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環境展「エコプロダクツ」に見る環境教育

菅原和士2009/12/30
 世の中、どこもかしこも環境の大合唱である。2009年12月10日から12日まで、東京ビッグサイトで、「エコプロダクツ2009」が開催された。国内では最大級の環境展である。この展示会の様子は、すでにJanJan記事で紹介した[注1]。
 当環境展には、幾つかの小中高も出展したので、それらの学校の環境への取り組みについて述べる。

小学校における環境教育

環境展「エコプロダクツ」に見る環境教育 | 横浜市立倉田小学校の展示
2009年12月12日、東京ビッグサイトにて。写真はすべて筆者撮影
横浜市立倉田小学校の展示 2009年12月12日、東京ビッグサイトにて。写真はすべて筆者撮影
 写真は横浜市立倉田小学校のブースである。目に付いた幾つかの標語を列記する。

(1)「環境」=私たちにつながる全ての命
(2)考えて 話し合って 行動して
(3)世界が平和になるための憲法

筆者の感想
(1)確かに、環境は私たちにつながる全ての命であろう。昭和30年頃まで、日本の水田には多くの種類の生物が生息した。初夏には多くのホタルが飛んでいた。「ほーほーホタル来い・・・」とホタル狩りをしたものだ。ホタルの光で学んだ中国(晋)の学者「車胤(しゃいん)」を真似たこともあった。
 昭和30年頃から、「資源のない日本は、加工でのみ生き残れるのだ」という風潮が流れた。国民は環境観念を忘れ、「物作り」と「利便性」に邁進した。こうした「流れ」は田んぼにも入り、化学肥料が大量にまかれるようになった。気がつけば、蛍だけでなく他の多種の生物が絶滅しているようだ。民家の作りも大きく変わった。今では、スズメやツバメが営巣する場所がほとんどなくなった。朝の目覚めで気がつくことは、庭先や街角から聞こえる小鳥の声がめっきり減ったことだ。小学生から学ぶ「環境こそ命」。大切な言葉である。

(2)「考えて 話し合って 行動して」も大切なことだ。「倉田小学校の生徒さんは偉いなぁ」と感じる。「歴史・時間」を「川」に例えれば、人は「川」に住む小魚のようなものだ。小魚には「川」が見えないという。小魚は自分独自の思想・考えを持ち、やがて固定化する。「考えもせず、話し合いもせず、行動もしない」人に固定化することもあろう。「考えて 話し合って 行動して」は「初心忘るべからず」の言葉。倉田小学校の皆さん、有難う。

(3)「世界が平和になるための憲法」。「環境」と「憲法」の組み合わせが面白い。ふと、日本では「憲法」と「理工系専門書」の組み合わせがないことを思い出した。海外では、物理学書の前文に、その国の「憲法」を書いたものもある。そう考えると、「環境」と「憲法」の組み合わせは、格別、不思議なことではない。

中学校における環境教育

環境展「エコプロダクツ」に見る環境教育 | 実践学院中学高等学校の展示
実践学院中学高等学校の展示
 写真は実践学園中学高等学校の環境への取り組みである。この学校は中学と高校の一貫校なのだろう。

(1)実践の森の説明
(2)CO2削減結果 71.22kg/年
(3)田植え、微生物を肥料とするため、化学肥料を使用していない

筆者の感想とミニ講話
 この学校では、微生物を肥料とし、化学肥料を使用しないで田植えをしているそうだ。学校は中野区にあり、田んぼや畑を耕しているようだ。都市での「農耕」に感謝する。申し訳ないが、CO2削減結果71.22kg/年の詳細を聞きそびれた。
 参考まで、森に関する筆者のミニ講話を致しましょう。お役に立てば幸いである。

(1) 柱には1級、2級、3級の等級がある。等級はフシ、割れ、丸みなどの外観検査で決められる。1級、2級、3級は、それぞれ★★★、★★、★で、柱に表示されている。将来、木造住宅を建てられる方は、覚えておくと便利である。

(2) 製材の工程
  製材が完了するまで、例えば、以下の工程がある。

  丸木を切る→天然乾燥→製材→人口乾燥

 ここで、人工乾燥は、例えば10〜15日、80〜100℃ の環境での処理をいう。乾燥の「仕様」を表すのに、例えば、SD20という表示がある。SDは「Surface Dry」 であり、20は「20%」の略である。この場合、“木材に含まれている水分の重量比が20%である”ことを示している。ただし、家屋の木材に含まれている水分は季節によって変わる。参考まで、「高温乾燥」という言葉があるが、これは200℃で1週間処理する熱処理を言う。なお、木材には産地を表示することもある。「木材表示推進協議会」は全国に80社あるそうだ。

(3) 柱のある一面に長さ方向に、人為的に割れの溝をつくることがある。乾燥により、具合の悪いヒビ割れを抑制するためである。この人為的な割れを「背割れ」という。

(4) ヒノキと杉の違い
  杉に比べ、ヒノキの成長速度は遅い。この違いは年輪にはっきり表れる。成長速度が遅いヒノキは丈夫で、杉に比べ高価である。“若いとき、急いでバタバタ勉強する必要はない”とヒノキが教えているようだ。
  年輪が細かく、大器晩成型のベートーベンやアインシュタインを思い出す。

高等学校における環境教育
 神田女学園高等学校の取り組みである。
(1)神田女学園のエコの取り組み
(2)人生探索科

環境展「エコプロダクツ」に見る環境教育 | 神田女学園高等学校の展示
神田女学園高等学校の展示
筆者の感想
 東京にある神田女学園高等学校でもエコ教育が盛んである。当校の環境教育に対する取り組みの熱心さが伝わって来る。女生徒は、さぞかし心豊かに、社会に飛び立つことでしょう。
 「人生探索科」という言葉が目に付く。その詳細は聞くことができなかったが、この種の話は「環境」というより「哲学」かも知れない。
 的外れかも知れないが、私見を述べる。「人生とは何か」「自分は何のために生きるのか」と真剣に考える人がいるようだ。あまり考え過ぎると、分からなくなることもあるようだ。
 世の中には自分ではどうすることも出来ないことが多い。会津藩の日新館童子訓の究極の教えに「ならぬことはならぬ」がある。老若男女、心得ておくべき言葉かも。


[注1] 菅原和士「国内最大級の環境展示会『エコプロダクツ2009』に行った」(2009/12/16)
http://www.news.janjan.jp/living/0912/0912154424/1.php

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