【タイズIPS=ナビル・スルタン、6月21日】
いつ息子が帰ってくるかと4年間も待ち続けて、ようやく手にしたのは息子の死体だけだった。
サラー・アリ・アフマド・アルサラミさん(28)は、2000年に故郷のイエメンを離れてパキスタンへ留学に出た。しかし、2003年に米当局に拘束され、キューバのグアンタナモ収容所へ連行された。
ところが、アルサラミさんがサウジアラビア出身の他の2名の囚人と共に6月10日に房内で首をつって自殺したとの連絡が米当局から家族の元に届いたのである。
しかし、アルサラミさんの両親は、息子は米軍によって殺されたと考えている。イエメンの数名の国会議員や弁護士がこの意見に同調し、遺族支援をすでに表明している。彼らは18日に記者会見を開き、この事件の真相を徹底的に究明し、いまだに拘束されている他のイエメン人を解放するよう訴えた。
弁護士のカリッド・アルアンジ氏は、自殺はイスラムの戒律では禁止されており、アルサラミさんらが自殺することはあり得ない、と語った。
また、国会議員のサカール・アルワジーフ氏は、3名が、同時刻に全く同じ方法(ベッドのシートによる首吊り)で自殺したという米当局の説明に疑問を呈した。
アラブの各国政府への非難も出ている。イエメン国会人権委員会所属のシャウキ・アルカディ委員は、3人の死についてアラブ諸国政府が沈黙していることに苛立ちを示した。
また、「人権自由擁護全国組織」(NODRF)のモハマド・ナジ・アラウ氏は、検死解剖記録なしにイエメン政府がアルサラミさんの死体を受け取ったのは誤りであった、と批判した。駐米イエメン大使館では、検死記録は6月末に入手できると説明している。アルサラミさんの死体に関しては、元保健大臣のナジーブ・ガニム氏が、静脈や脳、心臓、肝臓、腎臓などを切除した状態で米国が死体を引き渡したことについて、死因を隠蔽するための工作ではないかと指摘していた。
グアンタナモ収容所におけるあるイエメン人の死をめぐって盛り上がる抗議の動きについて報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=山口響/IPS Japan浅霧勝浩
(IPSJapan)
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タイズIPSのナビル・スルタンより、グアンタナモ収容所におけるあるイエメン人の死をめぐって盛り上がる抗議の動きについて報告したIPS記事。(IPS Japan浅霧勝浩)
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