異議申立書を手渡す武田とし子さん(中央・奥)と奥本征雄さん(中央・手前)、海渡雄一弁護士(左端)
その後、参議院議員会館内で行なわれた記者会見と報告集会では、この大間原発設置許可には、これまでの日本の原発建設には前例のない手続きの違法性や運転の危険性,耐震指針に関する審査の違法性,事故被害の特殊性など、申立書の主旨の数々が弁護団より報告された。
すでにこの大間原発には多くの問題があることはよく知られている。出力約140万kWの超大型で世界で始めてのフルMOXのABWR(改良型沸騰水型軽水炉)で、プルトニウムを多く含む燃料を使うことの危険。最近、明らかになったのは、周辺の海底に活断層が存在する可能性が高くなったこともある。
これに対し適切な評価が行われていないとして、原子力安全委員会は再検討する必要があると変動地形学の専門家が指摘している。大間原発の建設地は有名な恐山火山から25kmしか離れておらず、その他に2つ近くに火山がある。こんなところに原発はつくれない。
記者会見で、子や孫たちに原発を残したくないと話す「大間原 発訴訟の会」武田とし子代表
炉心の直近に未買収の土地があるのに許可は無謀
炉心予定地から300mのところに農業を営む女性の私有地と建物があり,未買収の土地が極めて近くにあるにもかかわらず原発設置を許可することは何とも無謀なことだ。これには大きな違法性があるという。
原発の近くに人が住んでいるという点では,人口約29万人を要する函館市まで、大間原発からわずか18km、函館市街地までは30kmの距離である。函館市・道南には38万人余の市民が生活し、道南の観光や漁業、農業の中心であると同時に、津軽海峡は船舶運行の要衝でもある。
大間町といえばマグロ漁が有名な町として今では全国にその名を知られる。このマグロ漁などが原発の運転開始とともに打撃を受ける危険が高い。巨大な原発からの大量の温排水による環境被害が想定される。海があったまればマグロは他の海域に移動してしまうからだ。またこの温排水が蒸発霧(ケアラシ)を発生させて津軽海峡の見通しを悪化させ漁船や大型船との海難事故を増やす危険があるという。
大間原発は、地理上では下北半島の北西の端に位置するイメージがあるが函館からすれば目の先で、本件異議申立人の半数近くは函館市民が占め、道内の申立人が約80%に達する。そして「大間マグロ」と「戸井マグロ」も良好な環境に生息する権利を主張して「申立人目録」に登録されているという。その他に幾つもの要件が申し立てられており、立地審査指針の主旨に反する立地環境であると弁護団は強調しており、申立が却下された場合、許可取消を求めて行政訴訟を起こすという決意表明があった。
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