勝英自動車学校(岡山県勝央町。吉村武司代表取締役)は3月13日付で大船自動車学校労組(神奈川県鎌倉市)に対し、退職金の労働協約を破棄するという文書を送付してきました。
地元のメーデー集会で支援を訴える大船自校労組員
大船自動車学校(現・湘南センチュリーモータースクール)は8年前に勝英自校に企業買収され、9人が解雇されました。その後、横浜地裁・東京高裁・最高裁のすべてが解雇無効判決をくだし、会社の不当性が明らかになりました。しかし会社は9人の賃金相当額を送金するだけで、職場復帰を認めようとせず、全員が事実上の自宅待機の状態にさらされています。
一方、労組はこの間に退職した2人(1人は病死、1人は定年)の退職金の支払いを要求し、実施させてきました。解雇無効判決が確定しているので、大船自校の退職金の労働協約が生きているのです。
ところが会社は突然、冒頭の文書を送付してきました。そこには退職金の労働協約について「労働組合法第15条3項により、本状到達の日から90日を経過した日を以って解約する旨、予告致します」とありました。
労組法では確かに労働協約は90日前に破棄通告できると規定されています。しかし、それは労使で十分に話し合った結果、どうしても合意できない合理的な理由があるときに認められる行為です。会社が労使の約束事を何でも一方的に破棄できるわけではなく、そんなことが許されるなら日本のすべての企業は奴隷労働ばかりになります。
大船自校労組は解雇されて以来、判決が確定した後も、何十回も会社に団体交渉を呼びかけましたが、会社はすべて黙殺してきました。一切の話し合いに応じない、一方的な労働協約破棄は認められません。
じつは今年7月に組合員の1人が定年になります。会社はそれを見越して、退職金を支払わないと言ってきたのでしょう。定年目前の従業員の生活を破壊して平気な会社が、ほかにあるでしょうか?
現実に退職金が支払わなければ、労組は新たな裁判に訴えることになります。再び会社が敗訴することは間違いありません。会社はこの問題で労組に揺さぶりをかけているつもりなのかも知れませんが、労組はむしろ怒りを増しており、再度の大規模な岡山(本社および吉村代表取締役)攻勢を計画しています。
ところが、勝英自校は新たな問題が発覚しました。勝英グループのひとつである「備前自動車岡山教習所」で、教官が教習中に携帯電話のメール発信に熱中したため、5月中旬に5日間の業務停止処分を受けたのです。地元のメディアは一斉に大きく報道しました。コンプライアンスを無視する企業は、仕事も無法状態で行っているということでしょうか。
(つづく)
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