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お詫びの申し上げようもない――自費出版大手・新風舎(港区南青山)が経営破綻による民事再生法の適用を申請した問題で、9日、同社は債権者向けの説明会を都内で行った。印刷会社や編集プロダクションなど債権者の「放漫経営だったのでは」との意見に対し、松崎義行社長は「たしかに放漫経営だったと思う」と認めた。同社は営業方法などをめぐって著者とのトラブルが相次ぎ、昨年7月に同社と契約していた著者4人が出版費用をだましとられたとして提訴していた。
涙ながらに謝罪した松崎社長は、「これまでのご厚情に対して、今後の仕事でお応えするしかないと思う」と債権者に説明したうえで、引き続き経営を続けていくことに理解をもとめた。経営破綻の原因として「事業の急拡大」をあげ、社長としての指導力不足に言及。またマスコミ報道に関連して「昨年7月に裁判の報道があり、売り上げが落ちた。それ以前にも風評被害があったが、大きな経営不振を招くとは考えていなかった」と話した。最近は社員に対する給与の支払いも滞っていたという。
債権者からは「念書まで交わし、請求書を送ったのにまだ支払われていない」「放漫経営だったのでは」などの声があがった。松崎社長は「たしかに放漫経営だったと思う。ただ、放漫経営をしようと思ってしたわけではない」と説明。
企業破産について著作がある滝久男・弁護士が代理人になるにあたって、松崎社長と会って助力を依頼されたのは昨年12月25日。松崎社長からは「月当たり4億円以上の売り上げがあったが、現状では1億円程度になってしまった」との話があった。滝弁護士は「事業を継続して収益を維持できるか」と松崎社長に尋ねた。「1億円まで落ち込んだが、底を打ったと思われるので、事業は回復するし収益は維持できる」と松崎社長は答えたという。
同社には、印刷会社の「帆風」と京都府の会社が支援を申し出ている。具体的な支援は今後検討するとするものの、帆風の財務部長は「昨年の暮れに話があり、色々内容を調べた。基本的に半年遅い。租税公課が多すぎる」と新風舎の経営状況を説明。帆風の企業体力でできるだけ支援したいとした。
代理人の話では、いまのところ同社との取引きを打ち切る取次店、倉庫会社はないという。ただ、取引き先から一時的な取引き停止の申し出があることは予想でき、その場合「長期化しないよう取り組みたい」としている。
今月7日に東京地裁が出した保全命令によれば、1月6日以前に発生した債権者に対する債務(商品の納入)の支払いは原則としてできない。支払いできるのは従業員の給与、事業所の水道光熱費等、備品代、10万円以下の債務のみ。これは裁判所の監督下に置かれるためで、7日以後の債務については今後の事業継続に必要な「共益債権」として扱われ、支払われる。代理人は「6日までの債務と7日の債務は質的にちがう」とする。
裁判所から監督委員を命じられた川島英明・弁護士は、今後について「状況は大変厳しい。破産した場合、一般債権者への配当はほとんどない。ほとんどゼロのようなものであれば、うまくいくかどうかは別にして再生計画案を出させてみようとするしか(債権者には)選択肢がないのでは」。また、会場に挙手で確認をもとめたうえで、「大方の債権者は、経営再生がうまくどうかいくかは別にして、『再生計画案に実現可能性があるか判断したい、いきなりの破産は望んでいない』という形で裁判所に意見する」と話した。
同社の民事再生手続きは10日に東京地裁で開始決定が出される見通しだが、最終的には、再生計画案の裁判所提出を経て、5月に開かれるとみられる債権者集会によって認否決定される。
著者に向けた説明会は1月下旬の予定。現在、出版を控える契約者は約1100人にのぼる。同社の負債は20億円。
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