「確定申告特集」で池脇千鶴さんを起用してe−Taxの大宣伝(国税庁ホームページから)
所得税確定申告受け付け当日の2月15日、テレビニュースは、若い女優をパソコンの前に座らせて、インターネット経由でパソコンから確定申告できる「e−Tax」(イータックス)サービスの開始という、総務省お膳立ての「疑似イベント」をニュース仕立てで一斉に放送した。この「ニュース」、ごていねいにも女優さんに「思ったより簡単」とカメラに向って語らせていた。
「思ったより簡単」。この強烈なメッセージは、「パソコンでの申告は領収書の添付不要」「e−Taxによる申告は5,000円減税」という強烈なオマケ付きだったから、定年で確定申告をすることになった団塊の世代はじめ多くの国民は、総務省が「思ったより簡単」に、イータックスに飛びついてくれた。
ところが、事実は、とても「簡単」というわけにはいかないのだ。 少なくとも、総務省や税務署の広報チラシにある「ホームページからカンタン申告」という殺し文句は、全く事実に反していて、現場は大混乱になっている。
混乱の第1現場・税務署には、問い合わせ電話が殺到。税務署のイータックス担当者は「総務省の広報がいい加減だ」とカンカンだ。なぜなら、「ホームページにアクセス」しても、カンタンには申告できないからだ。怒った国民から税務署に文句が殺到した。
税務署の説明で国民が初めて知ったことは、パソコンで申告するには まず、
(1)住民基本台帳カードを持っていなければならないこと(チラシには、「住基」のジュの字も書かれていない!)。
(2)住民基本台帳カードを持って(持ってない人は区役所や市役所で住民基本台帳登録カードを申請の上で取得して)区役所や市役所の認証窓口に行き、カードで買い物した時に通すような小型の機械で電子認証をしてもらうこと。
電子認証を受けてようやく、住基カードに電子証明書が入力される。これだけの手間を、チラシの裏にある「事前の準備」には「電子証明書を取得する」としか書いてない。16日以降、各自治体ではあれだけ不評だった住基カードの在庫不足に脅かされることになったはずだ。
さらに、
(3)「ICカードリーダライターを用意する」とある。
いったいそれは、何のことか。自分のパソコンにカードを読み込ませるためのUSB端子接続可能な端末のことだが、電話でいったいどう説明したのだろう。持っている人は皆無だから、みんな家電量販店に走る。都市周辺部の家電量販店はたちまち在庫切れとなった。
さて、やっと準備完了。と思いきや、
(4)自分のパソコンで「e−Taxホームページ」から総務省外郭団体のサイトに飛んで、「開始手続き」をするためのソフトのダウンロードをしなければならない。
これが、米国SUNマイクロシステムズの、日本向けにはまだこなれていないソフトだった。英文だけのページにびくつきながら(パソコン英語が分からない人には無理)、ダウンロードから初期登録(電子証明書のID、暗証番号を入力)へ。
(5)ここまで無事すませて、ようやっと国税庁ホームページの「確定申告等作成コーナー」にたどり着くことができる。
長くなるので、あとは省略するが、申告書が作成できたら、送信、受信通知(税額が入っている)を受け取って完了だ。
いったい、どこが「カンタン」なのか。国民を愚弄するのもいい加減にしてほしい。