|
95歳のAさん(女性)は、介護保険制度の要介護3、在宅で訪問介護サービスを週6日受けている。先日、朝の10時半に急遽、検査のため病院に行くことになった。折りしも訪問介護の時間でヘルパーが9時半から11時までの予定で来訪していた。 利用者のAさんが出かけることになったため、ヘルパーも10時半で仕事を打切って帰ることになった。予定より30分の短縮である。介護保険制度の訪問介護では、ヘルパーの実働時間のみ介護報酬が支払われる決まりになっている。この決まりは利用者にとっては都合のよいものではあるが、他方で介護事業所にとっても、また時給制のほとんどのヘルパーの立場からみても就労要件として極めて不安定と言わざるをえない。事業や就労にかかわる社会的契約の原則からみてもあまりに一方的ではないだろうか。 事業所が受け取る訪問介護の介護報酬は、身体介護と生活援助の2種類あり、前者は1時間当たり4,092円、後者は2,017円である(介護度・住んでいる地域によっても単価は異なる)から、30分はそれぞれ2分の1の金額となる。これらのうちヘルパーが受取るのは、身体介護で時給1,500円程度、生活援助で1,100円弱といわれる。上記のような緊急のキャンセルをカバーできるような金額ではない。 加えて、ヘルパーの就労は短時間の細切れが多いが、移動時間については就労時間とはみなされず、支払いがないのがほとんどである。ヘルパーの仕事で1ヶ月10万円を超えるのは至難の技というのが実情である。 介護保険制度は定着しつつあるとはいえ、ヘルパーは仕事としてみるかぎり、なお発展途上といわざるをえない。 ◇ ◇ ◇
|