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今度は実体のない出向斡旋 依然不誠実な「なごやボランティア・NPOセンター」の対応

経営側の暴走が続くなごやボランティア・NPOセンターで、今度は実体のない出向斡旋が行われたということです。さらにこの斡旋については、センター事業団の上級幹部も知っていたという情報もあり、組織としての対応には疑問を感じます。
日本 労働 NA_テーマ2
前回記事:
「なごやボランティア・NPOセンター」依然、経営側の暴走続く

 経営側の暴走が続くなごやボランティア・NPOセンター。12月20日から21日、組合関係者に取材した結果、事態は一ヶ月前に比べて、さらに悪化していることがわかりました。

 前回の記事でもお伝えしたように、非常勤職員のYさんは、経営側から「8月15日から常勤として働いてもらうから」と経営者側から約束されていました〔8月3日〕。しかし、約束の期日が来ても常勤にしてもらえず、逆に大幅に出勤日を減らされ、現在、以前の半分の10万円以下の月収を強いられて、既に4ヶ月目に突入しています。家賃は滞納し、病院にも行けない状況です。

 にもかかわらず経営側は、もともと10名もいない現場に、7名を超える大量の人員を全国から投入し、湯水のように資金を使い、Yさんと、それを支える組合を、叩き潰そうとしています。

 そのYさんが、12月10日、奇妙な事件に遭遇していたのです。

今度は実体のない出向斡旋 依然不誠実な「なごやボランティア・NPOセンター」の対応 | <center>今回の架空出向斡旋を「脳内出向」と批判する組合側のビラ</center>
今回の架空出向斡旋を「脳内出向」と批判する組合側のビラ
■あいち労協を紹介される
 常勤化を反故にされて、収入が減らされたYさんに対して、経営者側(NPO法人ワーカーズコープ)は、全く別組織の「あいち労協」に出向して、減らされた分の仕事を補ったらどうかと提案してきたのです。先方との話はもうついていて、面接にいけば、働く場所と日時を決めてくるだけだ、とのことでした。

 もちろん、Yさん側の要求は、当初の約束どおりの常勤化です。ですが、病気も著しく悪化しており、このままでは命すら危うい状況ですから、Yさんは常勤化は約束通りに履行してもらうことは要望しつつも、とりあえず、あいち労協に行って話しを聞いてみよう、と思いました。

 「あいち労協」とは、愛知県で活躍する労働者協同組合です。「労働者協同組合」は「ワーカーズコープ」とも呼ばれ、働く人が共同出資をして、経営にも民主的に参与して、自分たちの報酬や、労働条件、仕事の内容なども決めてゆく働き方です。「生協」などと違い根拠法が整備されておらず、いま国会で法制化が進められています。

参照:
労働法軽視「偽装経営者」の温床になるか?市民会議提案の労協法案を考える
なぜ労働者協同組合か 行政の『安上がり』受け皿の危険―「協同労働の協同組合」法制化市民集会に参加して

 なごやボランティアNPOセンターの指定管理を受注している「NPO法人ワーカーズコープ」というのは、別名「センター事業団」と呼ばれている、日本の労働者協同組合の中でも最大の全国組織です。単に「ワーカーズコープ」と言った場合、固有名詞としてのセンター事業団のことも指しますし、一般名詞としての「労働者協同組合」のことも指します。あいち労協も「ワーカーズコープ」ですが、あいち労協とセンター事業団は、労働者協同組合という組織の形態が同じというだけで、まったく別組織であることを強調させていただきます。

今度は実体のない出向斡旋 依然不誠実な「なごやボランティア・NPOセンター」の対応 | <center>今回の架空出向斡旋を「脳内出向」と批判する組合側のビラ</center>
今回の架空出向斡旋を「脳内出向」と批判する組合側のビラ
■面接に行ったが「仕事はない」
 「仕事は用意されている」というので、12月10日、Yさんは藁にもすがる思いで、あいち労協の面接を受けました。しかしYさんを待ち受けていたのは「仕事がない」という回答でした。

 あいち労協側は、ワーカーズコープ側(センター事業団)に再三、きちんと「来てもらっても仕事がない」と伝えていた、というのです。だのに、Yさんは面接に行かされたのです。ワーカーズコープ(センター事業団)は、Yさんに嘘をついていたのです。一方、仕事はなかったものの、あいち労協の方はYさんに対して、親切に話を聞き、本来のワーカーズコープの運営の仕方などを説明してくれました。

 Yさんは、仕事の面接だと聞かされて出向して、結果として何もない、というヒドイ目にあったわけですが、あいち労協の人と話をしたときは「地獄で仏にあった心境だった。」、「一連の事件に巻き込まれて以来、やっとで『人間』に会った気がした」そうです。

 非常勤で働いている人も「会議に参加して発言している」という、あいち労協。

 一方、センター事業団では、同額の出資金を出しているにもかかわらず、非常勤職員が職場で徹底的な差別とイジメにあい、終業時間外に、サービス残業状態で行われている会議に出ないと「組合員としての態度がなっていない」といわれ、それではと会議に出席し発言しても完全に無視されています。そして会議で、他の職員がYさんの窮状を見かねて議題にしても「その場にいないかのように」無視されるのだそうです。

