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アメリカでは大学(院)を容易に設立できる、ということをまず知らねばならない。その「学位」は社会で必ずしも通用しない。にもかかわらず「学位を売る」という商売が続発、FBIはそれを犯罪とみなして取り締まっている。 写真上は、学位商法を追及する元FBIエゼル氏(左)とイリノイ大学ゴリン教授(右)だ。学位の「質」の確保・向上にはしかるべき「認定Accreditation」が不可欠である。但し、その「認定」ですらお手盛りで作ることができるという社会システムに注意せねばならない。 勿論、きちんとした認定機関もあり(基本的には6団体)、米国高等教育センター(写真中)はこの6団体の他に、遠隔教育については、Distance Education Training Council(DETC)を認定機関として認めている。ところが不思議なことに、DETCは英語圏以外では唯一、東京に本社をおく株式会社バベルがハワイに設立した事務所を翻訳大学院と認定している。 同「大学院」はホノルルのコンド(集合マンション)の一室にすぎない(写真下)。そもそも、日本語で行っている授業の質を「アメリカの団体」がどうして評定、認定できるのか?また、ハワイ州消費者保護局は、学位発行条件として1学年最低25人の在ハワイの生徒数を規定している。ところがバベル翻訳大学院のHPを見ると、昨年の卒業生はほんの数人である。この矛盾を抱えた同校の認定は来年再審査されるが、その結果が注目される。 翻って、わが日本の文部科学省では、錚々たる識者により「大学の国際化」が数次に亘り審議されてきた。2004年3月29日にまとめられたその報告書では、学位商法に触れて「学習者等の保護を図るため、適切な質保証の仕組みを確立する必要がある」と提言されている。 その1年後にあたる今年3月22日、11回目となる大学教育研究フォーラムが開催された。『学歴汚染―日本型ディプロマミルの衝撃』を著している静岡大学の小島茂教授は、同フォーラムで「遠隔教育とディプロマ・ミルの日本社会への浸透」を発表し、この問題が日本では深刻な議論に至ってないことへの違和感を吐露している。 その背景は次のような当局高官の発言に表れている。「ディプロマ・ミルは、日本では(進入が難しく)ほとんど問題になっていない」。或いは「日本ではアメリカのディプロマミルが出てくる可能性は低い」。(3月23日付メールマガジン「学歴ネット」30号) 以上を総括するに、インターネット時代とあって、あらゆる文化、システムが国境を越えて行き来することとなった。ことに「情報先進国」アメリカからのこれらの導入については、その「陰」「負」の部分にも目を向けていかねばならない。これからの地球規模でのもっとも重要課題の1つである教育についてもしかり。「国際化」にあっては、「自己責任」「自己判断」が不可欠の要素であるということを認識しなければならない。 (「学位商法」シリーズはこれで終了です。) ※筆者注:本稿は公平中立を期する為、公表されているURLに基づいています。リンクの扱いについては、CRICの見解を参考にしています。内容には十分配慮していますが、事実誤認などあればご指摘ください。 ◇ ◇ ◇
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