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「パラサイト・シングル」「格差社会」などの造語を生み出したとして知られる山田昌弘・東京学芸大学教授が24日、日本キリスト教会館(東京都新宿区早稲田奉仕園内)で「希望格差社会を超えて」と題して講演を行った。大竹財団が主催した。 いくら働いてもわずかな賃金しか得られないワーキングプアやフリーターなど、近年叫ばれている社会問題を家族社会学の視点から調査・分析してきた同氏は、格差社会は日本だけの問題ではない、と語った。 中国の労働者のインタビュー記録のなかで、労働者が将来に不安を抱いていることを紹介すると「(格差の問題は)中国の当局者も頭を悩ませているのでは」と話し、全世界的に発生している問題であるとの見方を示した。 「希望格差社会」という同名の著書もある言葉について、努力の報われない社会構造が、いわゆる「負け組」の絶望を誘い、将来への希望を持つ「勝ち組」とに分断される社会であると説明し、またその原因として経済の格差もあることから「豊かになることと、幸せになることはイコールなのか」と疑問を呈した。 社会構造の変化に「消費者の欲求充足の変化」をあげる。近年から消費者の消費の仕方や欲求が変わり、購入する商品に、より“個性”を求めるようになったことを踏まえ、同時に起きる問題として、新たな発想が必要とされる労働者と、機械にはできない単純作業に従事する労働者とに分かれる「仕事の二極化」が発生するという。 そのことから、同氏は現代を「消費者にとっては天国、労働者にとっては地獄」と評し、「消費者としての我々の声が大きすぎる」と話した。 それらの解決策として、経済格差の発生を止めるよりもすでに生じた格差を是正する点を重視した。(1)若者の非正規雇用の改善、(2)子育て世代の再就労促進、(3)公共サービスによるセーフティネットの整備、(4)人生の進路に応じた社会保障制度、などをあげた。 現在、同氏は内閣府の国民生活審議会で総合企画部会の委員を務めている。「格差社会」は2006年のユーキャン新語・流行語大賞を受賞した。 |