 Yさんも、ワーカーズコープという「しくみ」そのものには、あいち労協の人の話もあり、十分な可能性があると、いまでも思っています。問題なのは、『ワーカーズコープという働き方』では無く、松垣さんのような投げやり(自分に都合のよいときは独裁的)な所長と、彼に独裁的権限を与えたり、うその上塗りをするような、ワーカーズコープ=センター事業団理事会(上級幹部)の運営姿勢です。

 JanJanの記事でも指摘されているとおり、確かに現在の労働者協同組合法案は、必ずしも理想的とは言えないものですが、センター事業団の対応は、そんなこと以前の話です。このようないい加減な話では、Yさんはもちろん、あいち労協側も迷惑でしょう。

■「嘘の上塗り」に謝罪もなし
 今回の件があった後、Yさんは上司のNPOセンター所長・松垣芳伸さんに事情の説明を求めましたが、驚くべきことに松垣さんは、「それはあなたの主観でしょ」などと、わけのわからない回答をしたというのです。「仕事がなかった」というのは、相手方の、あいち労協も認めている客観的な事実なのに「主観でしょ」とは何事なのでしょうか?

 Yさんは現在、松垣さんの上司にも説明を求め、抗議しています。しかし、現在にいたるまで、所長からの謝罪は一切ありませんし、真相についての説明責任もまったく果たされていません。

 その後も、出向の話はなにも進展していませんし、常勤化など夢のまた夢です。そしてこれらは全て、Yさん側ではなく、経営者側からいいだしたことです。職員を愚弄していますし、あいち労協も愚弄している話だと思います。

■全国の身内には「これで解決」と宣伝
 さらに、Yさんが出向を了承していない12月初旬に愛知県で開かれたセンター事業団の「全国所長会議」でも、集まった全国の所長(管理職)たちにも、センター事業団の上級幹部は、Yさんをあいち労協に出向させるという、発言をしていました。上級幹部による機関決定ということですから、所長たちも「これで解決するだろう」と安心していました。

 いまや、その話を聞いて、安心していた関係者からも「やっと解決すると思ったのに、嘘八百だった。信じられない」「話が台無しじゃないか。これでは解決できるものもできない」等の嘆息とも悲鳴しもつかない声があがっています。

 センター事業団の各地の事業所でも話題になっているであろう名古屋の惨状をごまかして、会議で辻褄をあわせるために、センター事業団の「えらい人」は、適当な話を無理やりデッチあげていたのでしょうか?

 さらにいえば、もし万が一、あいち労協に仕事があったとしても、もともとNPOセンターでの常勤を約束されていたYさんが、その内容に同意するとは限らないのです。あまりにもYさんの人格権をの侵害する話だ、いわざるをえません。

■一刻も早いNPOセンターの「人間性回復」を
 常勤化するという約束を破る。さらに、架空の出向話を持ちかけて、Yさんだけでなく、他の労協も巻き込んで迷惑をかける。それへの謝罪は一切なく「あなたの主観でしょ」という木で鼻をくくった不誠実な対応。取材をすればするほど、心から怒りがこみ上げてきます。

 ワーカーズコープは速やかにYさんを常勤職員にして、約束を守るべきです。それができないで、何がボランティア支援でしょうか?

 今年5月に名古屋でも広島でも開催された「独立系メーデー」の仲間として、また、同じ自治労の仲間として、断固として、職員〔組合員〕のみなさんに連帯したいと思います。
◇ ◇ ◇

ご意見板

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[41293] 貴重な記事をありがとうございます
名前:井野茂信
日時:2009/02/16 09:03
先日知り合いが、ワーカーズコープに内定決まったと言いまして。情報収集していましたが、なかなか見つからず。

そして行き着いたのがこの記事でした。

入社時に5万円必要とか、面接もろくにせずすぐに責任者のポストに入ることになって千葉に研修と聞き少し不安な部分があったので。

このような問題もあったのですね。

私がどうこう言えることではないんですが、このようなことがこれ以上ならないことを祈るだけです。

こんな大きなNPO法人など聞いたこともなかったので…。
[40309] パートタイム労働法の「正社員への転換進措置義務」は?
名前:上田仁
日時:2009/01/14 15:12
どうも、なごやボランティア・NPOセンターでの事件の経緯を見ていると、2008年4月1日施行の改定「パートタイム労働法」のからみも気になってきます。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0605-1b.html

改定同法第12条によれば、事業主たる「NPOワーカーズコープ」は本部職員の大量移動やYさんへの偽装出向斡旋の前に、そもそもYさんに正職員化の申出をするべきです。

そもそも、Yさん自身が以前に経営側から申し入れのあった正職員化に同意して身辺整理を行なったのに、それが実施されないので労働紛争が長期化しているのですよね。

どうも、この団体は一体何を考えているのか、理解に苦しみます。一般社会から閉鎖されて自分達の内部ルールだけで動いている印象です。「民主主義はNPOワーカーズコープの門前で立ち止まる」といったところでしょうか。




同法第12条
事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、その雇用する短時間労働者について、次の各号のいずれかの措置を講じなければならない。
一 通常の労働者の募集を行う場合において、当該募集に係る事業所に掲示すること等により、その者が従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の当該募集に係る事項を当該事業所において雇用する短時間労働者に周知すること。
二 通常の労働者の配置を新たに行う場合において、当該配置の希望を申し出る機会を当該配置に係る事業所において雇用する短時間労働者に対して与えること。
三 一定の資格を有する短時間労働者を対象とした通常の労働者への転換のための試験制度を設けることその他の通常の労働者への転換を推進するための措置を講ずること。
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