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「炊き出しボランティア」の裏方体験

Esaman2009/12/30
 この一年、反貧困活動、炊き出し、生活保護の同行支援の現場のレポートをしてまいりましたが、今回は「炊き出し」活動の準備段階についてのレポートを行いたいと思います。

 炊き出しというのは、いろいろな事情から食べるものや宿のない人達に食事を配るもので、歴史的な時代から、いろいろな形で行われていたものだと思います。

 名古屋では、規模のもっとも大きなものとしては、矢場町から鶴舞方面にやや進んだ高速道路の高架下、通称「ゲートボール場」で、毎週月・木に行われている炊き出しが有名です。
 ゲートボール場での炊き出しのほかにも、白川公園、名古屋駅裏など、場所をかえて、毎日どこかで炊き出しは行われています。
 主催している団体は、キリスト教の団体、市民団体など、いろいろです。

 ゲートボール場の炊き出しでは、専門家による健康相談なども行われており、ボランティアの人たちも多数います。
 楽器の演奏や歌、手作りの木造ピンボールマシンが設置されていたりして、毎回とてもにぎやかなものになっています。

 筆者は、名古屋の炊き出しや生活相談、反貧困活動に、それなりにかかわっており、配る現場のことは、割と分かるのですが、この「炊き出し」で配られている食事が、どこでどのように作られているか、というプロセスに参加したことはありませんでした。

 今回は、ゲートボール場で炊き出しをしている人たちの準備に参加した体験をレポートしたいと思います。

 月曜日・木曜日の炊き出し(19時から)をしている団体は、キリスト教系の団体で、いくつかのグループが持ち回りで活動しているそうです。
 今回参加したのは「名古屋炊き出しの会(名炊会)」の炊き出しグループ有志の活動です。


 私の参加した12月24日は、クリスマスイブ。
 キリスト教系の団体では、教会でイベントやミサがあるのでどこも忙しく、当初は炊き出しはない予定だったそうですが、クリスマスイブに炊き出しがない、というのも寂しいということで、有志が集まって炊き出しの準備をする、とのことでした。

 ゲートボール場の炊き出しの準備は、いつも1〜2時頃から「福信館」という施設で行われています。
 この施設は、新栄(しんさかえ)という、名古屋の中心部の繁華街の東寄りにある、カトリックの大きな教会のある地域に立てられている、小さな建物でした。
 カトリックの大きな教会の隣に、ちょこんと建っています。

 この施設は、大規模な炊事活動をするために立てられた、カトリック名古屋教区の建物で、「名炊会」の人たちも、ほかのグループと同様、炊き出し活動をするときには、使用料を払って使っているとのことでした。

 福信館の建物内部は、さながらちいさな給食炊事場といった感じのところで、清潔感のあるところでした。
 給食場や食品加工場と違う点といえば、場内の片隅に、とても小さなイエスの十字架が飾ってあることくらいです。

 自分が福信館に到着した時には、すでにボランティア・スタッフの人たちが多数来ており、材料を切っている最中でした。

「炊き出しボランティア」の裏方体験 | 福信館での炊き出し準備作業の様子。撮影すべて筆者
福信館での炊き出し準備作業の様子。撮影すべて筆者
 なんでも、この日の炊き出しはいつもの炊き出しより1時間早い予定ですが、準備が進んでいないということで、到着早々、筆者も炊事に参加しました。

 この日のメニューは、オキナワ風まぜご飯。

 つまり「ジューシー」のこと。
 なんとも美味しそうなメニューですが、分量も多く、なかなか難しそうです。
 水の分量などを聞いてみたところ、このグループの人たちは、炊き込みご飯を作ったことがなく、いまいち頼りない返事が返ってきます。

 幸いなことに筆者は、日食祭りや、月見祭りなどで、沖縄ボリビア移民2世の人と一緒に、ボリビア料理や沖縄料理を多数作った経験があったので、それをもとに、材料を炒めてゆきます……。
 しかし、その量の多いこと。
 350人分を予定しているそうで、ニンジンを炒めるだけでも、もっとも大きな鍋を3つ使用しないと炒めることができません。
 肉、ニンジン、ゴボウ、シイタケなどを、一種づつ、大きなヘラで、かきまぜながら炒めます。

 ボランティアの人たちと「なんだか魔女が粥をつくっているみたいだねー」などといいながら、鍋の中身と格闘すること1時間以上、なんとか具が炒めあがったので、味をつけて、釜にいれて炊きます。

 鍋がまるごとはいる巨大な炊飯器があり、網のようなものを鍋に敷いて、そのうえに米、水、材料をいれて蓋をして炊きます。
 同時に3つ(170人分)炊くことができます。

 最初のご飯の炊き上がりまで、皆でお茶をしながら、整理券を切りながら、待機。
 初めてのことなので、どうなることかと思いましたが、かなりおいしい出来上がりになりました。
 おこげの部分もあり、なかなかの味です。

「炊き出しボランティア」の裏方体験 | ごはんの炊き上がり。初めて作ったので、どうなっているのかが楽しみ。
ごはんの炊き上がり。初めて作ったので、どうなっているのかが楽しみ。
 炊き上がったご飯を、机の上に並べて、手早く鍋からステンレスの持ち運び容器に移します。
 ひと鍋のご飯が、ステンレスの容器2つ分になります。
 12個の容器が必要になります。
 350人分のご飯は、鍋6つ、持ち運びのステンレス容器では12個分になります。

