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相次ぐ硫化水素自殺 問われる報道姿勢

沢井まこと2008/04/26
洗剤などで硫化水素ガスを発生させ、自殺する方法が、ネットなどで広がったことが、この方法を流行させた原因といわれているが、私はネット以上にテレビや新聞、雑誌などのマスコミの責任が大きいと思う。
日本 マスコミ 防災・復興
 全国的に硫化水素を使った自殺が相次いでいる中、私が住む青森県でも起きてしまった。報道によると4月22日夕方、八戸市のアパートで異臭騒ぎがあり、消防や警察が駆けつけたところ40代の男性と20代の女性が浴室で死亡していたという。目張りがしてあったなどの状況から警察は自殺と判断したようだ。詳しいことはまだ何も発表されていない。

 洗剤などを混ぜて硫化水素ガスを発生させて自殺するという方法が、ネットなどで広がったことが、この方法を流行させた原因といわれている。私はネットに加えてもっと大きな影響を与えているのはテレビや新聞、雑誌などのマスコミだろうと思う。いやインターネットとマスコミの相乗的な効果と言った方がいいかもしれない。

 近頃テレビニュースを見ても「硫化水素自殺が激増」とセンセーショナルに取り上げている。それは死にたい願望がある人の背中を押してしまうのだろうか。それを考えると、このような記事を書くこと事態がどうなのか?と自問自答してしまうのだが。

 自殺願望は鬱病など精神疾患からくることが多いというのは、最近はよく知られるようになった。死にたいという願望は病気なのだからどうすることも出来ないが、ネットやマスコミの情報が自殺を促してしまっているとしたら、我々記者はどうしたらいいのだろう。

 情報をどう受け取るのかは、個人の受け手の問題と言ってしまえば無責任になるが、ネットやテレビ、新聞に限らずあらゆる情報があふれている時代、その情報を断ち切るのは難しいだろうと思う。であれば情報と上手くつきあう方法を身につけなければならないと思う。しかも子供のころから情報を丸呑みしないような訓練もしていなければならないと思う。そう書くと情報を与える側の逃げととらえられても仕方ないかもしれないが。

 私は市民記者になって間もないが、実は20年以上テレビの仕事をしてきた。最近事情があって辞めた。20年間視聴率さえとれれば……という風潮の中で仕事をしてきたが、辞めてから初めて様々なことに気づき始めた。テレビであれば視聴率、新聞であれば部数、ネット新聞ならアクセス数、つまり数字主義に走りすぎてはいけない。常にブレーキを握りしめていなければならないと思うようになったのだ。

 近頃の硫化水素自殺の報道についても思う。どのマスコミも一緒になって過剰な演出で報道するようでは、自殺願望がある人の背中を押しかねない。我々市民記者も、情報が与える影響について常に意識しなければならないと思う。
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