大阪・豊中市内で4月5日、「女性センター館長雇い止め・バックラッシュ裁判を考える集会」が開かれ、約60人の市民が参加して原告の三井マリ子さんと宮地光子弁護士の報告に耳を傾けました。2000年に豊中市の女性センターの初代館長として全国公募で選ばれた三井マリ子さんは04年3月、市と男女共同参画推進財団から雇い止め(解雇)され、同年12月に損害賠償を求めて提訴、昨年9月に敗訴しましたが、現在、高裁で控訴中です。
大勢の市民が三井マリ子さん(壇上、右)、宮地光子さん(壇上、左)の報告に耳を傾けた。(4月5日、豊中市内で)
「雇い止め・バックラッシュ裁判」と名付けられたのは、「解雇」の背景には、男女平等を嫌うバックラッシュ勢力による豊中市への圧力があった、とされるからです。三井さん作成の「バックラッシュ年表」によると、男女平等を嫌う勢力は「新しい歴史教科書をつくる会」「日本会議」と同じグループであり、全国的に組織されたものであることが一目瞭然です。
集会では活発な意見交換が行われました。ここで、その報告をします。
バックラッシュ勢力の執拗な嫌がらせを受けたという性教育担当の教師は、「行政は何の力にも盾にもならなかった。バックラッシュの嫌がらせに、一時は消え去りたいとすら思った。それが彼らの狙いなのだ。一人ひとりの良識を結集させなければ、この暴力には対抗できない。三井さんは本当に大変な苦労をされただろう」と発言しました。
若い女性から「バックラッシュは何をしたいの? 何が目的なのかわからない」と、本質的な質問が出されました。それに対して三井さんは、「女は黙って家庭を守り、丈夫な子どもを産め、そうしないと男は命をかけて仕事ができない、戦争ができない、ということではないか。(当時放映された)テレビの報道番組でも、保守派の国会議員がそのようなことを語っていた。あの本音は、男が戦争できるように女性は……と言っている」と語りました。
この回答に対し、質問者がさらに「なぜ、戦争なんかをしたいのですか?」と根源的な質問をしたら、会場はどよめきました。三井さんは「戦争で莫大な利権を得る勢力があるということではないだろうか。そして、それを支える勢力は、そもそも平等を嫌うということだと思う。戦争は(国と国との間に)平等な関係があれば起きない。不平等、支配・被支配の関係から戦争は起きる。こいつはひねりつぶしても平気だということから戦争は起きる。家庭での暴力しかり、世界での紛争しかり……」と答えました。
宮地弁護士は「とにかくこの勢力は、市民が(国民が)自分の頭で考えることを嫌う。だから、男女平等政策によって、女性の主体性が覚醒されることを嫌うのではないか。そして、三井さんが言われた利権の構造、経済的構造もあるだろうが、暴力に向かう人間性の問題も否定できないのではないか。DV被害の問題に接していて、つくづく思う」と語りました。
その後も「初めてこの問題を知った。市民として何をすればいいのか?」などの活発な意見や質問が続きました。