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緊急電話がつながらない!?携帯「おめでとうコール」の弊害
2003/12/31

 人混みでごったがえすアトラクション会場には、新年までの時を刻む大型の電光掲示板が設置されていた。その文字が10秒を切る。「8、7、6、5、・・・」。周りでカウントダウンの声が上がる。そして新年。打ち上げられる花火と沸き起こる歓声。この感動を知人にも伝えようと、携帯電話の発信ボタンを押した。しかし、電話は通じない・・・・・・。昨年の大晦日から元旦にかけ、こんな経験をした人はいないだろうか。

 電話が通じなかったのは、同じように多くの人が電話をかけたため回線が混み合う「輻輳(ふくそう)」が起きていたか、それを予防するために、携帯電話各社が発信規制を行っていたためだ。このうち輻輳が起きた場合、通信の接続に支障をきたすだけではなく、交換機の処理機能自体が停止してしまう恐れがある。

 このため例年、携帯電話各社は12月31日の深夜から元旦にかけ、大幅な発信規制を実施している。今年の規制は、大手のNTTドコモが1月1日午前零時前から状況により音声通話で約30分、メール通信などで最大1時間。規制幅は25%(4回かけて3回接続)から87.5%(約8回かけて1回接続)で、平均60%の規制率だ。

 また、auを扱っているKDDIでも同様に1月1日午前0時頃から2時間程度の規制を行うが、昨年は80%だった同比率を今年は5ポイント引き上げ、85%とする方針だ。これは「(最近発売の機種で一般的機能としてついている)ムービー・メールなどの(データ量の多い)サービスを利用されるお客様が昨年より増えると予想」(同社広報担当)しているためだ。

 各社が規制を行う背景には、通信の安定供給を規定している電気通信事業法に対応する目的があるが、最近、回線の混雑で110番や119番などの緊急通報がつながらない可能性が問題と指摘されている。

 警察庁がまとめた110番通報の受理統計をみると、2001年1月〜11月の件数793万4109件のうち、移動電話からが393万9444件と全体の49.7%を占めた。約2件に1件の通報は、携帯からということになる。

 「それならば、そうした緊急電話を優先的につながるようにすればいいではないか」と思うかもしれない。しかし、法律的な制約があるため、各社とも緊急電話と他の電話とを区別をしていないのが現状だ。

 新年を迎えた感動を知人に伝える「おめでとうコール」、元旦になってすぐかけたい気持ちは山々だが、時間をずらすなどして昼間にかけることをおすすめしたい。そうした少しの配慮が、事件や事故、消火や救急の出動要請で一分一秒を争って電話をかける人たちのためになれば、新年早々、こんなに素晴らしい人助けはないだろう。

(遠藤博丈)

新年の「おめでとうコール」の殺到で、携帯各社は規制を余儀なくされる。 (写真はイメージです。本文とは関係ありません)
















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