「小学校外国語活動での多文化理解」
12月7日 、「ESD授業デザインプロジェクト公開研究会2008 Vol.3」(主催・ESD学校教育研究会)が名古屋市の東海学園大学で行なわれた。
“ESD”とは、持続可能な開発のための教育のことで、2002年のヨハネスブルグ・サミットにおいて日本の市民と政府が提唱し、日本でも政府によるESD国内行動計画が策定され、その推進のために政府も内閣府を中心に「国連持続可能な開発のための教育の10年関係省庁連絡会議」が設置されている。
ESD学校教育研究会は、民間教育研究団体で「学校教育でESD・持続可能な開発ための教育をすすめるための研究会です。地域活動や国際活動に実際に携わっている教員を中心につくられました。主に、ESD授業デザインプロジェクトとして教員の場づくり、教材開発、そして進め方の検討などを行っています」(同研究会)
今回は、中部地区で愛知県教育委員会、三重県教育委員会、名古屋市教育委員会、独立行政法人国際協力機構中部国際センター(JICA中部)の後援と環境省中部環境パートナーシップオフィスの協力によって行なわれた。
まず、「ESD及びESD授業デザイン」について同研究会代表の浅川和也氏(東海学園大学)が述べた。
続いて、JICA中部の前納加奈子氏が「開発教育(国際理解教育)支援事業について」として海外支援を行なってきたJICA中部が国内で行なっている開発教育・国際理解教育の支援と学校で行なうプログラムや施設活用の提案を行い、東邦高等学校教諭の稲葉益夫氏が「地球環境を考える生徒の取り組み」として生徒主体の学校環境管理をエコアクション21で行なった事例報告を行い、豊田市立小清水小学校の教諭の浮洲京子氏が「小学校外国語活動での多文化理解」として小学校に導入される英語の時間を多文化共生の教育や多国籍の生徒のクラスづくりに生かした事例を述べた。
名古屋市立常磐小学校の牧宏氏が「長く続いた戦争と人々のくらし」として「満州からの引き上げ体験」などを取り上げて「戦争」と「暮らし」を関連付けて行なった授業などの報告を行い、南山大学大学院総合政策研究科の加納健介氏は「気軽にできるESD」として講師を勤める中学校でESDを念頭に置いた授業実践を報告した。
最後のESD授業デザインワークショップでは、参加した教員などから発せられた問いを中心に小中高の教育のつながりなどが討論された。
一般に小学校でESDに取り組むことに難しさがあるが、今回は小学校で単なる英語や国際理解にとどまらない多文化共生とクラスづくり、また、歴史としての戦争ではない生活の実感をもった人々の「くらしとしての歴史」に取り組んでいる事例が紹介された。
12月6日には「北陸(富山、石川、福井)におけるESD(持続可能な開発のための教育)普及のための仕組みづくり」が大学コンソーシアム石川の主催により金沢市の石川県広坂庁舎で行なわれた。
この講座は主として初等中等教育に携わる教員や関係者集約的なESD講座(5回)であり、政府関係者やESDの実践校などの講演などが行なわれている。
今回は、「ESD授業デザイン」の講演をESD学校教育研究会の長岡素彦が行い、地域でのESD的展開とし自治体・学校・企業をまきこんだ「ECOサイクルプロジェクト」、学校のESDへの企業の協力事例としてお店を使った子ども環境学習「ユニーお店探検隊」と環境活動を行う市民グループへの助成と従業員の参加活動「エコひいき」の紹介があった。
このように小中高のESDとなる授業実践は多様であるが、このような多様な授業が持続可能な未来をつくる。