派兵恒久法反対の署名を国会議員のみなさんの手渡す
高田健さん(「許すな!憲法改悪・市民連絡会」)の挨拶のあと、国会議員のみなさんが、自衛隊海外派兵恒久法制定及び憲法審査会始動の動きについて報告しました。次いで、名古屋高裁で自衛隊イラク派兵差止訴訟違憲判決を勝ち取った弁護団の川口創事務局長から、判決の報告と派兵恒久法についてのお話がありました。
最初に、共産党の笠井亮衆院議員が発言しました。笠井さんのお話によると、会期末を迎え、改憲に向け、2つの動きが出てきているそうです。
1つ目は、与党が中心となって憲法審査会の設置を始動させようとする動きがあることです。自民党が民主党に働きかけ、衆参両院の議員運営員会の委員長と自民・民主の筆頭理事による衆参合同代表者会議がこの日(9日)午後行われるそうです。民主党の参院議員の西岡武夫運営委員長が話し合いに応じる意向を示しており、注視が必要との認識を示しました。
改憲反対が多数を占め、憲法審査会設立が困難な状況の中で改憲派は焦りを感じており、この機会を逃したらさらに困難になるので、会期末のドサクサにまぎれ、なんとか規定だけでもつくって次につなげるために、民主党に働きかけ、話い合いの場を設けようとする考えであるとの見方を示した上で、そのような動きを阻止するために署名活動を開始したことを明らかにしました。
2つ目は、自衛隊海外派兵恒久法についての動きです。恒久法については、秋の臨時国会提出を目指し、自民党の山崎拓衆議院議員が中心となって与党プロジェクトが立ち上げられたことに言及しました。福田首相と公明党の太田代表の会談のあとにこの動きが進められていることから、前に進めるために与党の合意が得られた、との見方を示しました。
恒久法の狙いは、イラクで米軍がやっているような、テロ撲滅を口実に民衆に銃を向ける治安活動を自衛隊にもやらせることであり、解釈改憲から明文化し、民主党とすり合わせ、抱き合わせてやろうとしている、と述べました。恒久法については民主党の小沢代表も言及していることから、「小沢が言っているから」とすり寄る戦術です。
9条で正面突破は難しいので、迂回作戦で段階的に既成事実を積み上げていく。このような危険な芽を摘み取ることが大事であるとし、反対の声を上げることの必要性を説きました。環境問題については(わざわざ改憲しなくても)現憲法でもやれる、と述べ、戦争こそ最大の環境破壊であり、9条をもっている日本が大きな役割を担っていることを強調しました。
次に、社民党幹事長の重野安正衆院議員が発言しました。
重野さんは、国民投票法が成立したので、(与党は)3年という期間を経て国民投票をやろうと思えばできる、と述べ、憲法改正については言いづらいため、手続き的にやれるという準備をするための動きが活発になってきた、と語りました。
現在、国会は少数会派そっちのけで、自民党と野党第一党(民主党)で回っている状況がさらに強まっている、と指摘、社民党は衆議院で7議席しかない少数政党であるが、憲法改正については絶対反対の立場であり、一連の動きに対し、厳しく対決していく、との決意を表明しました。
自衛隊のイラク派兵は違憲とする名古屋高裁の判決は、明瞭でわかりやすい判決であり、「国民の支持が広がっている」と評価しました。また、沖縄県議選で社民党が議席を伸ばしたことについては「嬉しい」と率直な感想を述べた上で、勝因として後期高齢者医療制度を挙げ、山口二区補選での勝利と合わせ、みんながこの制度に反対していることを強調しました。
沖縄県議選で野党が過半数をとったことは、沖縄の軍事強化を進める勢力に「NO」を突き付ける「大きな成果」であると述べ、宇宙基本法について、「とんでもない法律」と批判した上で、宇宙空間を軍事利用できるこの法律は軍需産業が儲けるために成立したものであり、たった4時間の審議で民主党が一緒に成立に走ったことは「大変な問題」だと厳しく批判しました。
重野さんは、さらに、法律が成立したあとも、「とんでもないことになる」と訴えることが大事であると強調しました。与党と民主党が話し合って法律があっという間にできることは「よくない」と批判した上で、国民の声を代弁する勢力を増やすことの必要性を訴えました。3年経てば国民投票が発動できるため、危機感をもってやっていくことが大事であるとの考えを示しました。
続いて、共産党の佐々木憲昭衆院議員が発言しました。
佐々木さんは、民主党の筆頭理事の川端さんに対し、衆参合同代表者会議で憲法審査会についての話い合いを「やるべきではない」と反対したことを明らかにしました。背景には自民党の焦りがあるとの見方を示し、民主党の西岡武夫参院運営委員長が、推進すると言っていることについて「民主党は矛盾に満ちている」と批判、反対の声を上げていくことが力になると訴えました。
また、社民党の菅野哲雄衆院議員は、次のように語りました。
菅野さんは、昨年7月28日の参院選での野党勝利が力となり、憲法審査会が凍結になったと語りました。その後、民主党と自民党の大連立が画策され、頓挫したが、その流れはいまも続いていると述べ、自民党と民主党が手を組めばなんでもできる状況になっており(改憲の動きを)阻止するために地域で大衆運動を組織していくことの必要性を訴えました。
共産党・井上哲士参院議員は、こう発言しました。
衆参合同代表者会議に出席した民主党の西岡さんに対し、「筋が違う。国民も求めていない」と抗議をすると、西岡さんは、意見交換だけした、と答えたそうです。そこまでして(憲法審査会の)規定づくりの証をつくりたいという推進勢力の執念に対して、国民には押し返す力が求められている、と強調しました。
また、派兵恒久法について、(推進勢力は)必要だと思っているがいますぐはできないので、水面下のいろんなラインで進められており、いろんな形でやっておいて、そのときがくれば一気に突破しようとする考えであるとの見方を示しましました。
(次ページ「
『声』上げたからこそ出た派兵違憲判決」に続く)