中越沖地震で環境に大量の放射性ヨウ素を排出した柏崎刈羽原発。周辺のソメイヨシノの花に多数の異変が見つかったと、7月29日、市民団体「サクラ調査ネットワーク」らが東京の参議院議員会館で記者発表を行った。
原発の近くで見つかった、花弁4枚・変形の異変花
「サクラ調査ネットワーク」は、東海村JCO臨界事故(1999年)の際、事業所近傍でソメイヨシノの異変花が見つかったことに衝撃を受けた市民のグループで、2004年から毎春、全国各地のソメイヨシノの異変花調査に取り組んでいる。接ぎ木で増やすソメイヨシノは個体差が少ないため、環境の遺伝子への悪影響を調べるのに格好の植物だ。2007年までの調査では、放射能の悪影響ばかりでなく、自動車の排気ガスや、産業廃棄物処分場(ゴミ処理施設)などの悪影響を受けているのではないかと疑われる花も見つかった。
通常、ソメイヨシノの花は、花弁とガクがそれぞれ5枚だ。花ビラの変形、重なり、矮小化、花ビラ4枚や6枚、ガクの異常などを異常花と考える。柏崎刈羽原発周辺では、2007年は5本の樹、4609花を調べて異常は143、異常花率は3.1%だった。2008年は4本の樹、4000花を調べて、異常は912、異常花率は22.8%と、異常花の数と割合が激増した。全国平均の異常花率は2.89%(2008年)である。
記者会見の模様(筆者撮影)
中越沖地震で大きな被害を受けた柏崎刈羽原子力発電所は、2007年の7月16、17日、ヨウ素だけで約7億ベクレル(※)と考えられる大量の放射能を環境に出してしまった(※ 槌田敦さんの推計値)。このヨウ素量は、原子力発電所が通常運転で排出する1年分の、約700倍にあたる。その他にも、測れただけで、200万ベクレルの放射性の塵、9万ベクレルの放射性の水を環境に出した。1991年2月の美浜原発2号機の配管破断事故の際と同じくらいの量なのだ。
これら、中越沖地震の際に出た放射能がソメイヨシノの花の遺伝子に何らかの影響を与えた可能性が高い。東京電力も(ソメイヨシノの異常花が2割も出たことは)「放射能の影響で無いと証明するのは大変に難しい」とコメントしている(6月8日、東京新聞)。刈羽村「生命を守る女性の会」の近藤ゆき子さんによれば、この夏は原発周辺で、柏の葉、アジサイの花などにも異常に大きいものが目立つという。鉱山のカナリヤが空気の汚染を警告するように、原発周辺の植物は放射能の悪影響を警告しているのかもしれない。
刈羽村で見つかった異変花(花弁の変形と重なり、矮小化)
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