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新型インフル報道で分かった 日本のマスコミは世界一?

      戦前の付和雷同型報道パターンと共通する

岡田克敏2009/05/15
 「カナダではマスク姿なし・報道控えめ」「機内検疫にどよめき」「研修から帰国の高校生」

 「カナダでは新型のインフルエンザはあまり話題になっておらず、生徒らは機内検疫のものものしさに驚いた。……現地の新聞ではほとんど報じておらず、街中にもマスクをしている人はいなかった。」

 これは研修旅行で感染者が出た高校生たちの様子を報じた朝日新聞の記事です(5月12日大阪版、28面)。カナダのマスコミと日本のマスコミの違いに驚かされます。それにしても、自分たちが騒ぎを引き起こした当事者でありながら、カナダの事情を他人事のように書く、この「客観性」にはあきれます。それとも、この記者は「カナダのマスコミはなんて無能なんだろう」と思いながら書いたのでしょうか。

 高校生だけでなく、海外から帰ってくる人たちの多くは日本のものものしさを見て、新型インフルエンザへの対応の差に驚いているようです。私の周囲にも慌てて1週間分の食糧を買い込んだ人がいます。「日本のマスコミは世界1」としたタイトルの意味は新聞の発行部数のことではなく、たいして重要でないことを国中に「大変だ」と信じ込ませる能力を指しています。つまり優れた煽動能力です。

 新型インフルエンザに対する海外の反応は断片的なものしかわかりませんが、カナダや米など患者が自国で発生している国でさえ、日本よりずっと静かな印象です。日本の対応が世界の中で突出したものであることは、ほぼ間違いないだろうと思われます。

 誰が指令したわけでもないのに、同じ方向へ群れをなして突き進む。私にとってはこの日本のマスコミの方が新型インフルエンザよりも恐ろしいものに映ります。マスコミが一斉に同じ方向に流れるとき、合理性が軽視されるのは食品関連の事件などにも見られました。

 もっとも顕著に現われ、最悪の結果を招いたのが太平洋戦争(立場によって「大東亜戦争」と呼ぶこともありますが、どうでもよいことです)に於けるマスコミでありましょう。戦争に向けて国民を鼓舞したマスコミの積極的な協力がなければ、あのような戦争はできなかったと思われます。

 新聞が戦争協力へと転換したのは満州事変直後であると言われています。軍の圧力に対し、若い社員の「社がつぶされても反抗すべきではないか」という問いに対して「私もそうしたいと思うが、万余の従業員やその家族があすから路頭に迷うことを考えると私にはできない」と言った毎日新聞の高田編集主幹・総長・代表取締役の言葉は、この辺りの事情を物語っています。

 新聞がウソを書いて売るということは、食品会社が有害なものを混ぜた食品を売るに等しい行為です。つぶされるかもしれないという選択が困難であることも理解できますが、結局、新聞各社は反抗ではなく、有害物の販売を選んで販売部数の大幅拡大を得て繁栄し、国民は辛酸を嘗めることになりました。
 (参考記事: 新聞の戦争責任・・・付和雷同の精神は今も健在)

 軍の圧力を受け、やむなく消極的に従うのは理解できます。しかし、その後実際に起こったことは、新聞各社の軍に対する積極的・自発的な協力でした。これは軍の圧力だけでは説明できず、別の説明が必要であると思われます。付和雷同する群集のように自ら判断することを放棄した結果なのでしょうか。少なくとも戦前の新聞の不合理・不可解な一斉行動は、今回の新型インフルエンザへの一斉対応と通底するように思います。

 戦前、日本のマスコミは制御不能となった実績をもっていますが、今もなお条件次第ではモンスターになる素質を温存しているように感じます。

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[45713] 面白い話題
名前:岡田克敏
日時:2009/05/18 10:06
朝井様、斉喜様、浜地様、鈴木様、面白い話題をありがとうございます。


日本のメディアの人命尊重がいかに「優れたもの」であるかを示すエピソードがあります。


『3月20日の開戦直前に日本の大手メディア(新聞、テレビ)は「記者の生命の安全を守る」という理由でバクダッドから横並びで一斉に退去した。爆撃される一番危険な場所はフリーランスに任かせてしまった。米国、英国、フランス、スペイン、ドイツなど世界各国の記者の多数がバクダッドにとどまって取材を続けたのに比べると、最重要な取材現場から一斉集団離脱したのは日本だけであり、いわば、オリッピック出場を自ら棄権した形で、日本のメディアの特異性・臆病ぶりが際立たせた』−前坂俊之氏の文より