 2回目のご飯のスイッチを入れて、先発隊が炊き出し会場に向かいます。
 荷物も多いしスタッフもたくさんいるので、何回かに分けて輸送する必要があるからです。

 会場であるゲートボール場に来ると、すでに炊き出しのために人が少し集まっていました。
 ここからは、自分には見慣れた光景です。
 なじみのホームレスのおっちゃんたちと話をしていると、月々と車が入場。
 会場を設営し始めます。
 皆で手分けして、机を並べたり、照明器具を設置したりします、筆者は整理券を配りました。

 この一年、同行支援の運動の成果もあって、生活保護を受給するホームレスの人たちも多く、この日は生活保護の支給日(1月分)とのことでしたので、炊き出しに並ぶ人は少ないのではないか、という予測でしたが、200人を超える人たちが並んでくれました。

 18時半、整理券も配布し終わり、これから配食…という段になっても、なかなか配食が始まりません。
 どうやら福信館に「しゃもじ」を忘れたらしく、近所の100円ショップに急遽買いにいっていたそうです。

 整理券係りとしてマイクを持っていた自分が、間を持たすために並んでいる人たちに話をするハメになりました。
 さいきん寒いですねーなどと話しながら、集まって来ているおっちゃんたちに話しかけます。
 この日はクリスマスイブなので、ご飯のほかに、チョコレートとクリスマスカードとカイロがつきます、とか、本日の炊き込みご飯は、沖縄風です、などということを話します。

 クリスマスカードは、大学生のボランティアの人たちが作ってきてくれたものです。
 沖縄風ということに、沖縄の人たちの一団が興味を示して歓声を上げました。

 ホームレスの人たちの中には、北海道や沖縄出身の人が、一定数含まれています。
 やはり植民地なので仕事がないのでしょうか。
 北海道出身の方はグループを形成したりは、あまりしませんが、沖縄出身の人たちは、なんとなくグループのようなものを形成していて、助け合ったり、お酒を飲んだりしている事も多いようです。

 そうこうしている間に、しゃもじが到着して、配食を始めることができました。
 整理券の順番に、10人づつ配食します。
 並んでくれたのは180人ほど。
 配り終わって皆で食べている最中にやってきた人たちが20人ほどで、だいたい200人強でした。

「炊き出しボランティア」の裏方体験 | 炊き出しで配られた『沖縄風炊き込みご飯』。具がおおくて味が良い、と好評だった。コロッケと漬物ものっている。
炊き出しで配られた『沖縄風炊き込みご飯』。具がおおくて味が良い、と好評だった。コロッケと漬物ものっている。
 一通り食べ終わったあとは、おかわりタイムで、まだ欲しい人たちに並んでもらいます。
 今度は盛り方は少なめで、なるべく多くの人に回るように配ります。
 今回の炊き込みご飯は好評で、食べながら、おかわりの列に並ぶ人が多数見られました。

 皆で作った炊き出しは、まだしっかりと暖かく、たいへん美味しかったです。


●ゲートボール場の炊き出し

月曜日・木曜日の19時から
2010年は12月24日で最後。
2010年は1月7日から開催。
12月28日-1月3日は、西柳公園(通称オケラ公園)で越冬が行われているので、そちらで炊き出しなどもしています。

●第35回・名古屋拠点越冬闘争

・スケジュール
12月28日(月) 西柳公園拠点設営。越冬突入集会(17:30-)
12月29日(火) 散髪(10:30-)、法律家による法律相談(10:00-13)、夜回り(21:00-)
12月30日(水) 法律家による法律相談10:00-13)、街頭情宣(12:30-)
12月31日(木) 散髪(10:30-)、夜回り(21:00-)、年越しイベント
1月 1日(金) もちつき大会・カラオケ大会、ノリパン演舞、夜回り(21:00-)
1月 2日(土) 船見寮交流会(13:00-)
1月 3日(日) 散髪(10:30-)、街頭情宣(12:30-)、夜回り(21:00-)
1月 4日(月) 西柳公園拠点撤収作業

・物資と活動資金カンパをしてください!
注:越冬会場の西柳公園は三方が駐輪場となり、大変狭くなりました。そのため、布団と残材は受け付けていません。
★毛 布(不足しています!!)
★男性用冬物衣類(ジャンパー、セーター、ズボン、靴下、マフラー、手袋、毛糸の帽子等)
★使い捨てカイロ
★食料品(お米・お米券・みそ・醤油・砂糖・野菜・乾麺等)
【期間・届け先】
12月28日(月)〜2010年1月3日(日)まで、現地の西柳公園(オケラ公園)で受け付けます。
※郵送・宅配も期間内到着なら可能です。
住所:名古屋市中村区名駅4ー12西柳公園内 名古屋越冬実行委員会
仮設電話:052−571−1108(12/28〜1/3)
★現 金
【送金先】郵便振替口座00840-9-11541 名古屋越冬実行委員会

・第35回名古屋越冬実行委員会
住所:名古屋市中村区則武2の8の13笹島労働者会館2階
問い合わせ先:笹島日雇労働組合052-451-4176 笹島診療所(火・金9時半〜12時半)052-451-4585
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