目 次
(P.1)判決言い渡し
(P.2)記者会見
(P.3)質疑応答
戦時下最大の言論弾圧事件と言われている「横浜事件」の再審上告審の判決言い渡しが3月14日に最高裁第2小法廷であり、上告は棄却されました。元被告人やその家族ら原告が望んだ「無罪」判決はついに出ませんでした。
判決言い渡し
最高裁が判決見直しに必要な弁論を開催しないことを決定したことで、すでに判決が予想されたこともあったせいか、傍聴希望者は抽選に到らず、裁判が始まる40分前までに最高裁の南門の整理券配布所に並んだ人たち全員に傍聴券が配られました(傍聴人は定員の43名)。
不当判決に抗議をする支援者の人たち
最高裁第2小法廷に入る前、手荷物はロッカーに入れ、持ち込みは貴重品と筆記用具のみ、との注意を受けました。大勢の係員が居並ぶ中、2回のボディチェックを受け、係員に連れられて階段を上がって行くと、劇場のような天井の高い部屋に通されました。それが第2小法廷でした。
傍聴人43名に対し、報道陣約20名とテレビカメラ7台が入りました。開廷10分前に係員が、2分間の撮影があることや正面の扉が開いて裁判官が入廷・退廷のとき起立してくださいといったことなどの注意を与えました。5分前に「間もなく開廷します」という知らせがあり、正面の扉が開いて裁判官4名が入廷しました。2分間の撮影を終え、カメラが出て行ったあと、裁判が始まりました。
主文、本各上告を棄却する
今井功裁判長が開廷を告げ、次いで判決の言い渡しがありました。「主文、本件各上告を棄却する」との主文言い渡しのあと、その理由について述べました。約5分間の説明によると、判決文の要旨は、再審という特殊性においても免訴の理由が認められる以上、1審判決は正当であり、2審判決についても、免訴判決は上訴できないとして追認するものでした。
今井裁判長が主文を言い渡したとき、傍聴席から「おかしい!」という抗議の声が上がりました。裁判が終わって4人の裁判官が退廷した直後にも、「不当判決!」「再審はなんだったんだ!」という判決に対する抗議の声が傍聴席から起こりました。
裁判のあと、最高裁の南門を出たところで、傍聴人や遺族の方々からお話を伺うことができました。「正義」という字を書いた紙を持参した女性は、「戦争の反省がないから今日のような判決になるのです」と憤りをあらわにしていました。
歯がゆい思いの判決
遺族の小林佳一郎さんは報道陣に「再審請求の内容をよく理解した上で報道してほしい」とした上で、「うちの親父の名誉回復ということでなく、事実を解明することで同じ過ちを繰り返さないことを訴えるための裁判であることを主張してきた。最高裁がその趣旨に沿った判決を出さなかったことは残念」として、「歯がゆい」思いを吐露しました。
判決については、「簡単すぎた。結果がわかっていたが、もう少し内容があると思った」と述べ、判決だけでなく、その内容についても失望したことを明らかにしました。「24年間の再審請求の意味について考えてほしい。なぜ再審請求なのか。こんなことではない。このような過ちがいまにつながっている」と実質審議に入らずに上告を棄却した最高裁の判断を批判しました。
人間味のない、冷たい感じだった
遺族の木村まきさんは、「新聞では確定したようなことを書いていたが、少しは良い判決結果が出ることを期待していた」と述べました。判決を言い渡されたときの思いを問われ、「楽観していなかったが、えーッ!という気持ちだった」と答えました。「事務的な感じ。あまりに人間味がない。冷たい感じだった」との感想を述べました。唖然として、裁判官が退廷するとき、立ち上がることができなかったと明らかにしました。
判決については、「血の一滴も感じられなかった。被害者や被害者の遺族の気持ちに対し、ひとかけらの思いを致すことがないと感じた。法律と法律の闘いだけでなく、そこには人間がいて被害者がいる。裁く側も人間、被害者も裁かれている側も人間。突き放すような書き方ではなく、もっと違った書き様があるのではないか」と不満を訴えました。
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