|
エルサルバドルの内戦を題材とした映画『イノセント・ボイス〜12歳の戦場』が、日本でも今年公開された。 在米エルサルバドル人の脚本家が、少年時代の実話をもとに描いた物語だ。1980年に左翼ゲリラが集結して内戦が勃発。映画の主人公である11歳のチャバは、政府軍とゲリラが戦闘を繰り返す地域で生活を送っていたが、ゲリラのシンパと見なされた村が政府軍に焼き払われて、最終的には亡命するという内容だ。 中米エルサルバドルでは3月12日、国会および自治体の総選挙が行われた。開票と発表の遅れから、抗議行動も発生している。そんな中で首都サン・サルバドル市長選挙は集計が終わり、FMLN(ファラブンド・マルティ民族解放戦線)のビオレータ・メンヒバル候補が当選した。 ちなみにこのFMLNは、映画にも登場するかつての左翼ゲリラ軍で、1992年の内戦終結で和平合意した際に、合法化された政治会派である。 エルサルバドルは九州の半分ほどの地に676万人が暮らす、中米の細い地峡に位置する小国である。主に内戦時代に逃れて渡米移住した推定220万人の在米エルサルバドル人がおり、最大の貿易相手国でありかつ援助国である米国との関係は切り離せない。サカ・ゴンサレス大統領の親米政権は、中南米で唯一イラクに部隊を400人近く派遣している。 グローバル化の影響を受けて、経済成長する一方で貧富の格差が拡大。中南米で全般的にそうであるように、庶民の嫌米意識が高まっている。FMLNは貧困層の支持を集めており、サカ・ゴンサレス大統領は2009年5月まで任期があるものの、政権が大きく揺すぶられている。 ベネズエラのチャベス大統領が反米的な発言を繰り返し、またボリビアでは先住民出身のエボ・モラレス大統領が誕生するなど、南米では左翼政権が力をつけている。かつての左翼ゲリラだったFMLNも、いずれ政権を掌握するのかもしれない。 ◇ ◇ ◇
|