東京地裁(編集部)
つい先日、名古屋市内の銀行に税務署職員が強盗に入ったという事件があった。また多重債務による犯罪だろうと思った。成人国民の3人に1人が多重債務者、どんな職場にも存在するということを裏付けている事件である。私の著書『サラ金整理』を読んでくれればこんなことにはならないだろうにと残念でならない。ところで、中小零細事業者の消費税滞納が増加しているそうである。全国で年間5000億円以上の滞納額が発生しているということである。私の会社にも滞納消費税があり、これについては何度か地元税務署に出向いて事情説明したり、簡易課税選択時の過払い消費税還付について苦情を伝えてきた。
税務署担当者の理屈は、「消費者の方々から預かったお金ですから支払えないということはおかしいことです。使い込みしてしまったということになるのではないですか」という一方的な言い方です。私は消費税が開始された当初6年間は税理士の勧めもあって簡易課税制度を選択して納入しておりましたが、この簡易課税制度とはとんでもない過払いを生み出してしまう方法であり、自分で試算してみて原則課税(本則課税)の3倍もの消費税を納入していたのです。
さすがの私も税理士を問い質し、それでも気が済まず地元税務署に直接乗り込んで文句を言ってきました。「君たちが作った悪制度で払いすぎてしまった消費税を戻してくれ。さもなければ、今後その金額に達するまで消費税は支払わない」と……。税務署職員は、「しかし、消費税は預かり金ですから、預かっている分だけは納入していただかないと法的な対応をしなければなりませんよ」と開き直っている。
消費税について税理士任せにしないで自分で詳しく調べてみた。そして、さらに税務署がウソを言っていることがわかり、再度税務署に乗り込んでいった。
「君、先日来たときに消費税は預かり金だと言ったね。消費税法のどこに記載してあるのか提示しなさい」と問い詰めると、「消費税は預かり金のような性質のものと言いました」との回答、「今度はウソか?君が言った言葉をレコーダに録音してあるから今聞かせてやる。どうだ、お前はまたウソをついているな」と大声で怒鳴っていると上席者らしいものが出てきた。「お客様すいません。奥で話を聞かせてください。ご案内しますので……」
この一件の後、私の会社は消費税を支払っていない。還付金額になるまで払わないつもりである。税務署が差し押さえするというならそれでも良い。法人の資産は債務整理で整理・償却してしまったので、何もない……税務署諸君、やるならやってごらん……しかし、君たちは実にいい加減で、ウソつきだ。私たちが運営している多重債務相談所には君たちの職員や社会保険事務所の職員も相談に来ている。国民から必要以上に税金を搾取し、君たち自身がサラ金染めじゃ笑い話にもならんよ……現実、銀行強盗事件も起きてしまっただろう。国民を責めても、自身のこととなるとオタオタしまい、何も解決できない……情けないだろう。
ところで、中小零細業者の皆さん、下記に消費税問題の裁判資料を掲載しておきましたので、ぜひ参考にしてください。消費税は預かり金ではありません。もしも預かり金なら滞納した場合「横領」となるはずです。消費税は販売価格の一部という司法判断であります。つまり、事業利益の一部という解釈結果となると考えられます。事業収益の出ない会社や事業主は消費税を納められない、収める必要がないという解釈になるのではないかという問題提起がされるようになってきました。担当税理士や会計士にも相談してみてください。
判決で確定 「消費税は預り金ではない」
消費税という税金は非常に不透明な税金なのです。タバコ税や酒税などと同じように、消費者は納税義務者ではないので、事業者は、消費税をお客さんから預るということは起こりえないのです。消費税が導入された平成元年に、サラリーマンが東京と大阪で裁判を起こしました。
「免税事業者とか、簡易課税を採用し、税金をピンハネしている事業者がいる。自分の払った消費税が税務署・国家に入っていない。これは恣意的な徴税を禁止した憲法84条違反、同法29条の国民の財産権を侵害するもので、欠陥税制であり違法だ。損賠賠償せよ」と訴えました。
その裁判の判決が1990年に、東京地裁(3月26日)と大阪地裁(11月26日)でありました。判決は「消費者は、消費税の実質的負担者ではあるが、消費税の納税義務者であるとは到底いえない」「(消費税の)徴収義務者が事業者であるとは解されない。したがって、消費者が事業者に対して支払う消費税分はあくまで商品や役務の提供に対する対価の一部としての性格しか有しないから、事業者が、当該消費税分につき過不足なく国庫に納付する義務を、消費者との関係で負うものではない」。つまり、消費税は物価の一部であり、「預り金」ではないと判決ではっきり言ったのです。この判決は控訴しなかったことで確定しました。こう主張したのは、ほかでもない税務署側、国側なのです。
こうした判決があるにもかかわらず国税庁はサラリーマン、消費者と事業者を分断させようと、預かり金であるがごとき広報を行い、有名タレントを使ったポスターなどで今も不正確な情報を垂れ流しております。赤字企業の零細業者が、税務署からの執拗な消費税支払い督促や取立てに遭い、商工ローンやサラ金から借金してまで消費税を支払っております……多重債務者まで生み出してしまっている消費税問題を国会議員たちは与野党を問わず放置しております……とんでもない事態が起きているのです。
どこに社会正義があるのか、どいつもこいつも信じられなくなったら国はどうなるのか……。しっかりやってくださいな、公僕たる税務署職員たち、そして、国会議員諸君。