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EUの中心的大国がリーダーとしての采配に戸惑っている。 欧州連合(EU)は16日、ブリュッセルで首脳会議を開き、来年10月3日から、トルコと加盟交渉を始めることで合意した。 フランスのシラク大統領も15日夜の仏テレビTF1のインタビューで「トルコの加盟は欧州、フランスの利益となる」と支持の考えを表明している。 しかし、13日発表の世論調査によると、国民の約67%がトルコのEU加盟に反対するという結果が出ている。この反対論者の主張の中でもっとも多いのが、宗教問題に関したことだ。トルコは全国民の約98%をイスラム教徒で構成し、これ程までのイスラム教国は現在のEUには存在していない。 そして、9.11同時多発テロ以来のイスラムに対して抱いてきた警戒心が、ここへきてあらわになっているのだ。まだ記憶に新しいことだが、イスラムに対する不信感が公の場に出てきたのは今年の2月10日のことだ。フランス国民議会(下院)は公立学校において、イスラム教徒のスカーフのような宗教的服飾の着用を禁止したのである。 そして驚くことに、国民の約70%がこの法律を支持したのである。これを支持する専門家の中には「学校教育の場に宗教的価値観を持ち込むことはよくない」と主張する人もいる。もちろん、教壇に立って宗教を説くというのであれば生徒に与える影響は大きく、学校教育にふさわしくないこともあるだろう。しかし、生徒の服装によって、どれ程大きな影響があるだろうか。この法律の正当性には疑問が残る。 中東情勢が不安定な今、トルコがEUへ加盟できなかった場合、イスラム世界との関係悪化が懸念される。その意味でEUの今回の決定は大きな意味を持っている。そして、EUの中核を担うフランスが、「異質なものへの恐怖」という難題をいかにして解決できるかが、大変重要となってくると思う。 ◇ ◇ ◇
参考ニュース
「EU:トルコ加盟問題 加盟反対、フランスは67%も−−フィガロ世論調査」(『毎日新聞』12月15日) 関連記事 フランス公立学校で進む非宗教性 スカーフ禁止法案、回答期限一日延長 ドイツマスコミスキャン〜イスラム教徒のスカーフ フランスの政教分離は、ちょっと厳格だぞ |