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最悪の放送制度改正、NHK・民放は政府の統制下へ?

桜木七郎2007/04/08
6日に閣議決定された放送法改正案によって、政府の放送事業監督の権限強化、放送への政治的介入の危険性の増大が心配されている。
日本 テレビ NA
 6日午前、閣議決定された放送法改正案によって、

 ・政府は、ねつ造番組を放送した放送局に再発防止計画の報告を求めることができる。
 ・NHKの経営委員会の執行部監督権限を強化する。

 など、政府の放送事業監督の権限強化、放送への政治的介入の危険性の増大が心配されている。

 放送局がねつ造と認めた場合という限定がついているが、放送業界の自浄能力への不信感が強い政府が、BPO(放送倫理・番組向上機構)など事業者・第三者監視機関の自主的な対応でねつ造を認めない場合でも、政府が公益性ありと判断すれば法にもとづく行政指導を行うことも可能になるのではないか。

 NHKの経営委員は政府が決める。経営委員長は首相が任命する。その経営委員会の、NHK執行部(会長、理事)への監督権を、従来の名目的なものから、経営委員の常勤を置いて、実質化することになると、政府の意向が、いままで以上にNHKの経営に日常的に反映される可能性が強まることになるだろう。

 NHK・朝日新聞問題などでとりざたされた、政治とNHKの関係が、一層強まると見るのが、自然ではないか。

 以上のように、民放、NHK、いずれの制度改正も、これまでの放送制度の運用のなかで、特に政府側が意識的に避けてきた、公共放送や民間放送の言論・表現活動への政府や政治の判断による介入を、堂々と打ち出した制度改悪だといえる。

 戦後の放送行政の歴史のなかで最も筋の悪い制度いじりを、菅総務大臣は「淡々と」(※)こなし、6日、閣議決定された。

 (注:※朝日新聞4月6日朝刊「政策」面記事の表現:「3月26日の参院予算委員会。新たな行政処分の対象を問われた菅総務相は淡々と答弁した。処分対象は『例外なし』との姿勢を打ち出した」)

 今回の制度改悪でもっとも筋が悪い点は、何をもって「ねつ造」とするかは政府が最終的に判断することになるという点だ。

 菅大臣が「淡々と」答弁した内容は、「何が事実かは政府が判断する」というに等しく、慄然とさせられる内容だった。ラジオの大本営発表や情報局による番組検閲の国民に与えた影響の反省に立脚する、戦後放送制度の歴史的意味はこの無知蒙昧な政治家によって完全に無視された。

 NHKの不祥事、受信料不払い拡大、関西テレビ、TBSの番組外注先の不祥事など、弱り目にたたり目で、弱みにつけこまれた放送業界は、国民の支持が得られないまま、最悪の事態を迎えてしまった。

 新聞は、テレビがつまらなくなる、と「警告」するが、問題はもっと深刻だ。政府の節度ある制度運用を見守る必要があるが、われわれ視聴者・国民の側も、少なくとも、何がねつ造かを判断する「事実」認定の基準の明文化、NHK経営委員会の議事録の公開・経営委員会の透明性の確保など、新制度運用の最低限度の条件を政府に要求していく必要があるだろう。
◇ ◇ ◇

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[26597] 見過ごされがちな政府のマスコミへの締め付けをこれからも見逃さないでください
名前:中嶋寛
日時:2007/04/11 03:39
安易なNHK批判が渦巻く中、あるある大事典でのねつ造疑惑などに乗じて、マスコミへの規制を強めようとする政府の姿勢が余りにも注目されないまま通り過ぎていこうとする現状で、桜木七郎さんのような物の見方ができる方がいるのは安心できることです。

NHKの批判すべきは非難するとして、その改革の方向性はより積極的な政府の批判、暴走の監視であるべきで、決して国民と政府が結託してNHKの牙をそぐようなことであるべきではありません。

あくまでもその牙は国民のために、権力の暴走を防ぐべきものです。

営利企業ではないNHKをその際右翼として、他のマスコミの各メディア、各社もそれぞれの領域で、営業を成り立たせつつ、牙を研ぐべきなのですが、昨今のネット人口は、過日の命令放送問題も「拉致問題を報道しろと言うめいれだからいいのでは?」という浅はかな考えしか示せない人が多く、愕然としました。

今後も批判すべきは批判し、評価すべきは評価し、権力に対して国民を守る新たな武器であるネットの有効利用を期待します。
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