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不動産トラブルと消費者契約法

林田力2007/01/23
従来の不動産トラブルにおいては、雀の涙程度の損害賠償が支払いで終わりがちで、契約の解除や取消が認められる例は少なかった。東急リバブル/東急不動産の「騙し売り」事例の解決法は、不動産売買トラブルの解決の指針になると思われる。
日本 裁判 NA_テーマ2
 ここに、東急リバブル株式会社及び東急不動産株式会社の新築マンション「騙し売り」の実態を報告する。東急不動産が販売し、東急リバブルが販売を代理した新築マンション(東京都江東区)での販売トラブルである。

 東急不動産(販売代理:東急リバブル)は新築マンション「アルス」(東京都江東区)を販売する際、隣地がアルス竣工後すぐに建て替えられること及び作業所で騒音が発生することを認識していたにもかかわらず説明しなかった。

 これに対し、引渡し後に隣地所有者から真相を知った購入者は、消費者契約法第4条第2項に基づき、売買契約を取り消した。しかし東急不動産が売買代金返還に応じなかったため、売買代金返還を求めて東京地方裁判所に提訴した(2005年2月18日、平成17年(ワ)第3018号)。

 東京地裁の平成18年8月30日の判決では購入者が勝訴し、東急不動産に売買代金全額2870万円の返還を命じた。その後、控訴審・東京高等裁判所において、購入者がアルスの住戸を明け渡し、東急不動産が和解金3000万円を支払うことを骨子とする和解が成立した(2006年12月21日)。

 和解内容は一審判決に沿ったものであり、本件和解において原告が訴えを取り下げなかったことは一審判決の正当性を示すものである。

 従来の不動産トラブルにおいては、雀の涙程度の損害賠償か支払いで終わりがちで、契約の解除や取消が認められる例は少なかった。本件一審判決及び和解は消費者契約法により、不動産売買契約が取り消された点で、同種被害に苦しむ「だまし売り」の被害者にとって画期的な解決方法と言える。

 浅沼良一・元二級建築士による耐震偽装マンションの購入者は消費者契約法に基づき、契約の取消しと売買代金返還を求めて、2006年12月25日に札幌地裁に提訴をした。本件・東急リバブル/東急不動産の「騙し売り」事例の解決法は、不動産売買トラブルの解決の指針になると思われる。

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