日本にはいろいろ歴史的な習俗から来ている祝日がある。「成人の日」という祝日ももともとは中国の「元宵節」に由来する祭日であった。
古来、中国では新年の最初の満月の日、つまり農暦=太陰暦の1月15日を上元節あるいは元宵節といって祝ってきた。これはもともと道教の神「天官」の誕生日である。農暦は月の満ち欠けをもって暦としていたので、その年の最初の満月の日をもつて歳を数え、だれそれも「今日からもう大人だね」といって祝ったのが元宵節である。この習慣が日本にも伝わり、この日に「元服式」(中国にもあった男子の成年戴冠式)を執り行ったのが「成人の日」の由来である。
大阪市西区の成人式。壇上の「お呼びでない」来賓たち(1月14日、筆者撮影)
日本の法律の中で「民法」では「成人」を20歳以上としている。「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」ことを趣旨として「成人の日」を「祝日」としている。この日には、前年の4月2日からその年の4月1日に成人する人を式典参加の対象にして、各市町村でその地域に住む新成人を招いて「成人式」が行われる。
1948年の「祝日法」(国民の祝日に関する法律)の公布・実施から1999年までは1月15日を「成人の日」としていた。ただ休日を連続させて勤労者が続けて休みやすいよう定例であった日付けをその日に近い月曜日にすることにした。そのため「成人の日」は1月の第2日曜日の翌月曜日と変えられた。2008年は1月14日が「成人の日」である。
日本の法律の中で「民法」では「成人」を20歳以上としているが「児童福祉法」では18歳までを児童としている。「皇族」の方々は18歳以上のかたは「成年皇族」として「公務」につかれるらしい。
数少ない男性の羽織はかま姿(左)女性は華やかな振袖姿(右) 貸衣装代は20万円以上だったとか
「成人式」には女性は「振袖」姿、男性は背広姿で出席するのが多い。この「振袖」は最近ではほとんどが貸衣裳の人が多い。費用は20万円以上もするそうである。
近年日本全国各地で一部男性の「新成人」がまるで「七五三の宮参り」のように「お揃い」の派手な「紋付袴」姿。貸衣装代10万円以上もかけて成人式会場に繰り出し、日本酒の1升瓶をラッパ飲みで、回し飲みしながら式場に乱入し、式典の秩序を無視して傍若無人の振る舞いで暴れたりして、多くの人のひんしゅくをかっている。20歳から「飲酒・喫煙」が合法なのでそれを恣意的に誇示しているのだろうが、その発想自体が「児戯」に等しい行為である。
私の住む大阪市では新成人の中から公募抽選で選ばれた新成人50人が市役所の屋上にある鐘楼にある「みおつくしの鐘」(市章のデザインにもなっている大阪市のシンボル)を20回撞いて祝う。一般の新成人は市内各区にある区民センターで区長や地域選出の府会・市会議員などの来賓が出席して成人式の祝賀式典が行われる。
大阪市西区長の話では「西区では例年地域の成年ボランティアなどが式典の運営などを行ってきた。そのため地域の人的つながりが強く、他の地域のように荒れた式典にはなったことがない」という。この日男性の新成人の「紋付袴」5、6人いたが、ほとんどが伝統的な「黒紋付」であった。そのほとんどがその家に伝わるものを着用してきたという。
成人の日に久し振りの「同窓会」
戦前は日本にも「徴兵制」があり、具体的に国家に対して「兵役」という義務が生じたからそれなりに「おとな」を意識していたのであろう。しかし現行の日本国憲法では「兵力」を持たないこととなっている。現実には「自衛隊」という名の「軍隊」をもってはいるが、これは志願制である。だから「兵役の義務」は存在していない。日本国憲法には「義務」についてはあまり書かれていない。だからだろうか、現在日本の若者は「権利」のみを主張する傾向が強いようだ。
中国では18歳以上を「成人」としていていろいろな権利義務が発生する。中国の憲法上では「徴兵制」が規定されているので「兵役の義務」がついてくる。「中国人民解放軍」の兵士になるということは、特に農村地区の青年にとっては、ある種「エリートコース」ということなので、「志願」して入隊するのはかなりの狭き門の「難関」コースである。わたしはもちろん日本での「徴兵制」を推奨しているわけではないが、「おとな」としての「義務」について「責任」を自覚してもらう何かが必要ではないかと思う。