仕事に対する使命より、とにかく安全と収益が第一のようです。


鈴木様の、普通選挙の実施と軍国化の進展、及び新聞の関係は興味ある視点ですね。民主主義の限界、負の側面を示唆しているようです。民主政治がまともであるためにはまともなメディアが必須であるということでしょうか。
[45710] 若干、補足します。
名前:朝井啓吏
日時:2009/05/18 08:45
>わたしの率直な感想。
「馬鹿か?こいつら?」
なんでこうなるなるなるのかなかなかな??? <
 
上記の記述につき、補足します。
彼らは、そのパフォーマンスが
「風評被害の拡大に手を貸すことにならないか?」
という視点がありません。
つまり、
マスクをつけることで、危険を「ことさら」強調して、
「大阪は、ヤバイですよ」
と暗示しているのです。
よりによって、報道番組で・・・。
 
そのうち、どこかの都市で、
「大阪人お断り」
の張り紙が出されるかもしれません。
もちろん、笑い話ですが、
なにせ、マスコミの報道に踊らされることが多い国民性なのですから・・・

[45708] 普通選挙が施行された2,3年後に
名前:鈴木浩
日時:2009/05/18 01:54
満州事変が勃発します。全ての日本国民(ただし男子のみ)が選挙権を得てから軍国化が急速に進んだです。新聞が弱腰の政府を攻撃し軍国化賛成の世論作りに協力した結果であることは容易に想像できます。
ところで話が変わるのですがIMFが日本の経済成長率が先進国中最低の-6.2%を予想したことに対してあの朝日が面白い記事の書き方をしてましたので抜粋します。
「いかなる理由があるにしろ、これではまるで、日本が世界経済の足を引っ張っていると宣言されたようなものだ。日本たるもの、大いに発奮しなくてはならないだろう。 」
他社はたいてい円高のため輸出が打撃を受けたと説明をしていますが朝日は「いかなる理由」の中に隠蔽し、日本が不況の元凶であるかのような書き方をしています。そしてそのまま政府批判につなげるいつものパターンでした。盲目的に政府与党を攻撃する体質は戦前、戦後も全く変わってないようです。
[45701] 「啓蒙」のつもりでしょうか?
名前:浜地道雄
日時:2009/05/17 23:24
私も別の番組で見ました。

「社会の木鐸」として率先垂範のつもりでしょうか?

それなら、きちんと手洗い、ウガイの風景、かつ「熟睡」を見せる方が啓蒙になります。

[45699] 私も視ました
名前:斉喜広一
日時:2009/05/17 23:05
ま、テレビという媒体は絵面を整えたがりますからねー。
多少、笑えましたが・・・。 
[45691] 岡田 さま
名前:朝井啓吏
日時:2009/05/17 22:31
わたしは、今しがた、決定的な報道のマヌケな場面をみてしまいました。
おもわず笑ってしまいました。
 
大阪の「街頭」から、リポーーターがインフルエンザの状況を報道しているのですが、、、
彼は、なんと「マスク」をして、リポートいるのです・・・#$%&?
周りにはだれもいません。
 
わたしの率直な感想。
「馬鹿か?こいつら?」
なんでこうなるなるなるのかなかなかな???
 
8チャンネル「サキヨミ」という番組です。
まことに、
この辺に、まぬけなマスコミの姿勢が出ていますね?
 
それにしても、
それにしても、
それにしても、
「馬鹿か?こいつら?」
と思うのです。
[45681] 浜地様
名前:岡田克敏
日時:2009/05/17 16:08
ありがとうございます。
ご紹介いただいた「新型インフルに過剰反応する「安全監獄」内の日本社会」の主旨については同感です。しかし金川真大被告や藤智大被告について「彼らなりの冒険か?」という表現は彼らの行為を肯定する意味合いが感じられ、ふさわしくない例を無理にくっつけたように思います(浜地さんも「違和感」と表現されていますね)。


マスコミの過ぎた安全志向は被害者よりの姿勢で、原因者・加害者を非難するために必然的に生じたスタンスだと見ることができます。そこには購読者への迎合が根っこにあると思います。
[45673] 子どもたちの冒険心を削ぐ親心(?)−がっかり
名前:浜地道雄
日時:2009/05/17 12:20
現地にお住まい(と思われる)の高橋さんが「カナダの新聞は大騒ぎしまくり」(45663]と
仰ってるのを「現地の新聞ではほとんど報じられてない」と
報じる朝日新聞は問題ですね。


