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米国:陸軍を離脱した一兵卒

IPSJapan2006/09/09
米軍の元憲兵、チャズ・デイビスは、韓国駐留中にイラク侵攻が始まり、多数の同僚の死を聞き熟慮の末、自分は実戦で殺人はできないと結論した。イラクに派遣された米兵の兵役拒否について報告する。
米国 軍事 IPS
【サンフランシスコ、カリフォルニアIPS=アーロン・グランツ、8月31日】

 18カ月を超える無許可離隊(AWOL)を経て、テキサス州フォートフッド基地に1人の陸軍特技兵が出頭した。22歳のM.ウィルカーソンは、イラクで第720憲兵大隊に所属し1年間兵役に就いた後、「良心的兵役拒否者」を申請したが却下されてAWOLとなっていた。

 出頭前にウィルカーソンはIPSの取材に応じ「最初は使命感に燃えていたが、着任すると疑念が湧いてきた」と語った。フセイン政権の拠点だったティクリットとサマラで道路の警備に当たったが、「旗を振って歓迎してくれた子供たちが1年後には石を投げるようになり、道路には簡易爆発物が増えて自爆者も現れ、米軍の死者は2639人になった」

 ウィルカーソンは、弱気からではなく倫理的に間違っていると考えてイラクへの再派遣を拒否したという。彼のように良心的兵役拒否を申請する米兵は多く、カナダに亡命するものもいる。良心的兵役拒否を認められた元憲兵のチャズ・デイビスは、韓国駐留中にイラク侵攻が始まり、多数の同僚の死を聞き熟慮の末、自分は実戦で殺人はできないと結論した。

 専門家は多くの兵士の兵役拒否が米軍撤退の要因となったベトナム戦争を思い出させるという。反戦ジャーナリストのピーター・ローファーによると、ベトナム戦争中17万人の米兵が兵役拒否を申請し、5万〜6万人がカナダに亡命した。今のところその数は少ないがこの現象は重大な意味を持つとするローファーは、「Mission Rejected: U.S. Soldiers Who Say No to Iraq(兵役拒否:イラク侵攻に反対する米兵)」という本を著している。

 公然と兵役を拒否する兵士の姿が決断を迷っている他のものを勇気付けるとしながら、ローファーは「ベトナムと比べると人数は少なく、退役兵による反戦運動の高まりはなく、国全体の雰囲気が全く異なる」という。

 ウィルカーソンの出頭に付き添ったのは反戦イラク退役軍人会と、出征した息子を亡くしブッシュ大統領との対決が話題となったシンディ・シーハンが設立した戦死者平和遺族会の会員だった。シーハンは今年、息子の死亡保険金でブッシュ大統領の牧場近くに土地を購入して再び活動を始めた。シーハンは多くの兵士がウィルカーソンに倣うよう声明を出した。

 イラクに派遣された米兵の兵役拒否について報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=加藤律子(Diplomatt)/IPS Japan浅霧勝浩

IPS関連ヘッドラインサマリー:
信頼が失望に変わるまでを検証した本〜アメリカによるイラク占領の失敗
イラク問題で攻勢に出られない民主党
反戦イラク退役軍人会
戦死者平和遺族会
米国:陸軍を離脱した一兵卒
カリフォルニアIPSのアーロン・グランツより、イラクに派遣された米兵の兵役拒否について報告したIPS記事。(IPS Japan浅霧勝浩)

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