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│米国│メディア│ ▼金で買えるより自由な報道? (12/28) 米国のコンドリーザ・ライス国務長官は、6つの大学および「アスペン研究所」と提携して、自由・民主主義等の価値をジャーナリストに伝える「エドワード・ミュロー・ジャーナリズム・プログラム」を開始すると発表した。エドワード・ミュローはよく知られたジャーナリストで、第2次大戦中のロンドンからのラジオ中継や、50年代に「赤狩り」を進めたジョセフ・マッカーシー上院議員の煽動的な体質に関する報道などで有名である。約100名の国際的なメディア関係者に対してプログラムが提供されることになる。 この発表は、国防総省が「リンカーン・グループ」という企業に委託して、元々は米軍関係者の書いた米国に都合のよい記事をイラクのジャーナリストに発表させるというスキャンダルが発覚する中で行なわれた。(関連ヘッドライン) また『ワシントン・ポスト』紙によれば、米海兵隊がビル・ロッジョという名の元兵士のブロガーをイラクの米軍に帯同させ、前線からの記事を書かせているという。ロッジョ氏は、オンライン読者から3万ドル以上の資金を集め、航空機のチケット代や防弾服などを調達した。現在はシリア国境付近で海兵隊と共にいるロッジョ氏は、「バランスのとれた報道としばしば見られるものであっても、結果として軍の成功や戦略に関する報道が少なくなり、ジハード団やゲリラの戦略的には小さな成功を過剰評価することにつながっている」と述べている。 ロッジョ氏は団体に所属する人間ではなく、そのままでは米軍に帯同することが不可能だったが、保守系の「アメリカンエンタープライズ研究所」がロッジョ氏を同団体の会員として認めることでこの問題はクリアされた。 さらに『ワシントン・ポスト』紙は、米軍がイラクのテレビ局に金を支払って、米軍寄りの報道をさせているとも伝えている。それによれば、米軍は複数のテレビ局に3万5,000ドルを支払って機器等を購入させ、新設備建設のために30万ドルを供給し、各週の放送のために600ドルを拠出しているという。 米当局によるメディアコントロール疑惑について報告する。<原文へ> |人権| ▼先住民の権利に関する宣言採択に希望 (12/22) 国連作業グループ(WorkingGroup on the Draft Declaration on the Rights of Indigenous Peoples)において協議が進められていた「先住民の権利に関する宣言」草案が2006年3〜4月に開かれる国連人権委員会で承認される望みが出てきた。 世界70余カ国におよそ3億人(国連推定)を数える先住民は、世界でもっとも経済的・社会的・文化的に取り残された人々である。 政府代表と先住民組織代表で構成される作業グループの10年に及ぶ作業は難航していたが、12月5〜16日の会合で宣言の前文と14の条項がまとまるなど具体的な進展を見た。だが、国連先住民問題常設フォーラム(Permanent Forumon IndigenousIssues)(8先住民団体と8加盟国代表で構成)のメンバーでフィリピンの先住民団体のVictoria Tauli Corpuzは、進展を評価しながらも、困難な交渉項目として、自決権、土地、領土、資源に関する条項の暫定的採択のプロセスが着手されていないと指摘する。作業グループの議長を務めるLuisEnrique Chavez(ペルー)は、デリケートな問題の交渉においても政府・先住民両者に善意が見られたとする一方で、メキシコのInternational Indian Treaty Councilを代表するSaul Vicente Vazquezは、「大半の政府は前向きな姿勢を見せているものの、残念ながら一部強国が先住民の権利確立に明らかに反対している」と政府との10年に及ぶ協議に失望を隠さない。 「すべての人民は、自決の権利を有する。この権利に基づき、すべての人民は、その政治的地位を自由に決定し並びにその経済的、社会的及び文化的発展を自由に追求する」ことが「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」と「市民的および政治的権利に関する国際規約」に定められているものの、オーストラリア、米国、英国、ニュージーランドは、自決権が分離や独立につながることを危惧して、領土の保全と主権が損なわれないことの保証を求めているのである。これに対し、先住民側は、先住民の自決権が認められるならば、それを制限するのは差別的であると主張している。 ようやく採択の見通しも出てきた先住民の権利に関する宣言案を巡る諸議論について報告する。