をくらったわけですよね。日本ERIは常駐している専任の確認検査員が印鑑を押して作業は無資格者がやってたんです。同じですよね設計業務も。設計業務を無資格な人間がやって、専任のじゃあ一級建築士(の資格)を持っている人間が印鑑を押したらいいのかって言ったら、それは間違いですよね。小学生でも誰でも出来ちゃうじゃないですか。命と財産を守らなければいけないわけですよね、建築基準法の第一条(※5)に定められているとおり。少なくとも最低の基準なわけですよね。だから今あらためて、法の制度上の定めがなかったというだけですよね。だけど法の資格制度はそういう主旨があるわけですよね。命や財産にかかわる建築物だから、一級建築士ができる物件、二級建築士ができる物件、木造設計士ができる物件って定められているわけですよね。だけどそれに違反していることについての制度上の罰則規定がないから、ただそれが行われてきたと。だからこれは法律の考え方が間違ってる。だからアトラスの渡辺さんがやっているのは、関わった構造設計を行った物件は違法建築物になると僕は思いますよ。

江口:わかりました。アトラス設計が名義貸しだと(藤田さんの)いう意味がわかりました。
だけどこれは非常に難しい。社会通念とかそういうのがあるので、制度そのものを別に追求するというふうにして、分けて話をしていかないと。
ちょっと先に進めさせていただきます。


※1:
江口氏によれば、設計事務所は本来、建築主から仕事を依頼されるもので、建設会社の下請けではないという意味、とのこと。ただし、今回のケースの実態は不明という。つまり設計料を誰から受けているかが、報道からは判らない。建築主(ディベロッパー)から受けているのなら、それは本来の発注関係なので、設計者や工事監理者は建築主側に立って厳しく工事監理できたはずだが、実態は混沌としている

※2:
インタビュー後、江口氏より「建築士法上は、名義貸しというのは難しいと思う。藤田氏は、資格を持たない渡辺氏が実質上の構造設計をしたり、構造家として講演活動をしていることに疑問を感じているというのは、道義的には判らなくもないのだが」とのコメントが寄せられた

※3:
再計算とは、構造設計や構造計算等が適切になされているかを確認する「構造再検証」とは違い、対象物件の構造計算を一から行うこと。通常の構造計算と同程度の費用がかかる

※4:
建築基準法施行規則1条の3には確認申請書の様式が細かく定められている(参考:建築基準法施行規則

※5:
建築基準法第一条(目的)では、「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする」と定められている

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