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横浜事件再審、歯がゆい「免訴」判決が確定

ひらのゆきこ2008/03/16
戦争末期に起きた言論弾圧事件、横浜事件の再審裁判上告審で「免訴」の判決が出され、遺族ら原告の求める「無罪」判決は出ないまま確定した。1審の横浜地裁は、治安維持法が廃止され被告人らが恩赦を受けたことで免訴とし、この判断が東京高裁、最高裁でも維持された。原告らから「再審はなんだったんだ!」と不満の声が出ている。
日本 裁判 NA_テーマ2
目 次
(P.1)判決言い渡し
(P.2)記者会見
(P.3)質疑応答



 戦時下最大の言論弾圧事件と言われている「横浜事件」の再審上告審の判決言い渡しが3月14日に最高裁第2小法廷であり、上告は棄却されました。元被告人やその家族ら原告が望んだ「無罪」判決はついに出ませんでした。

判決言い渡し

 最高裁が判決見直しに必要な弁論を開催しないことを決定したことで、すでに判決が予想されたこともあったせいか、傍聴希望者は抽選に到らず、裁判が始まる40分前までに最高裁の南門の整理券配布所に並んだ人たち全員に傍聴券が配られました(傍聴人は定員の43名)。

横浜事件再審、歯がゆい「免訴」判決が確定 | <center>不当判決に抗議をする支援者の人たち</center>
不当判決に抗議をする支援者の人たち
 最高裁第2小法廷に入る前、手荷物はロッカーに入れ、持ち込みは貴重品と筆記用具のみ、との注意を受けました。大勢の係員が居並ぶ中、2回のボディチェックを受け、係員に連れられて階段を上がって行くと、劇場のような天井の高い部屋に通されました。それが第2小法廷でした。

 傍聴人43名に対し、報道陣約20名とテレビカメラ7台が入りました。開廷10分前に係員が、2分間の撮影があることや正面の扉が開いて裁判官が入廷・退廷のとき起立してくださいといったことなどの注意を与えました。5分前に「間もなく開廷します」という知らせがあり、正面の扉が開いて裁判官4名が入廷しました。2分間の撮影を終え、カメラが出て行ったあと、裁判が始まりました。

主文、本各上告を棄却する
 今井功裁判長が開廷を告げ、次いで判決の言い渡しがありました。「主文、本件各上告を棄却する」との主文言い渡しのあと、その理由について述べました。約5分間の説明によると、判決文の要旨は、再審という特殊性においても免訴の理由が認められる以上、1審判決は正当であり、2審判決についても、免訴判決は上訴できないとして追認するものでした。

 今井裁判長が主文を言い渡したとき、傍聴席から「おかしい!」という抗議の声が上がりました。裁判が終わって4人の裁判官が退廷した直後にも、「不当判決!」「再審はなんだったんだ!」という判決に対する抗議の声が傍聴席から起こりました。

 裁判のあと、最高裁の南門を出たところで、傍聴人や遺族の方々からお話を伺うことができました。「正義」という字を書いた紙を持参した女性は、「戦争の反省がないから今日のような判決になるのです」と憤りをあらわにしていました。

歯がゆい思いの判決
 遺族の小林佳一郎さんは報道陣に「再審請求の内容をよく理解した上で報道してほしい」とした上で、「うちの親父の名誉回復ということでなく、事実を解明することで同じ過ちを繰り返さないことを訴えるための裁判であることを主張してきた。最高裁がその趣旨に沿った判決を出さなかったことは残念」として、「歯がゆい」思いを吐露しました。

 判決については、「簡単すぎた。結果がわかっていたが、もう少し内容があると思った」と述べ、判決だけでなく、その内容についても失望したことを明らかにしました。「24年間の再審請求の意味について考えてほしい。なぜ再審請求なのか。こんなことではない。このような過ちがいまにつながっている」と実質審議に入らずに上告を棄却した最高裁の判断を批判しました。

人間味のない、冷たい感じだった
 遺族の木村まきさんは、「新聞では確定したようなことを書いていたが、少しは良い判決結果が出ることを期待していた」と述べました。判決を言い渡されたときの思いを問われ、「楽観していなかったが、えーッ!という気持ちだった」と答えました。「事務的な感じ。あまりに人間味がない。冷たい感じだった」との感想を述べました。唖然として、裁判官が退廷するとき、立ち上がることができなかったと明らかにしました。

 判決については、「血の一滴も感じられなかった。被害者や被害者の遺族の気持ちに対し、ひとかけらの思いを致すことがないと感じた。法律と法律の闘いだけでなく、そこには人間がいて被害者がいる。裁く側も人間、被害者も裁かれている側も人間。突き放すような書き方ではなく、もっと違った書き様があるのではないか」と不満を訴えました。

◇ ◇ ◇

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[33181] 最高裁は三権分立の精神を放棄していないか
名前:熊木秀夫
日時:2008/03/16 16:44
横浜事件について最高裁の上告棄却の判決は、日本国憲法にも規定された三権分立の考えを捨ててしまったのではないか。それはいまはじまったことではないが。子どもの時太平洋戦争がはじまって2ねんめとなるのに読売新聞に報道されたのは、国際スパイを逮捕したというものだつた。国を挙げて大東亜共栄圏を作ろうとしているときにそんな期待を裏切る日本人がいると、何も知らない子ども私は思った。
去る1月9日和光大学元教授でエスペランチストであった高杉一郎がなくなったので、手元にあった「スターリン体験」岩波同時代ライブラリー33をひらいたら、横浜事件または神奈川事件についての記述があった。この人は当時改造社で文芸関係の編集部ではたらいていた。
そのころビルマ戦線に報道班員として活動していた清水幾太郎が帰ってきて雑誌編集部の集まりで語ったエピソードがかたられている
ビルマの愛国青年が訪ねてきて、大東亜共栄圏とはUnited States of Asiaと解釈していいかと訪ねた。清水はイエスと答えたかったが、報道部長の陸軍大佐に尋ねると彼は「千成瓢箪で池」と答えたという真ん中にある大きな瓢箪が日本だという」
雑誌「改造」9月号に出た細川嘉六の論文「世界史の動向と日本」は事前検閲で僅かな字句の修正で通過した。ところが同じ年の9月14日の日本出版協会機関紙「日本読書新聞」の「戦争と読書」という記事の中で、大本営陸軍報道部長谷萩華雄が「「あれは共産主義の宣伝でしょう、手抜かりですね」といったことから問題は大きくなっていった。大半を売りつくした雑誌「改造」は発売禁止、細川はその日のうちに謙虚され、二人の編集関係者は辞任した。その後細川を真ん中にした数名の若者の旅館の浴衣姿の1枚の写真が「共産党再建準備会の泊会議」としてでっちあげられた。どんな古いことであれ、事実を正確に調べない、最高裁判事は憲法を守っているといえるのか?
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