トップ > メディア > 【Webウォッチ】イラク戦争従軍を拒否する日系中尉
メディア

【Webウォッチ】イラク戦争従軍を拒否する日系中尉

志鎌誠2007/02/16
ブッシュ米大統領がさらにイラク戦争に増派しようとしているさなか、従軍を拒否している陸軍中尉の行動が全米の注目を集めているという。
米国 戦争 NA_テーマ2
 ブッシュ米大統領がさらにイラク戦争に米兵を増派しようとしているさなか、従軍を拒否している陸軍中尉の行動が全米の注目を集めているという。その日系三世のアーレン・ワタダ氏(28)に対する2月7日の軍法会議が手続き上の理由で無効となった。

【イラク従軍拒否を表明して訴追された米陸軍将校に対する軍法会議で、担当判事は7日、予備審理において弁護側と検察側による事実認定手続きに問題があったとして、審理の無効を宣言した。軍法会議は3月19日に再審理を予定している。】

 そして、このことについて、ワタダ中尉の弁護士団は【7日に判決が下され審理が終結することを期待していた。だが、審理中止となったことから、政府がこの訴訟を終了させるという結論に至った可能性が極めて高い。一事不再理の原則により、政府が再審を行うことができない可能性があるためだ】と見解を表明している。(AFPニュースニュース)
関連報道:(Yahooニュース・毎日新聞
関連報道:(読売新聞

【米ワシントン州フォート・ルイス陸軍基地に勤務するハワイ出身のワタダ氏は昨年6月7日、「イラク戦争は道徳的に誤っているだけでなく、米国の憲法をも侵害している」とし、派遣の拒否を表明した。その後、所属する陸軍第2歩兵師団第3旅団のイラク出征準備に同行せず、軍事司法統一法典の「移動不履行」「将校にふさわしくない不作法行為」などにより起訴された。】

 さらに、現地在住のフリージャーナリスト横田亘生氏の【アフガニスタンへの従軍は認め、イラク戦争は違憲としているが、違いはどこにあるのか、という質問に対してワタダ氏は、「アフガニスタンでの戦闘は、アメリカ人の多くが思うように中枢同時テロにかかわる明白な戦いであると考えている。しかし、イラクには侵攻の理由となった大量破壊兵器の保有も、過激派組織アルカイダとの関係も証明されず、明らかに違法だ」】と、自らの考えを語っている。(東京新聞

 これに対し米軍筋は極めて厳しい態度に出ていると伝えられ、今年の1月には最高4年の刑を求めている。それは【イラク情勢の泥沼化で招集命令に応じない離隊兵が増加することを危惧(きぐ)する米軍には、同中尉が反戦運動の象徴となるのを防ぎたい思いが強いためだ】と分析されている。(毎日新聞

 “反戦兵士”の数は、【現地などの報道では、イラク戦争の現地から脱走し、カナダなどへ逃亡している米兵は100人から250人ともいわれ、イラク派兵に反対する現役米兵がつくるサイトでは、ワタダ氏を含め36人が実名で戦争への反対を表明している。】とされ、(東京新聞

【イラク戦争開戦(03年3月)以降、招集命令に応じない無許可離隊者(AWOL)は少なくとも8000〜1万人に達したと推測される。多くは友人の家などを転々としながら身を隠しているとみられている】等報じられている。(毎日新聞

 現地からの各報道によると、首都ワシントンで米軍増派に反対し即時撤退を求める大規模なデモが行われたり、また軍法会議が開かれていたワシントン州フォート・ルイス陸軍基地前では同氏を支持する反戦団体と裏切り者と呼ぶ批判派がそれぞれ集会を行っていると言う。

【支持者の中にはイラク帰りの退役軍人もいた。昨年1月から4月までイラクにいた元空軍兵のティナ・ビーンさん(25)は「兵士は戦地では動物になる。私も見なくていいものを見た。中尉は正しい」と話した。夫のロバートさん(25)もイラク帰りで空軍を除隊したばかり。「兵士の多くは闘う意味を疑っているが、黙っている。私たちは除隊したから、声をあげることができる」と訴えた。】

 一方、批判派は、【「ワタダを投獄しろ」という看板を持つクリスタ・エバートさん(67)は「上官の命令に背いた兵士は許せない。イラク市民を殺せと命令されたわけではないのに」と話した。イラク戦争が始まって以来、毎週土曜日に「軍を支持する」という看板を掲げて基地の兵士にドーナツを配ってきたという。エバートさんは「ベトナム帰還兵だった夫は反戦派の市民につばを吐きかけられた。(ワタダ支持派の反戦市民団体は)1日だけ、町の外から来た人間だ」と話し、敵意を見せた】と、報告されている。
毎日新聞2月6日付)

 さて日本のブログサイトにも少なからず意見感想が集まっている。(毎日元気なおぞうさま!)さんはふと手にした新聞を読み、

【人間の生活には少なからず、決まりというものがつきものだ、ゴミを出す日は何曜日と何曜日とか……でもこれを破ったからといって、特別重大な罪に問われるわけではない……また人を殺してはいけない……と言ったところで、戦争が始まれば、そんなことはどこかへと消えてしまう……でもこの宇宙には目には見えないかもしれないけれど、空に向かって唾をはけばその唾が自分に帰ってくるように、いいにつけ、悪いにつけ必ず報いというものがあるものだと私は思う……禁固4年にはかえられない大事なものがきっと彼にはあるのだと私は思う……誰がなんと言おうと、これだけは変えられないという信念こそ哲学だ!この遠い国の見も知らない28歳の陸軍将校の勇気に敬意を表したい……と思う】
 と、このように綴っています。(毎日元気なおぞうさま!)

 そして、以下は昨年6月、従軍拒否を明らかにした時のワタダ氏の決意表明の一部です。

【私は最早黙っていることが出来ないのです。大統領が私たちに「戦争完遂( stay the course)」を唱える一方で家族がバラバラになっていくのを私は傍観することが出来ません。侵略される謂れ無き人たちに対する不法かつ反道徳的な戦争に参加することを、私は拒否します。】(中略)【大統領閣下、貴方は、議会を欺いて憲法第1条を犯しました、国連憲章第2条を犯しました、国連総会決議第3314号を犯しました、侵略戦争を禁じたニュルンベルク憲章を犯しました、その他多くの国際法と国内法を犯しました。合州国軍将校として、私の法的・道徳的な拠り所は憲法にあります、不法な命令を下す者たちではありません。この違法な戦争に参加することを拒絶するのは、私の責務なのです】
反戦翻訳団

JanJan関連記事(IPS):米国、イラク従軍拒否ワタダ裁判への出頭命令

ご意見板

この記事についてのご意見をお送りください。
(書込みには会員IDとパスワードが必要です。)

メッセージはありません

下のリストは、この記事をもとにJanJanのすべての記事の中から「連想検索」した結果10本を表示しています。
もっと見たい場合や、他のサイトでの検索結果もごらんになるには右のボタンをクリックしてください。