(ちなみに、つい先日も長女夫妻がNYから来日しましたが、
日本の報道に驚いてました)


高橋さんご紹介のサイトで興味深いのがあり:
語学留学と新型インフルエンザ


「インフルエンザ問題で、1年間の語学留学を中止すべきか否かで迷ってらっしゃる方の質問を見かけた。ご両親が、カナダで感染者が出ていることを受けて、中止しなさいとおっしゃっているとの由。」


これは田中(良太)さんの記事を思い出させます。

新型インフルに過剰反応する「安全監獄」内の日本社会


子どもたちから「冒険心」を削いでしまう。
がっかりーー。


そこでの私のコメント[45445]:

9・11の直後、某大学のイギリス研修グループが出発直前の
成田で、父兄からの強烈なアピールがあって、キャンセルとなりました。
アメリカの東海岸(DC 、NY)とイギリスのロンドンの方角も分からないのかと
皮肉りたくなるような出来事でした。
子供たち、若者たちの「冒険心」を削ぐこと甚だしい。
[45666] 高橋幸二様
名前:岡田克敏
日時:2009/05/17 09:55
詳しい情報をありがとうございます。
カナダでは大騒ぎ、とのことですが、日本のようにほとんどすべてのメディアが連日トップニュースで報道するようなレベルなのでしょうか。また指定されたカナダの日刊紙の記事は保存されたページのようで掲載当日はトップニュースであったかわかりませんがトップであったのでしょうか。そうであれば日本の報道が特異だという推定は再検討しなければなりません。


ご紹介いただいたttp://d.hatena.ne.jp/Soreda/20090503#1241310306のリンク先http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4927196.html?ans_count_asc=20には
「日本とアメリカで医療教育を受けたものです。NY近郊に住んでいますが、人々は普通に暮らしています。・・・私は日本は騒ぎすぎだと感じます。相変わらず集団ヒステリーですね」という記述もありました。


>彼らの言い分をそのまま掲載するのはいかがなものでしょうか。
について


最後リンク先は高橋様ご自身のブログですね。この5/14日分、http://blog.so-net.ne.jp/canadian_history/2009-05-14の冒頭に「【朝日誤報】カナダのマスコミ、豚インフルエンザで大騒ぎ」というテーマで


>カナダでは新型の豚インフルエンザはあまり話題になっておらず
>現地の新聞ではほとんど報じられておらず


という文があり、これは朝日新聞向けに書かれたことがわかります。私はその朝日記事を引用したわけですが、むろん引用する以上、朝日の記述の裏づけを取ってから使用するのが本当です。しかし現実には新聞記事の裏を逐一取るというの簡単ではなく、そこまでの精度を要求されると素人は書くことができなくなると思うのですが。
[45663] カナダも大騒ぎ
名前:高橋幸二
日時:2009/05/17 08:09
>カナダでは新型の豚インフルエンザはあまり話題になっておらず
>現地の新聞ではほとんど報じられておらず
>カナダのマスコミと日本のマスコミの違いに驚かされます


カナダの新聞なら毎日読んでいますが、大騒ぎしまくりです。研修旅行の高校生が、現地で新聞を読んだかどうか甚だ疑問ですが、彼らの言い分をそのまま掲載するのはいかがなものでしょうか。
★The Globe and Mail
・Pig farmers are victims of a swinish disregard for the truth
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20090514.wcoflu15/BNStory/specialComment/
・Canada now has 281 cases of swine flu
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20090509.wcdaflu0509/BNStory/GlobeSportsHockey/
★Toronto Star
・Japanese flu cases linked to Ontario
http://www.thestar.com/article/631963
・Japan confirms 4th case of Ontario-linked swine flu
http://www.thestar.com/article/632062
・Canada's first swine flu death confirmed
http://www.thestar.com/article/631357
★カナダ在住邦人のブログ
・インフルエンザについて@カナダ雑記
http://d.hatena.ne.jp/Soreda/20090503#1241310306


>この記者は「カナダのマスコミはなんて無能なんだろう」と思いながら書いたのでしょうか


参考までに「カナダのメディアは民主党代表選をどう報じたか」(バンクーバー・サン紙の翻訳)
http://blog.so-net.ne.jp/canadian_history/2009-05-16
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