烏賀陽弘道氏
フリーライターの烏賀陽弘道氏が月刊誌のインタビューに答えたコメントをめぐって名誉毀損か訴訟権の濫用かで争われているオリコン訴訟の控訴審は11日、東京高裁で第2回口頭弁論が行われた。被告・控訴人の烏賀陽氏側は、月刊誌『サイゾー』の正副編集長を証人申請した。
音楽情報配信会社のオリコンは、月刊誌『サイゾー』(2006年4月号)に掲載された烏賀陽氏のコメントとされる話の内容が「事実無根であり、名誉を毀損された」として烏賀陽氏に5000万円の損害賠償を請求した。『サイゾー』に掲載されたコメントは「オリコンは予約枚数もカウントに入れている。オリコンの数字は程度操作が可能だ」などとするものだった。
訴えられた烏賀陽氏は1人のライターだけを狙って5000万円もの高額訴訟を起こすのは訴訟権の濫用だとして反訴していた。
1審の東京地裁(4月)は「編集権は出版社側にあるが、コメントがそのまま掲載された場合は、取材に応じた側も例外的に責任を負う」として、烏賀陽氏に損害賠償として100万円の支払いを命じる判決を言い渡した。烏賀陽氏は1審の事実認定に誤りがあるなどとして控訴している。
烏賀陽氏の控訴趣意書などによると、月刊誌『サイゾー』は烏賀陽氏のコメントをそのまま掲載したのではなかった。烏賀陽氏から電話取材した副編集長が書き変えたのだ。送られてきたゲラを見て烏賀陽氏は「自分のコメントと違う。掲載そのものを取りやめてほしい」と副編集長に申し入れた。だが聞き入れてもらえなかった。
東京高裁(ビルには地裁や簡裁も入る)
口頭弁論後の記者会見で烏賀陽氏は「思ってもいなかったことで『責任を取れ』と命じたのが1審判決だ」と憤る。
「コメント自体の使用(掲載)を烏賀陽氏が了承しなかったにもかかわらず、編集部が使った」というのが控訴審での新しい主張だ。この経緯を証明するために烏賀陽氏側は、『サイゾー』の小林稔和副編集長と揖斐憲編集長を証人申請した。
申請が認められた場合、烏賀陽氏によれば「小林、揖斐両氏ともミスを認める証言をする」。
この日、烏賀陽氏側からは首都圏のCD店を回って集めたオリコンについての証言を録音したテープも証拠申請した。内容は▼ある特定ミュージシャンのCDの大量購入▼オリコンの数字はレコード会社によって操作ができる▼予約もカウントに入れる(カラ予約もカウントできるとも取れる)などだ。
ただ、レコード店の証言は匿名を条件に答えているため証拠として強さに欠ける、と弁護団は懸念する。
烏賀陽氏は「1人のライターを恫喝することを認めるような判決を判例として残してはいけない。私1人の問題ではなく言論の自由を脅かすことにつながる」と強調した。
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