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ルワンダ:虐殺の生存者の物語

IPSJapan2007/04/22
ケニア出身のジャーナリスト、マリー・キマニが1994年のルワンダ虐殺を丹念に調査した作品を発表した。この本には、人間性そのものと、想像を絶する悲劇を耐え抜いた人々が描かれている。
ルワンダ 本 IPS
【ニューヨークIPS=エリザベス・アデクンル、4月12日】

 ケニア出身のジャーナリスト、マリー・キマニが1994年のルワンダ虐殺を丹念に調査した作品を発表した。この本には、人間性そのものと、想像を絶する悲劇を耐え抜いた人々が描かれている。

 詩と物語が混在する「彼は簡単には死ななかったHe Didn’t Die Easy」と題された作品の前半は、100日間のツチ族とフツ族の抗争に焦点を当てている。最終的にこの抗争で80万人が死んだ。15歳で39歳の隣人を殺害し、以来ずっと獄中にいる少年の言葉がタイトルに引用されている。

 キマニはIPSの取材に応じ、「ルワンダの物理的な基盤はほぼ復興したが、感情的には今なお荒廃している」と語った。1976年生まれのキマニは、ナイロビで貧困撲滅を目指すNGOアクションエイド・インターナショナルの地域コーディネータをしていた。1999年から2005年に、ジャーナリストとしてルワンダを取材した。

 キマニによると、10〜25万人のルワンダ人女性がレイプされた。レイプや殺人の加害者は逮捕されたが、法律専門家の90%が殺害されていて、法手続きは滞っている。囚人が多すぎて刑務所から釈放された殺人者の隣人と顔を合わせるケースもあるという。キマニは「殺さなければ逆に殺される」という政治家の扇動が残虐行為の原因だと考える。

 「果てしない不安Ramblings of a Troubled Mind」という題の後半は、個人的な思い出が描かれる。キマニは両親ともに教師で、リベラルな環境で育った。誰もが嫌な過去を思い出したくない中で、キマニは真実を語り、人々につきつけた。キマニは欧州の介入を待つアフリカの姿勢を非難し、自分たちの手で取り組む問題だと主張する。

 キマニの本は犠牲者への同情を求めるものでも、アフリカの子供の過酷な生活の記録でもない。人間性の再発見の試みである。キマニは本の最後に「恐ろしい経験に怯える自分と、その経験に意味を見つけようとする自分がいた」と書いている。ルワンダ虐殺を描いた「He Didn’t Die Easy, The Search for Hope Amid Poverty」という本について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=加藤律子(Diplomatt)/IPS Japan浅霧勝浩

IPS関連ヘッドラインサマリー:
虐殺の生存者に届かぬ政府補償
許されざるものを許す
社会奉仕が人々の怒りを買う
ルワンダ:虐殺の生存者の物語<BR>
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ニューヨークIPSのエリザベス・アデクンルより、ルワンダ虐殺を描いた「He Didn’t Die Easy, The Search for Hope Amid Poverty」という本について報告したIPS記事。(IPS Japan浅霧勝浩)

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[27091] 映画『ホテル・ルワンダ』の衝撃と教訓を振り返って
名前:本間康二
日時:2007/04/22 15:23
 本記事を読んで、あらためて思い起こしました。
 映画『ホテル・ルワンダ』は虐殺の悲惨な情況下、果敢に生き抜く人間の知恵と勇気と隣人愛を描き、これが多くの人々の感動を呼んでますが、それと共にわたしは、おなじ国の民同士が一方を異端とみなして殺し合うことの痛ましさ酷さ、そのことに“貴重な教訓”を見るべきだと強く感じました。
 いま、イラクではアメリカの侵略戦争の果ての泥沼から、おなじ民族同士血で血を洗う内戦の様相を呈していますが、見失ってはならないのは、こうなるまでの下工作を火付け役のアメリカが演じたことです。みずからの戦争犯罪を糊塗するため、自作自演テロを含め数々の下手な小細工を弄してきた事実です。
 このような手口は“低水準紛争”と呼び、支配した当時国が被支配国に用いる常道です。直接的軍事介入のほか、輸出産品に対する国際価格の操作などによる経済攪乱、メディアを駆使したプロパガンダと、イラクのような民族対立の画策、助長……。
 アメリカがいつの時代にも見本を示してくれて、200万人を殺したベトナム戦争、右派に絶大なテコ入れをして平和な社会主義政権を血のクーデターで転覆したチリなど思い浮かびますが、そんな古い例でなくとも、中東パレスチナのハマス政権に対する世界のあまりにも冷淡な姿勢は、チリ・アジェンデ政権が倒される前夜までの情況を彷彿させました。
 ルワンダの悲劇は他山の石――。
 左右の対立、右派の勃興。日本も前述同様、破滅の局に驀進しているの感を強くするこの頃、記事中「キマニは欧州の介入を待つアフリカの姿勢を非難し、自分たちの手で取り組む問題だと主張する」という一文に強い感銘を受けます。
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