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地上デジタル放送8つの問題点

小池正春2003/10/13
メリットだけではない、地上波のデジタル化
日本 マスコミ NA_テーマ2
 地上デジタル放送はメリットばかりではない。以下、デメリットをランダムに挙げてみよう。

●アナログ放送停波は本当に2011年7月24日にできるか。
 地上デジタル放送は、2003年12月に、関東、近畿、中京エリアからスタートする。他の地方エリアでは、早い局は2004年にも放送を開始し、2006年には全国の放送局で地上デジタル放送が開始される予定だ。

 当面は、今のアナログテレビを見ることができる。デジタル放送と平行して行われるからである。但し、アナログ放送は現在と同じSD放送である。ただ、法律で2011年7月に停まる予定となっている。以降は今のテレビでは見られなくなる。

 強引な地上デジタル放送の開始に対し、放送専門誌「GALAC(ぎゃらく)」(発行・放送批評懇談会)は、坂本衛氏による巻頭論文「地上デジタル現行計画『すでに破綻』の決定的な理由10」の中で、「したがって現在の計画は、早急に修正しなければならない。私は、いまとなっては地上デジタル計画に反対するつもりはない。反対しても今年の暮れに放送が始まることに変わりはないからだ。だが、反対はしないけれども、失敗することが確実なのに手をこまねいているわけにはいかない。」と書いている。
 こうした意見の根拠の1つに、民放連研究所が出した普及見通しがある。2011年時点でも、停波の条件である全世帯80%の地上デジタル放送への切り替えは行われない、というものだった。そうなると、アナログ放送をやめてしまうと多くの人がテレビを見られなくなるという大問題が起きてくるわけである。

●双方向データ放送はお金がかかりすぎて難しい。
 BSデジタル放送ではすでに、番組連動型、番組非連動型ともに具体化している。中でも双方向データ放送は、クイズ番組などで活躍している。これが地上デジタル放送でも導入されることになるが、実は、BSデジタル放送よりは帯域が少ない。できることに限界がある。しかも、双方向を実現するために放送事業者は電話代を負担している。これが例えば、1000万世帯から同時にアクセスがあった場合、双方向センターの構築に加えて、膨大な電話代を支出しなければならないわけである。したがって、双方向データ放送に関しては誠に展望がないわけなのである。

●インターネットとの接続とサーバー型放送は、利用者はいいが、放送事業者にとっては、実は痛し痒し。
 地上デジタル放送が見られるテレビはたいそう、立派なものになる。行ってみればPCである。だから値段が高く、「ギャラク」はそこにも異論を唱えていて、その通りだと思う。20万円、30万円、50万円のテレビを年金生活者が買えるとは思えないからである。

 それはともかく、ADSLの端子がつくのが普通になるからインターネットとの接続が可能となる。写真などは大変な迫力である。ところが、ここで1つの問題が生じる。画面の混在表示である。通常のテレビ画面を表示しながら、なおかつ、下の部分にネット画面が来ると、悪質ないたずらコンテンツやCMの競合問題が起きて、大変なことになるというわけである。かといって、画面を別にすると、テレビ画面からネット画面に移った瞬間に、視聴率カウントから外れてしまうのである。これは放送事業者にとっては困る。

 最終的には画面混在は認めざるをえないだろうと思われる。データ放送の帯域が足りない分をネットと連動させることで様々な展開が期待できるからである。

 一方、サーバー型放送の問題がある。これはソニーのコクーンに代表されるようなサービスである。100ギガといったハードディスクが内蔵されるようになると、番組を何日分もまるごと録画してしまう。視聴者は見たいものだけ見ることが可能となる。そうなると・・・・・・放送事業者にとって問題は2つある。CMスキップ機能でCMが見られなくなること、視聴率がやはりカウントされなくなること、である。

 第2段階では、サーバー型放送は進化すると言われている。夜のうちに開いた帯域を使用してハードディスクに番組を蓄積させて、それを有料で視聴してもらうというものである。これは今後、出てくるサービスであり、細部は決まっていない。

