巷では「鯨肉が冷凍されて送られる時代になってから不味くなった」という声も聞こえるクジラのベーコン。だが、函館、釧路、札幌、長崎、下関、広島、鹿児島、東京など各地のレストラン、鮨屋、高級料亭などには、常温塩蔵の<プレミアくじら>のベーコンなどが出回っている。刺身でいちばん良い部位とされる「オノミ(尾のみ)」は<永田町あたり>に流れるともされ、鯨肉横領疑惑の真相究明が待たれる。
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン が入手した常温塩蔵の「ウネス(畝須)」23.5kgは、21日に東京地方検察庁が証拠として正式に受理した。グリーンピース・ジャパンは、横領疑惑の全貌が明らかになることを期待している。あわせて、海洋生態系問題担当部長の佐藤潤一さんは「6月にも日新丸は北大西洋の調査捕鯨に出港する予定となっている。その調査に対して水産庁は、真相究明がなされるまで許可を出すべきでない」と述べた。
一般の漁業なら、網元あるいは船主の黙認などがあれば、乗組員が魚肉を個人的に流用することもあり得るだろう。しかし「調査捕鯨」にはこれまで、20年ほどで100億円もの税金が支出されてきた。くわえて捕殺したクジラの肉の有効利用も、本来、水産庁の許可を必要とする。ところが疑惑が明らかになるまで、水産庁は「お土産」慣行も把握していなかった。しかも横領疑惑の常温塩蔵鯨肉<プレミアくじら>は、「お土産」とも異なる性質のものだ。
横領疑惑の鯨肉、常温塩蔵<プレミアくじら> 15日の記者会見で
内部告発は、鯨肉投棄の問題や、病変の未調査も指摘
さらに、複数の内部告発では、南氷洋捕鯨でミンククジラが取れすぎた日には、20頭7tもの鯨肉を破棄していることも明らかになった。鯨肉投棄の問題は、すでに
「南極海での捕鯨の現実を知ってください〜南極海のクジラ保護区から〜」 などで指摘され、写真撮影もされた。これを複数の提供情報は裏付ける格好となっている。今は専ら鯨肉横領問題に焦点があてられているが、鯨肉投棄の問題については国会や会計検査院などが真相を究明すべきだ。
グリーンピース・ジャパン でも、ひきつづき情報提供を呼びかけている。
おりしもアイスランドは、国際的に非難の根強い商業捕鯨をこの夏、ミンククジラ40頭の規模で実施することを明らかにした
(関連報道) 。ノルウェーは2007年、592頭のミンククジラを沿岸の商業捕鯨で捕った。しかしこの2国は、IWC(国際捕鯨委員会)の商業捕鯨モラトリアム(一時停止)を留保している。日本の「調査捕鯨」が、ノルウェーの商業捕鯨と同程度の規模で行われていること自体が問題なのだ。
【JARPA II では黒白のはっきりするような目的は掲げられず、結果がどう出ても良いモニターリングと、結果が出ないことが端から分かっている生態系モデルの目標を掲げている。これだと100年間は調査を継続できる。その間ナン世代にもわたって甘い汁を吸える】
(JanJan ご意見[34303] ) などという批判のつきない「調査捕鯨」。ミンククジラの生息数を推定したり、その食生活を探ることは、せいぜい10数頭の捕殺で自然科学的に十分な調査ができる筈ではないのか。500頭も超える捕殺の必要性は疑わしい。
日本の「調査捕鯨」はあまった鯨肉を海洋に投棄し、「捨てるぐらいなら捕るな」という
内部告発(PDFファイル) によれば、クジラのガンや胃潰瘍など病変をきちんと調べ公表していない。横領疑惑まで明らかになった今こそ、「調査捕鯨」そのものの全面的な見直しや中止が求められる。鯨研と共同船舶は「調査捕鯨」から撤退すべきで、日本沿岸の小規模捕鯨に関しては別途、振興策が求められる。
伝票には中身を「ダンボール」と記した宅配便の箱、<プレミアくじら>「ウネス」23.5kg。中身は透明のビニール袋、さらに黒色不透明のビニール袋につつまれ、箱の上部には衣類も添えられ、4月15日の発見時の状態に戻されてから東京地検に提出された(5月21日・東京地方検察庁前で)
調査捕鯨に横領が発覚!(YouTube/グリーンピース・ジャパン)
2008年4月15日 調査捕鯨・日新丸から降ろされる荷物を西濃運輸のトラックに積み込む船員たち (C)Greenpeace
『奪われた鯨肉と信頼 「調査捕鯨母船・日新丸」での鯨肉横領行為の全貌』
(GPJ PDFファイル)
【24ページより】
調査員:クジラの肉を捨てていたというのは、具体的にはどういうような形で行なわれたのでしょうか?
情報提供者:グリーンピースやらシーシェパードの妨害活動で捕れない時期があったので、急遽、急いで捕らなきゃならないという状況になって、一日にミンクで20頭以上捕ることが多かったんですよ。
そのときにはほとんど、20頭以上あがったときにはときにはほとんど、雑肉ですかね、コギレとかムナサンとかいう雑肉はもう手が回らないんで、次の日までそのままあるんですよね。
朝7時になったら次の新しいクジラがあがってくるもんですから。その次は捌ききらないで、処理しきれなくて全部捨てちゃうんですよね。約ミンク一頭から350キロくらいの雑肉がありますから、20頭で、単純計算で7トンくらいは捨ててるという感じですね。
調査員:
それはほぼ毎日のように7トンくらいの肉が捨てられてるということですか?
情報提供者:
そうですね。20頭以上あがった時には間違いなく捨てますね。
【27ページより】
情報提供者:
あとクジラの病気ですね。これが意外と結構多くて、ガンなんかも結構発見されるんですよね。例えば肝臓ガンとかのクジラも。でも、肉やらはそのまま処理して一般に売られるわけですよね。これも大問題だと思いますよね。
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