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【イーホームズをスケープゴート(生け贄のヤギ)に仕立て上げた事実】 耐震偽装事件が公表されて間もない2005年12月15日の拙稿、構造計算書偽造事件に思う その2――工事監理は行われたのかでは、9)12月4日の項中段に、 「……にもかかわらず、11月28日の読売新聞には『イーホームズ 検査機関指定取り消し』の記事がでている。これは誤報ではないのか。それともリークなのか」と批判した。 また、06年5月3日イーホームズ藤田社長逮捕は妥当なのかには、次のように書いた。 イーホームズが告発をしなかったなら、どうなっただろうか。 遠くない将来、首都圏に大地震が起きて多数の建築が倒壊し、多くの人命が失われることになっても、阪神淡路大地震の時のように、十分な検証もされずに短期間に片付けられ、責任がうやむやにされる可能性は高い。耐震偽装だけでなく、手抜き施工、手抜き監理を隠蔽しようとする大きな力が再びはたらき、首都圏機能の復旧を最優先すべきという大義名分に、原因究明の声はかき消されるに違いない。 自身の組織の維持よりも、社会の利益を優先する道を選択した勇気ある人物(※藤田東吾氏)を評価するどころか逮捕までして責めたてるのなら、公表の1年半前に偽装の存在を認識しながら何もせずにきた最大手の民間確認検査機関(※日本ERI)をどう扱うのか。 発覚するはるか前の1998年から偽装を見逃してきた東京都など多くの特定行政庁、そして結果的に穴のある確認検査制度をつくった国交省の責任は問わないのか。そのような法律を通してきた国会の責任を不問にするのか。 それをする前に、一民間検査機関を廃業に追い込んでしまったことには、全く納得がいかない。 ほんの数年前、雪印食品の偽装牛肉事件に関して勇気ある内部告発をした西宮冷蔵の水谷社長が、国から営業停止命令を受け、経営が立ち行かなくなり一時自主廃業にまで追い込まれてしまった事件が思い起こされ、暗澹たる気分になる。 さらに、06年6月2日そこまでやるのか!保身の国交省がトカゲのシッポ切り!!には、 06年5月29日の読売新聞記事「イーホームズ、確認検査機関の指定取り消し」に対して、次のように書いた。 【……姉歯偽装物件の見逃しは6機関で計98件あったが、イーホームズは最も多い37件を見逃していた。このうち、複数の構造計算書をつなぎ合わせる単純な偽装の見逃し26件について、国交省は「重大な過失があった」と認定、処分対象とした。また同社が見逃したうち完成済みの約20件は、震度5強の地震で倒壊の恐れがあり、結果責任を重視した(記事引用)】 この記事にある「6機関で計98件」は、重大な誤りだ。これでは、行政(特定行政庁)の責任を不問にしかねない。正しくは、「行政で41件、民間6機関で57件」だ。(中略) ……国交省の本音(イーホームズだけ指定を取り消した理由)が透けて見える。なぜなら、「耐震性の検証値」を量り≠ノして処分を決めるのは本末転倒だからだ。そもそも「検証値」は、耐震偽装問題が発覚してから、信頼性に疑問のある設計図と計算書を使って検証した、ひとつの結果に過ぎない。 それを根拠に検査機関を処分するのなら、数値の大小や件数で決めるのはナンセンスだ。検証値が0.15だろうが1.0以上だろうが見逃しは見逃しだから、同列に判断すべきだ。 しかも、41件を見逃した特定行政庁(地方自治体)と(財)日本建築総合試験所はお目こぼし、15件もの見逃しをした(しかも隠蔽したという指摘もあった)日本ERIは軽い処分ですますというのでは、それこそ身内に大甘な見逃しだ。被害者や国民の厳しい視線を感じないのだろうか。(中略) 「独立系(ゼネコンやハウスメーカー等の利害関係者を株主にせず、天下りも受け入れない)……」だからこそ、イーホームズだけがスケープゴートにされた、と感じるのは筆者だけだろうか。 さて、「イーホームズをスケープゴートに仕立て上げた事実」の証明になるかもしれない新事実が明らかになりつつある。 