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禁止条約から10年 傷つけ続ける対人地雷

田中龍作2007/12/04
対人地雷の使用や生産、貯蔵を禁止する「対人地雷禁止条約」が締結されて今年は10年目。155カ国が加盟しているが、世界最大の地雷生産・輸出国の中国と、アメリカも条約に未加盟だ。戦争や紛争が終わっても地雷は残り、犠牲者の中心は農民や子供などだ。
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 対人地雷の使用や生産・輸出はおろか貯蔵も禁止する「対人地雷禁止条約」が締結されてちょうど10年が経つ。1997年12月3日、カナダのオタワで署名されたことから「オタワ条約」とも呼ばれ、現在155カ国が加盟している。日本は98年に加盟した。時の小渕首相は「軍縮で世界をリードする」といった趣旨のことを言って胸を張っていたが、何のことはない。45番目の加盟国だ。

禁止条約から10年 傷つけ続ける対人地雷 | <center>地雷除去作業(スリランカで、いずれも筆者撮影)</center>
地雷除去作業(スリランカで、いずれも筆者撮影)
 対人地雷を踏むと足を失うが、命は助かるケースが多い。生きている同僚を捨てて行けないので、部隊の進軍は遅れる。殺すよりも効果的だ。しかも生産コストは安価(国によってマチマチだが、1個=約1ドル)ときている。当然安い値段で仕入れることができるので、ゲリラ勢力などは大量に購入する。

 ところが、この兵器は戦争が終った後も紛争当事者の意図を離れて人を殺傷し続ける。「悪魔の兵器」と呼ばれるゆえんだ。犠牲者の中心は農民や子供などである。義足をつけている人が目につくのは、熾烈な内戦を経験した国だ。ゲリラなど反政府勢力がこの地雷を多用するからだ。

 先進国の政府軍は地雷を埋設した場合、地図を残す。最少にして最大の効果をあげるように合理的に埋める。ところが、ゲリラ勢力の場合、地図など作っている時間がない。合理的に埋める軍事技術もない。「手当たり次第に埋めた」。アフガニスタン北部同盟マスード派のある司令官が語ってくれたことがある。味方が埋めた地雷を味方の兵士が踏むこともあった、という。

禁止条約から10年 傷つけ続ける対人地雷 | <center>地雷原(スリランカの激戦地で)</center>
地雷原(スリランカの激戦地で)
 作るのが1ドルに対し、除去するのに1個あたり100ドルもかかる。こんな愚かしい兵器も珍しい。155カ国も加盟するのは至極当然だ。紛争地域に行くと「地雷除去作業」の光景を必ず見かける。

 1-2m単位で細かくメッシュを切り、金属探知機で地雷を探り当てていく。地雷除去の政府スタッフやNGOスタッフが踏むこともある。恐ろしいほど緊張する作業だ。「緊張のあまり最初の頃は黄色い汗が出た」。スリランカで地雷除去の活動に携わっていたある日本人NGOスタッフは、現場を取材した筆者にしみじみと語った。

 英国BBC放送によると、昨年は全世界で45km2に及ぶ土地で地雷が除去された。地道で血のにじむような除去作業が続くのを尻目に、地雷は次々と生産され紛争地帯に持ち込まれる。世界最大の「地雷生産・輸出国」である中国は対人地雷禁止条約に加盟していないのだ。

 スリランカでは政府軍と反政府武装勢力「タミル・タイガー」との間で戦闘が続く。地雷除去のNGOスタッフは「出土してくるのが中国製なら政府軍が、パキスタン製であれば『タミル・タイガー』が埋めたものだ」と話した。

 アフガンのマスード派はソ連とのつながりが深かった。それでも地雷は中国製だ。「安いから購入した」。司令官は自嘲的な笑みを浮かべた。

禁止条約から10年 傷つけ続ける対人地雷 | <center>出土した対人地雷</center>
出土した対人地雷
 「対人地雷禁止条約」にはアメリカも加盟していない。軍事的な効果を重要視しているのだ。その米軍がイラクで武装勢力が仕掛ける地雷の一種「路肩爆弾」に苦しんでいるのは、皮肉というしかない。米軍の死傷者の大半はこの「路肩爆弾」によるものだ。あまりの皮肉さに言葉を失う。

 子供の場合、成長に応じて義足を作り変えていかねばならない。「(サイズが)合わなくなると、とても痛い」。砲撃を浴びる村から逃げる際に地雷を踏んだという、アフガニスタンの少女の言葉が忘れられない。

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[31540] 地雷の始末の悪さ
名前:田中秀郎
日時:2007/12/08 21:52
これについては、私もいろいろ調べましたが皮肉な歴史があります。
1)米軍がクレイモア地雷など開発した経緯は、先の朝鮮戦争での
中国軍の人海戦術だそうです。
撃っても撃ってもきりなく攻撃してくる中国軍を撃退する
方策として指向性散弾地雷の開発となったそうで。
今は、その中国自体もコピーして売りさばくとのこと。
ある意味ベストセラー商品と言えるかも。
2)地雷は攻勢的に使用するのがもっとも適した兵器のようです。
米軍のマニュアルでも、地雷を敷設したら、そのエリアの
地雷除去を妨害するように射線を構成するように注意喚起して
います。防御的に使うのもなかなか難しいようです。
その点、火砲や爆弾の形で敵地に散布する方策は、地雷の
使用法としては、もっとも適した方策といえましょう。
(戦後処理やら民間人の問題は別として)
3)今も各種の地雷処理技術が開発されていますが、結局は
完璧な方法は、なさそうです。
ダミーを埋めたり、オフルート地雷を設置するなどすれば
かなりの確率で除去を妨害できるようです。

この点、わが国が対人地雷を放棄したのはいいことと
思います。先の戦争と違い、外地に攻めていくならともかく
本土に地雷をあちこち設置されたら大変ですからね。


なお、クラスター爆弾のボムレットの問題は、
今後、技術の進歩で解消できると思います。
それぞれのボムレットの目標識別能力が向上して、
散布された際に、特定の目標に指向するようになれば
不発の割合も減少するのではないでしょうかね。
ただわが国の場合、敵の対空陣地を制圧するとかいうのは
比較的少ない想定(少なくとも敵が十分な侵攻能力
をもって、それなりの重装備をわが国領域に持ち込まないと
いけませんな)であるから、現行のいい加減なクラスター爆弾
の価値は?とも思います。
それより、わが国の技術を生かしたより高度な兵器の開発
と配備に重点を置くべきかと思います。
[31482] クラスター爆弾
名前:及川洋子
日時:2007/12/05 13:09
地雷も大きな問題ですが、クラスター爆弾も大きな問題になっています。不発弾の確率が非常に高いので本来は、購入するような質ではないのにかかわらず。私たちは戦争反対の運動をするとともに兵器を作ったり買ったりするのを批判しなければなりません。
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