●RMP問題
 地上デジタル放送はHDTVでデジタルである。つまり、まんま録画されたら海賊版の温床となる。そこで、著作権保護管理システムが必要となるが、現状では、コピーワンスということになっている。1回録画すると、孫の録画は不可能になるということである。その際の前提条件として、受信機が特定されていないといけない。そのためにBSデジタル放送のB-CASカードを用いてスクランブルを解くが、実は、このB-CASカードは1枚のコストが400円とも500円とも言われるのだ。例えば、1000万台ならいくらになる?そしてそのお金、誰が負担するの?というわけである。したがって、別のRMP方式が検討されているが、細部は決まっていない。

●ローカル局はコストを負担できない。
 地上デジタル放送にはお金がかかる。中継局の鉄塔建設、送出設備(マスター・営業放送システムなど)、制作設備(スタジオのハイビジョン化、中継車、カメラ、VTR、編集装置など)。この金額、1社40億円以上。対して、ローカル局の年間売上げは、だいたい60億円前後と言われる。すなわち、年間の売上高が飛んでしまうのである。各社、資産の売却やリストラを進めているが、これでは間に合わない。平成新局が多いテレビ朝日系列はなおさらである。

 つぶれてしまう。

 そこで、総務省では規制緩和策を検討中だ。03年末には、ローカル局同士の完全子会社化、兼営が認められる予定のようだ。そうなればリストラはいっそう強まる可能性がある。テレビ局はリストラ圏外の最後の会社と言われるが、いよいよそうもいかない状況と言える。

●携帯端末も課題がいっぱいだ。
 2005年には実用化の見通しだが、端末試作機はぞくぞくできているものの、肝心の技術規格がフィックスできていない。1つは、画像圧縮方式。Mペグ4という確立した技術があるが、権利者が、ユースベース課金という方式を主張しはじめたために、放送事業者は猛反発し、頓挫。メーカーはLSIの生産に入れない。2つ目は、データ放送の記述言語がフィックスできていない。BMLとHTMLがあるが、現在のHTMLベースのハードにBMLを載せた場合、どういうことが起きるか、不明である。これもフィックスできていない。3つ目は、RMP問題。要は無料でコピーがされた場合、どうなのか、ということだ。ただ、HDTVの固定受信テレビと異なり、そんな必要があるのか、という議論もある。

●アナログ変更対策は2009年までかかる。
 地上デジタル放送が始まっても、全国のアナログ変更対策(要は地上デジタル放送の周波数確保)は続く。本来は、終わってから電波を発射する予定だったが、間に合わない。2011年停波なのに、2009年まで地上デジタル放送が見られない地域があるということである。これは大変な事業である。

●それでもみられない地域がある。
 どうやっても、北関東地区、有明地区、瀬戸内地区では電波銀座でアナログ変更対策が困難である。鉄塔を建てるにはコスト負担が大きすぎる。その地域は見られなくてもしょうがないじゃないか?などということを言う人もいるが・・・・・・したがって、そこは光多重伝送やADSL回線を用いて、通信で番組を流そうとか、衛星を使おうとか、いろいろな案がある。まことにやっかいなわけである。

 それで、本当に2011年にアナログ放送は停波できるの?という議論が湧出するわけである。 
地上デジタル放送8つの問題点<BR>
日本テレビは社内の完全デジタル化を終えている。
地上デジタル放送8つの問題点<BR>
テレビ朝日もデジタル化完了。

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[78] デメリットは
名前:澤崎一幸
日時:2003/10/23 01:55
はじめまして。10月はじめに私が、地上波デジタル移行をきっかけに民放地上波を再編せよ、という記事を書いてますけど、書く必要上、膨大なコストのことにも触れてます。
 にもかかわらず、まるでJANJANで地上波デジタルについて触れるのが初めてであるかのように書いておいでというのはどういうことでしょう? JANJANのメディアの記事はご自分を中心に回ってるのでしょうか? 私はそうなりたくないですから、小池さんの記事の存在にもきちんと触れたのですが。
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