【重大な小嶋メールの存在】 ヒューザー社長の小嶋進氏が、06年5月17日に詐欺容疑(耐震偽装容疑ではない)で逮捕される前、4月20日に知人の著名な技術者(藤田氏による)に送っていたというメールの存在が明らかになった。イーホームズ社長藤田東吾氏が複数のブログを通して公表している。 頑張れ藤田東吾 らくちんランプ きっこの日記 耐震偽装と報道責任 そのメールには、ヒューザー社が販売した「グランドステージ下総中山」、「グランドステージ浮間公園」の「耐震性検証値改竄」について重大な事実(と思われる)ことが書かれている。 藤田氏はそのメールをO氏に面会して入手したという。いきさつは明らかではないが、国交省関係者はさぞかし戦々恐々としていることだろう。 引用する。 [O先生 拝読しました。ありがとうございます。 0.5を国交省が発表したのは私たちの瑕疵担保責任が切れていた、グランドステージ池上の耐震強度計算書を大田区に届けた直後、11月25日(※筆者注:2005年)前後だったろうと思います。私たちの責任外の案件はどうするのだろうと固唾を飲んで見守っていたところ、すかさず0.5以上は強制退去方針を出さないと国交省HPで通達を出しました。 随分勝手なものだなとあきれました。GS(※グランドステージ)下総中山はERI(※民間確認検査機関最大手の日本ERI)を守るために0.37を国交省は0.73で発表し、S部長(※ヒューザー社員)の住んでいるGS浮間公園は6通りの計算数値が全て違い、北区は当初の0.4を公表せずやり直して0.7で公表したり、特定行政庁(※区役所、市役所等の建築主事)に責任が行かないように0.5を出してきたり、姉歯以外にも被害が出始めると、2月15日には限界体力計算方法(※4種の構造計算法のひとつで2000年に導入)など他の計算方法もいいと再通達を出してきたりで、先生の「お代官様の虫の居所一つ」で敷居値が運用されてきたのがよく理解できました。 何故コンピューターで計算したものをCDを添付させずに、目視点検にさせたか、しかも大臣認定ソフトは中身の点検は省略していいということになっていたのか、「検算禁止命令」となっていたのか、などなど、役人がガラス張りを嫌って既得権益を守ろうとしていたという先生の「色眼鏡」解説で目から鱗が落ちました。(以降省略)小嶋進](引用終わり) 公表を想定したものではないため、当事者でなければ判り難いので、次に要点の“翻訳”を試みる。 国交省は05年11月25日付けのHPで、「構造計算書偽造問題対策連絡協議会(第3回)議事概要」を公表している。 その中で、3.今後の取組について(1)「特定行政庁による命令手順と危険度の線引きについて」に、「Is(※構造耐震指標)0.3に相当するものとしてQu(※保有水平耐力)/Qum(※必要保有水平耐力)0.5を目安とすることが確認された」としている。つまり危険度の線引きを0.5と決めた。 しかし1.0未満が違法である(法の定める強度を満たしていない)ことには変わりがないし、0.45より0.55の建築が安全かは言い切れない。机上の論理だからだ。構造設計者の設計思想によって、計算結果にバラツキが出るのは専門家には常識であるし、施工の品質によっても強度は下がる。 ともかく小嶋氏は、「当初の検証値が0.37だった「グランドステージ下総中山」を、国交省は0.73と発表した。」と書いている。この検証をしたのは、国交省と国土技術政策総合研究所(国総研)であると藤田氏は指摘している。 また小嶋氏はグランドステージ浮間公園についても、「当初の検証値は0.4なのに、北区は0.7と公表した。」としている。 この点を明らかにするためには、日本ERI、東京都北区、国土交通省に情報の開示を求める必要がある。オンブズマンに期待したい。 そしてあらためて、国土技術政策総合研究所(国交省の内部組織)ではない、つまり国のヒモ付きでない複数の機関で、国民の監視のもとに再検証すべきだ。 ※グランドステージ下総中山 所在地:千葉県市川市鬼高3丁目、確認機関:日本ERI、建築主:ヒューザー、設計者:スペースワン建築研究所、施工者:太平工業、建築確認日:02.3.28、構造・階数:RC9階、戸数:分譲23戸、現況:竣工済。