企業の非正規雇用の増大で正規雇用が減少し、さらにはグッドウィル・グループに代表されるような違法な派遣事業や無権利状態にある日雇い派遣などが増え、企業に都合のよいだけの働かせ方が、はびこっている。
このような中で、今、新しい働き方と事業の仕組みが地域で求められており、この点で、NPC(非営利型株式会社 Nonprofit Company)などともに注目されているのが「ワーカーズ・コープ」、「ワーカーズ・コレクティブ」、「協同労働の協同組合」である。
これらは、地域に必要な機能を事業化し、働く人が資本と経営権を持って民主的経営を行い、自ら働いて報酬を得る事業体であり、実際に福祉サービス、介護サービス、児童福祉から物流まで幅広い事業を現在行っている。また、これらは営利追求のみの私企業と異なり、協同組合の原理にもとづき、非営利の公共的な仕事も多く行っている。
そもそも、協同組合は、働く人が資本と経営権を持って民主的経営を行い、自ら働いて報酬を得る自治事業体で、18世紀に失業者によるイギリスのロッチデール公正開拓者組合から発して、1895年にはICA(International Co-operative Allience、国際協同組合同盟)が設立され、世界的な規模で広がっている。
日本でも、古くから農業協同組合(農協)、漁業協同組合(漁協)、市民生活協同組合(生協)、労済生協事業協同組合、住宅生協、医療生協、労働金庫、労働者協同組合などが存在しているが、協同組合の原理を同じくしていても歴史や業種によって、あり方は異なる。
そして今、これらの協同組合のうち「ワーカーズ・コープ」など協同でお金を出し合って地域で働く仕組みを法制化する、仮称「協同出資・協同経営で働く協同組合法」制定の動きが本格化している。
既に、ヨーロッパをはじめ、アメリカでさえ、これらの働き方・事業を支える法律が制定されているが、日本では法制化されていない。そのため「ワーカーズ・コープ」などは便宜的に特定非営利活動法人や企業組合の制度を利用して事業を行っているが、その総計は従事者が3万人で年300億円規模とも言われており、実態として日本にも根付いている。
日本では1990年代から法制化が検討され、今回の仮称「協同出資・協同経営で働く協同組合法」を推進している『協同労働の協同組合』法制化をめざす市民会議が2000年11月に結成されている。
この協同組合は4つの要件を柱としている。
・自発的な仕事おこしを協同労働により実現する。
・働く意志のある人々が、共同で出資し、共に労働し、経営する。
・組合員は、働く人々からなり、働く人々が組合員となる。同時に、目的に賛同し出資する人々も、組合からサービスを受ける利用者も、組合員となれる。
・剰余を起業支援、教育、地域社会の福祉を担う事業のために積み立てる。
現在、同市民会議は各地のワーカーズ・コープや日本労働者協同組合連合会、ワーカーズコープ・センター事業団、ワーカーズ・コレクティブネットワークジャパン、協同総合研究所、日本高齢者生活協同組合連合会などと法制化を求める地域市民集会を開催している。
2月1日には法制化を目指す国会議員による「『協同出資・協同経営で働く協同組合法(仮称)』 を考える議員連盟」の発起人会が開かれ、20日には超党派の同議員連盟の発会式が行われる予定だ。また、今後も各地で法制化の促進のため地域市民集会が行われる予定だが、28日には東京でも下記の通り実施される。
今月9、10日に行われた東京都社会福祉協議会の「ボランタリーフォーラム2008」(主催:同社協 東京ボランティア・市民活動センター)でも「ワーカーズコープ」の取り組みが発表され、活発な議論が交わされた。
このように、関係者ばかりでなく、ボランティア、市民活動、NPOなどからも仕事おこしや地域づくり、新しい公共の担い手のための事業主体の制度化として仮称「協同出資・協同経営で働く協同組合法」が注目されている。
◆協同法制化決起市民集会
日時:2月28日(木) 14:00〜16:00(15分前より受付)
会場:
こまばエミナースホール
(東京都目黒区大橋2−19−5 電話:03−3485−1411)
申し込み・問い合わせ
『協同労働の協同組合』法制化をめざす市民会議
事務局 市民会議事務局(担当:尾門・岡本)
TEL:03−6907−8040 FAX:03−6907−8041
E-mail:
rngukism@roukyou.gr.jp
◆参考:
協同労働法市民会議だより (※同市民会議のサイトは改訂中)
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