トップ > メディア > 新風舎破産 著者の便宜を図ることが最優先課題
メディア

新風舎破産 著者の便宜を図ることが最優先課題

高石左京2008/01/23
既に新風舎の方の、書店での販売が困難となった現在、新風舎側が相互の契約の前提である書店ルートに流すという義務を放棄したこととなる。
日本 本 NA_テーマ2
新風舎破産 著者の便宜を図ることが最優先課題 |
前門の虎、後門の狼

 1月19日、都内にて新風舎の記者会見が行なわれた。民事再生手続きの廃止とそれに伴う破産手続き開始に関する説明とお願い、がその内容だった。

 こうした中、新風舎代理人滝久男弁護士は「著者に損害を与えないように、事業の受け皿を作って委嘱したい。印刷会社、同業者含めて引合いは数社ある」と事業譲渡を匂わせている。また、現在、保全管理人であり、近く、破産管財人となるだろう川島英明弁護士は「未完成の作品と600万冊の在庫をどうするか、このスキームを今月末までに決める」と語っている。

 如何にも著者の立場に立っているような印象ではあるが、ここで言うところの事業譲渡とは、作業を進めることによって回収の見込みのある制作途上の本を他社に売り渡し処理すると言うことに過ぎない。

 既に編集が完了しているものもあり、著者から受け取る残金が実際の費用より多ければ引き受けた業者は当然のように収益が出る。先日ご相談に見えた著者の方の分は、既に3分の2を支払い済みにも関らず残金で印刷・製本・用紙等の製作費が全て賄える金額だった。

著者の便宜を図ることが最優先課題では

 在庫についても著者に売りつけることを前提に話が進められている。そこで問題になるのが本の所有権だ。新風舎や文芸社などの共同出版業者は、製作費の全てどころか利益分も著者の負担としているにも関らず、本の所有権が共同出版業者側に移行するような契約となっている。契約書上は在庫をどのように扱うかは新風舎や文芸社など共同出版業者側の勝手ということになる。ただしこれは双方が契約条項を守った場合という前提だ。

 既に新風舎の方の、書店での販売が困難となった現在、新風舎側が相互の契約の前提である書店ルートに流すという義務を放棄したこととなる。さらに著者の名誉を傷つけ、数々の精神的苦痛をもたらした。契約条項が新風舎側の責任で反故になった現在、一般的な社会的倫理に基づいて処理するのが当然だと思う。その一般的な社会的倫理とは、新風舎倒産の最大の被害者である著者の便宜を最大限に守ることだと思う。

◇ ◇ ◇


※筆者注 1月22日、新風舎より、質問に対するご回答がアップされました。この保全管理人川島弁護士からの「質問に関する回答」の項目の内、「ISBNナンバーが5桁でかつ0番から始まる作者の本が1月31日から購入できなくなる状況が予想されます」の記述が多くの著者に不安を与えているようです。

 該当書籍を保管している倉庫会社と保全管理人との間で綱引きが始まっていると思われます。何とも判断に困るところですがネットをやっておられない方はこの「お知らせ」を見ていないわけですし、倉庫会社側も一気に断裁すれば著者側からの批判を受けることになりますから、そうそう強硬な手段は取れないだろうと思います。

 ただ倉庫会社と保全管理人の水面下の綱引きなので確定的な予測が出来ないのが現況です。この倉庫会社は、たぶん私も知っている会社なのですが、今の段階では連絡出来ず経過を見守っている状況です。
◇ ◇ ◇

ご意見板

この記事についてのご意見をお送りください。
(書込みには会員IDとパスワードが必要です。)

メッセージはありません

下のリストは、この記事をもとにJanJanのすべての記事の中から「連想検索」した結果10本を表示しています。
もっと見たい場合や、他のサイトでの検索結果もごらんになるには右のボタンをクリックしてください。