(051201国交省HPの「物件概要」より) 12月1日の時点では検証値は記載されていないが、12月6日になって初めて耐震性の検証0.73が記載されている。 ※グランドステージ浮間公園 所在地:東京都北区浮間5丁目14−6、確認機関:日本ERI、建築主:ヒューザー、設計者:スペースワン建築研究所、施工者:福田組東京本店、建築確認日:01.8.8、構造・階数:RC11階3371m2、戸数:分譲32戸、現況:竣工済(06年2月時点)、耐震性の検証:0.70(060221国交省HPの「物件概要」より) 【上記2物件の国交省ホームページ上での変遷】 05年11月21日 姉歯建築士関与の耐震偽装物件21件。 確認機関はイーホームズ20件、東日本住宅評価センター1件。これは、11月17日に国交省の佐藤信秋事務次官によって記者発表が行われたあと、初めて掲載された「物件概要」リストによる。 05年12月1日 初回の21件に、22件が追加された。 追加22件を確認した機関の内訳は、行政9件、イーホームズ8件、日本ERI3件。UDI確認検査2件。初めて「グランドステージ下総中山」がリストに加わっている。行政が係わっていたことも判明した。この段階では、「耐震性の検証値」は発表されていない。だだし、現在のHPには当初の21件の検証値が(いつからか不明だが)追加記載されている。 05年12月6日 初回21件+追加41件となる。 追加41件の内訳は、行政20件、財団1件、イーホームズ10件、日本ERI7件。UDI確認検査2件、ビューロベリタス1件。追加分のうち3件の検証値が追記され、前述の「グランドステージ下総中山」は0.73と記された。 06年1月10日、リストの18番目に「確認機関:日本ERI、所在地:東京都北区、用途:共同住宅、現況:共同住宅」とだけ記載された物件が初出。「グランドステージ浮間公園」と推察される。それが、1月25日に19番目に移動された後は、「物件概要」の更新は、その都度上書きされるので、それ以降のリストの変遷は比べられなくなった。作為的なにおいがする。 06年2月20日に新しいリスト(「物件概要」)が公表された。「グランドステージ浮間公園」が38番目に“正式に”登場した。 国総研とは:国土交通省国土技術政策総合研究所 2001年設立 茨城県つくば市旭1 所長:望月常好、副所長:小川冨由(副所長は他に1名) 『国土技術政策総合研究所(国総研)は、「美しく安全で活力ある国土」の実現をめざして、住宅・社会資本のエンドユーザーである国民の満足度を高めるため、技術政策の企画立案に役立つ研究をしていきます。』(7月13日現在のHPより) ※お気づきの方もおられるだろう。副所長の小川冨由氏は、耐震偽装事件処理の責任者のひとりだ。 当時の国交省ラインを思い出していただきたい。国土交通大臣:北側一雄、国土交通事務次官:佐藤信秋、同住宅局長:山本繁太郎、同建築指導課長:小川冨由、同課長補佐:田中政幸。 小川氏はこんなところで風を避けていたのか。なお、この7月初めには本庁に戻ったという情報がある。 2物件の改竄かつ捏造された検証値、0.73と0.70は、国交省に“近い”と巷間言われている 日本ERIを救うために、イーホームズを悪者として際立たせたせる道具にしたのではあるまいか。それなら、イーホームズ等スケープゴート機関の数値は、逆に低減したと考えるほうが自然だろう。 いったい、誰が指示したのか仕組んだのか。大臣か、次官か、外郭団体のOBか、政治家なのか。 そもそも、逮捕寸前の状況の小嶋氏が、自社の売った物件の耐震性能を高く主張するのなら理解できる話しだが、逆を言っているのだ。だからこそ、「重大な事実」の信憑性は高い。 【藤田東吾氏 元気】 問題のメールについては、すでに複数の週刊誌が取材に動き出しているという。“膿み”を徹底的に暴きだしてほしい。 また、藤田氏は、辛口の建築評論誌「月刊・建築ジャーナル」の8月1日発売号に、この問題に関して「耐震偽装事件は国交省、日本建築センターの国家犯罪 国民を犠牲にした国交省の不当な数値捜査」なるタイトルで寄稿したという。藤田氏は元気だ。ヤギ(GOAT)では終るまい。 建築ジャーナル 【イザヨ・ベンダソン】 さて、棒に怒る日本人というブログがある。 