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【サンチャゴIPS=ダニエラ・エストラダ、9月2日】 ラテンアメリカにおける携帯電話の使用は急増しているが、同地域には環境および人の健康に害を与える毒性物質を含んだ中古電話の扱いに関する一貫した政策がとられていない。 コンサルティング会社ラテンパネルが8月21日に発表した調査結果によると、ラテンアメリカ人口の70%が携帯電話を使用しているという。同技術が最も普及している国は、コロンビア(90%)、ベネズエラ(89%)、チリ(87%)、ボリビア(82%)である。 同地域には、中国、パキスタンにあるような先進工業国からの電子廃棄物を投棄する大規模なごみ捨て場はないが、一部には携帯電話台数の爆発的増加を懸念する向きもある。 使用可能な電話を捨てて、新技術を搭載した新型機に買い換える人も多くなっている。古くなった電話は一般に、家族や友達に譲るか家の引き出しにしまいっ放しにされることが多いが、適性処分に関する規則や情報が無いため、ゴミ捨て場に投棄される電話も多い。 携帯電話の再使用・リサイクルの努力は殆ど存在せず、(ゴミ回収)業者がかってに回収して専門会社に引き渡すだけである。製品引取りのサービスを行っている携帯電話サービス企業は数社だけである。 同地域で消費者に安全な処分方法を伝える大々的なキャンペーンを行おうとしているのはコロンビアだけである。アルバロ・ウリベ政府と携帯電話会社が8月初め、初めて中古電話を回収し、地元で扱えない物についてはリサイクルと毒性廃棄物の処理技術が進んでいるヨーロッパへ移送するという契約を交わした。 メキシコでは、100人につき40人、計4000万人が携帯電話を使用している。国立エコロジー研究所(National Institute of Ecology)の研究コーディネーター、マリオ・ヤルト氏は、ティエラメリカの質問に対し、「電子廃棄物に関する初回調査の結果が2007年に出る予定で、これを基に処分方法を作成する予定」と語っている。 目下のところは、2003年に制定された技術廃棄物のための特別処理方法を盛り込んだ廃棄物管理一般法が存在するのみである。しかし、同法もいまだ実施されておらず、携帯電話は引き続き一般ゴミ捨て場に投棄されている。 ブラジルでは、住民2人につき1台、9300万台の携帯電話が使用されている。国家環境評議会(CONAMA)は製造業者に対し、健康許容レベルを超えるカドミウム、鉛、ニッケル、酸化水銀を含むバッテリーの回収と適性処分を義務化する決議を行った。 しかし、毒性廃棄物に関するキャンペーンを行っている環境監視団体グリーンピース・ブラジルのマルセロ・フルタド氏は、ティエラメリカとのインタビューで、「同規則への関心は薄く、生産されるバッテリーの数は回収されるバッテリーの数を遥かに超える」と語っている。 専門家は、「消費者は何を捨てて良いのか、何を生産者に返すべきかを良く知らず、電話機・バッテリーの捨て場を知らない」と言う。フルタド氏は、このため、電話のコンポーネントに良く分かるようにラベルを貼ると共により多くの返却場所を設置することが必要と語っている。 ブラジル政府は現在、議会審議に付すための固形廃棄物政策を作成中で、携帯電話を含む電子廃棄物はタイプ別の規則を定める予定である。 1100万台の携帯電話が出回っているチリ(人口1600万人)では、企業に電子廃棄物のリサイクルを義務付ける法律はない。しかし、政府の国家環境委員会スポークスマンは、ティエラメリカに対し、「この分野の規制は課題の1つになっている」と語っている。 危険廃棄物の管理に関する規則が昨年施行され一歩前進したが、問題全体の解決には至っていない。電子製品のリサイクルは概ね個人の発案に頼っているのが現状だ。 しかし、今年初め、チリの首都で最も裕福な地区ヴィタクラ区の当局が電子機器のリサイクルを開始した。 責任を持って電子機器の最終処理に当たっている企業は、チリではリサイクラ社のみである。同社は携帯電話のバッテリーの処理を地元の危険物処理専門企業ヒドロノール社に渡している。また、国内で再使用、リサイクルできないコンポーネントについては、ヨーロッパの専門企業に移送している。 リサイクラ社のマウリシオ・ヌニェス氏は、ティエラメリカに対し、「ヨーロッパや米国同様、製品販売会社に対し古くなった製品の引き取り・リサイクルを義務付ける規則の制定が必要」と語っている。 同氏は、「チリには幾つかの不法投棄場があり、企業は電子機器のリサイクルを行っていると主張するが、それは嘘だ」 「私はヒジュエラス(チリの第5地区)にある投棄場を知っているが、そこには1万台強の携帯電話バッテリーが捨てられており、誰も最終処理の責任をとろうとしない」と語っている。 (IPSのダニエラ・エストラダ記者は、ブラジルではマリオ・オサヴァ、メキシコではディエゴ・セヴァジョスと共に取材を行っている。同記事は8月26日、ティエラメリカ・ネットワークに参加するラテンアメリカ紙に掲載されたもの。ティエラメリカは、国連開発計画および国連環境計画の支援の下、IPSが設立した通信社である)(原文へ) 翻訳/サマリー=山口ひろみ(Diplomatt)/IPS Japan角田美波 関連サイト: 国家環境評議会(CONAMA) リサイクラ社 グリーンピース・ブラジル IPS関連ヘッドラインサマリー: カリブ海諸島:注目が高まる携帯電話市場 携帯電話は部分的な解決策 |