<原文へ> IPS関連ヘッドライン(先住民): http://www.janjan.jp/world/0504/0503305185/1.php http://www.janjan.jp/world/0507/0507300187/1.php http://www.janjan.jp/world/0504/0504185963/1.php http://www.janjan.jp/world/0510/0510284457/1.php http://www.janjan.jp/world/0511/0511104960/1.php http://www.janjan.jp/world/0506/0506118215/1.php |政治| ▼イラク議会選挙:宗教・派閥色を深めるイラク議会 (12/21) 先週実施された選挙(1500万有権者の7割が投票)では、米国の期待(特定の会派が突出しない幅広い会派による連立政権が誕生することでお互いの大幅な譲歩を引き出し、イラクの地方分裂というシナリオを回避するもの:IPSJ)に反して、イラク有権者は概ね各々の民族・宗派のラインに沿った投票行動をとったことが明らかになってきた。 米国はイヤード・アラウィ(Ayad Allawi)前首相率いる世俗主義勢力の連合会派、イラク国民名簿(Iraqi National List:INL)が国内の世俗会派全体の勢力を拡大させてシーア派連合の統一イラク同盟(United Iraqi Alliance:UIA)に対して釣り合いの役割を果たすことを期待していたが、低い得票率(8%)に終わってしまった。また同じく世俗会派でネオコンお気に入りのアハマド・チャラビ副首相率いるイラク国民会議(Iraqi National Congress:INC)も得票率は0.5%を下回り、同氏の新政府におけるポストの獲得は絶望的となった。 一方シーア派宗教勢力UIAは、過半数の議席を獲得するかは微妙であるが、連立協議を優位に進める態勢だ。今回の選挙の特徴として、世俗主義勢力の敗北とは対照的にイスラム原理主義勢力(シーア派とスンニ派双方)の党派が勝利を収めたことが挙げられる。 スンニ派(フセイン政権までイラクの政治を主導していた:IPSJ)は、「『政治プロセス』に参加すれば10月に国民投票が行われた憲法草案に対して修正(北部クルド地域と南部シーア派主導の9州に対する中央政府の権限強化、特に石油収入の各州における均等配分の実現)を行うことができる」とする米国の説得を受入れ今回の選挙に参加したが、選挙結果は彼らの要求を通せるだけの議席確保は困難な見通しであり、既に選挙の無効や新議会への参加をボイコットするよう叫ぶ声が挙がるなど、専門家の中には、今後スンニ派による反政府活動が再燃する可能性を指摘するものもいる。 先週のイラク議会選挙後の連立政権を目指す各各派の動向について報告する。<原文へ> │チリ│ ▼チリ市民団体、憲法改正運動に着手 (12/20) チリ人権擁護団体は、独立200周年に当たる2010年を目途にピノチェット制定憲法を改正すべく、結束を呼びかけている。第1ステップとして開催された憲法セミナーには法学者も参加。現憲法の問題点などについて詳細な説明が行われた。 1980年に制定された憲法には、軍独裁を維持するための非合法的な条項が多数含まれていたが、1988年の国民信任投票によりピノチェットが失脚して以来17回の憲法修正が行われ、(1)特任上院議員(その内4人は軍人)および終身上院議員の任命、(2)大統領に対する軍司令官および軍事警察司令官の罷免権授与などが廃止され、大統領の任期も6年間から4年に短縮された。しかし、少数党に不利になるとして最も反対の多い「二名選択選挙」(選挙区ごとに上院2名、下院2名の制限を設ける)条項には、ラゴス政権も手をつけていない。 憲法セミナー参加団体は、比例選挙制、オンブズマン制度の導入、原住民保護、国際協定遵守、国民投票/国民信任投票による市民の政治参加等を盛り込みたいとしている。 これら団体は、12月11日の議会選挙で、1990年の民主化以来、憲法改正に大ナタを振るうべきと主張してきた与党中道左派連合が52%の得票率で勝利し、両院で初めて過半数を占めることになったことで、憲法改正に弾みがつくと期待している。同日行われた大統領選では、バチェレ候補(社会党)の過半数獲得はならず、1月15日に右派国民改進党のピニェラ候補との決戦投票が行われることとなった。チリの憲法改正市民運動について報告する。<原文へ> IPS関連ヘッドライン(ピノチェト): http://www.janjan.jp/world/0508/0508060469/1.php http://www.janjan.jp/world/0508/0508150984/1.php 翻訳=山口響、坪沼悦子・松本宏美・山口ひろみ(Diplomatt)/IPS Japan浅霧勝浩 ◇ ◇ ◇
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今日の1つ目はイラク報道を巡る米当局によるメディアコントロール疑惑に焦点をあてたIPS記事を紹介します。(IPS Japan浅霧勝浩)
IPSのイラク問題特集コーナーはこちらへ 3つ目もイラクから、イラク議会選挙結果の分析を報告したIPS記事。
2つ目はジュネーブIPSから、ようやく国連人権委員会において採択の見通しも出てきた先住民の権利に関する宣言案を巡る諸議論について報告したIPS記事。
IPSの先住民特集コーナーはこちらへ 資料:Envolverde
4つ目は南米のチリから、独立200周年に当たる2010年を目途にピノチェット制定憲法(1980年に制定。軍独裁を維持するための非合法的な条項が多数含まれていた)を改正すべく活動している人権擁護団体の動きを報じたIPS記事。(IPS Japan浅霧勝浩)
写真:Envoldverde |