イザヨ・ベンダソンというイスラエル人が書いている。この名前から、イザヤ・ベンダサン(山本七平)を思う方も多いだろう。 詮索はさて置き、ベンダソン氏の正義感に立脚した、筋の通った論理展開には筆者は日頃から敬服している。 7月12日「耐震偽装問題の夜明け」から抜粋して引用させていただく。 > ■藤田氏の名誉回復を忘れるな! 藤田告発の正しさ・事実性が明らかになっても、彼の名誉やイーホームズが復活しないとするならば、この国はナンだって、長いものに巻かれてやったモン勝ちということだ。 ■実態は植民地 だから、耐震偽装問題の解明と同時に、藤田東吾氏始め国策によって潰された人々も救われなければ、これは明日の我が身であり、この国では誰も不正を正さなくなってしまう。こういう国民精神の破壊こそが、民族のアイデンティティや国家体制を破壊してしまい、形だけの独立国家、実態は植民地と化してしまうのだ。 ■棒にしか怒らないニホンジン 先ずは民族全体を、「棒にしか怒らない」ように改造した。今、私たちの周りには、「文章」を理解せず「単語」にだけ反応し、「棒」に怒りをぶつける人ばかりになりつつある。誰が殴っているのか、全く理解しようとはしないのだ。 だから、「耐震偽装問題」も、「危険」「儲けている」「有罪」、この3つの単語で、大衆はものの見事に、「殴った相手」ではなく「棒」に怒りをぶつけ溜飲を下げた。そして、その殴った国交省の役人は、のうのうと参議院選挙に出馬する。ガイジンから見れば、ニホンジン・バカ・アルネ。 ■公開リンチ 大衆が「棒に怒りをぶつける」仕組みはカンタンだった。先ず「危険」でパニックに陥れ、「儲けている」で憎しみを煽る。憎しみの原因は、本来「危険」なはずなのだが、大衆はそういう論理よりも、やっかみに心を支配されるから、ヒューザーやイーホームズが急成長したことが「大罪」とされる。そこを上手くついた。そして逮捕・有罪となれば、大衆は大喜び。だが、これでは、単なる公開リンチに過ぎないから、問題は何一つ解決も解明もされていない。 ■大罪 「大罪」が国交省に有る事は、藤田東吾氏が何度も指摘しており、次々と明るみに出てきた事実が、それを裏付けている。耐震偽装が明らかになった後にも関らず、藤田東吾氏が指摘してきた、一連のアパ物件などその良い例だ。 ■役人が逮捕されない不思議 このように改ざんできるシステムを認定した事もスゴイが、この事が原因で、実際に偽装と言う犯罪が行われた時の彼らの対応は、藤田東吾氏の言うとおりならば、何故逮捕されないのかが不思議なものだ。 ■さすがに乗らなかった検察 そして、明らかに国策逮捕と思われる藤田東吾氏は、逮捕後ボロッカスに国交省やアパを責めている。これに対して国交省やアパは、逃げてばかりで一向に正面から対峙しない。昨年ネットで流された映像では、あろう事か藤田東吾氏が国交省に乗り込み、次官室のドアを叩くシーンが有り、ぶったまげた。(中略)別件逮捕する気なら格好の材料だろう、その度胸にはたまげた。だが、逮捕されなかった。検察も国交省の言う事を真に受けて、うっかり逮捕したものの、どうやっても本筋では有罪に出来ず、ションベン刑がやっとだったから、もう乗らないぞと言う事だろう。< さらにベンダソン氏は、「小嶋メール」に関して次のように書く。 > ■首の1つや2つ で、ここのところの年金問題など見るにつけ、役人を信じるか、小嶋メールを信じるかと言えば、小嶋メールと言わざるを得ない。事実、小嶋氏は国会承認喚問で「私が本当のことをしゃべれば官僚の首の1つや2つは飛ぶぞ!」って怒鳴っていたが、その意味がようやく分かった思いだ。 ■国家に巣くう宦官ども 先に述べたように、耐震偽装も年金問題も、根は官僚機構の犯罪と言う点で同じだ。我々が、今後も藤田東吾氏を支援し、関心を持っていかなければ、官僚の中の国家に巣くう宦官どもに、この国は食い散らかされてしまう。< 筆者は強く共感する。 藤田東吾さんが天木直人さんの応援に駆けつける 検証・耐震偽装 悪いのは誰か?何か?(14)逃げるな国土交通省! 検証・耐震偽装 悪いのは誰か?何か?(12)藤田東吾氏 小嶋進氏裁判で証人に |