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ロシアの影響力強まる「衛星国家」モルドバ

IPSJapan2007/09/13
モルドバのヴラジーミル・ヴォローニン大統領が、ロシアおよびルーマニアから距離をとろうと努力している。しかし、実際には、ロシアの影響力が強まりつつある。西のルーマニア、東のウクライナに挟まれたモルドバは人口430万人。民族的にはそのうち3分の2がルーマニア系で、ロシア系とウクライナ系がそれぞれ13%を占める。
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【ブカレストIPS=クラウディア・シオバヌ、9月5日】

 モルドバのヴラジーミル・ヴォローニン大統領が、ロシアおよびルーマニアから距離をとろうと努力している。しかし、実際には、ロシアの影響力が強まりつつある。

 西のルーマニア、東のウクライナに挟まれたモルドバは人口430万人。民族的にはそのうち3分の2がルーマニア系で、ロシア系とウクライナ系がそれぞれ13%を占める。公式言語はモルドバ語だが、実際にはルーマニア語とほとんど変わらない。国内異民族間の共通言語はロシア語となっている。

 2001年の総選挙で共産党が勝利し、党首のヴォローニン氏が大統領に選出された。2005年には、共産党、ヴォローニン大統領がともに再選している。

 政権はロシアに従属しているとの野党の非難の中、大統領はロシアから距離をとろうと努めてきた。そのひとつの表れが沿ドニエストル地域問題である。沿ドニエストル地域とは、ドニエストル川と東部のウクライナ国境との間に挟まれた非常に狭い地域を指す。ウクライナ系、ロシア系が多く住む同地域は、1990年以来独立を主張しており、治安維持のためにロシア軍が展開している。しかし、2003年には、同地域に自治権を与えてモルドバと連邦関係に入るとのロシア側の提案をヴォローニン大統領が拒否した。

 2006年3月には、ロシアがモルドバ産ワインの禁輸に踏み切った。表面上はワインの安全性の問題を理由としてあげているが、実質上の対モルドバ経済制裁である。モルドバ産ワインはその80%がロシアに輸出されていた。

 他方で、EUに近づこうとの試みは成功していない。隣国のルーマニアが今年1月1日付でEU加盟したのに対し、モルドバの加盟議論はまったく進んでいない。

 それどころか、ルーマニア・モルドバ国境がEUの外縁を構成するようになったため、モルドバ人がルーマニアに入国するためにビザが必要とされるようになってしまった。しかし、このビザ発給事務が円滑に進んでおらず、発給のためにワイロを渡さなくてはならない、とモルドバ国民は不満を募らせている。

 8月17日には、モルドバのズビッチ内務副大臣が、ルーマニア領事館の職員がビザ発給を利用した犯罪に手を染めていると非難した。

 「ヘルシンキ人権委員会」のステファン・ウラトゥ氏は、この事件に関して、ルーマニアから離れロシアに擦り寄る現ヴォローニン政権の姿勢の表れだとの見方を示す。

 すでに大統領は、沿ドニエストル問題の解決に向けて、ロシアとの再交渉に入っている。(原文へ

翻訳/サマリー=山口響/IPS Japan浅霧勝浩

IPS関連ヘッドラインサマリー:
モルドバ:混迷する沿ドニエストル問題
沿ドニエストル共和国:スミルノフ氏の大統領当選で欧州からの反発強まる
ルーマニア:欧州の公害の首都、コプサミカ
ロシアの影響力強まる「衛星国家」モルドバ
ブカレストIPSのクラウディア・シオバヌより、ロシアの影響力強まるモルドバ共和国について報告したIPS記事。(IPS Japan浅霧勝浩)
ロシアの影響力強まる「衛星国家」モルドバ
IPS欧州のページはこちらへ。IPS Japanニュースの「死刑制度関連特集記事」は欧州連合とディプロマット社の支援で日本語版の配信を行っています。(ジャウラIPS欧州局長と浅霧IPSJ理事長) 資料:Envolverde

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