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「市民や僧侶の逮捕・投獄などの暴挙は続いている」ビルマ仏教長老が協力と支援呼びかけのため来日

山本ケイ2007/12/12
9月にビルマ(ミャンマー)国内で軍事政権に対する大規模な抗議デモが起きて3カ月になるが、「現状はなんら変わらず、民衆の苦しみは続いている」。来日したビルマ仏教の長老が各地で開かれているシンポジウムに参加して世界の支援を訴えている。
ミャンマー 人権 NA_テーマ2
 軍事政権による市民や僧侶に対する弾圧について、現状はなんら変わっていず、民衆は苦しみ続けている――。9月にビルマ(ミャンマー)国内で大規模な抗議デモが起こってから、もうすぐ3カ月。ビルマ仏教長老がこのほど来日、各地で開かれているシンポジウムに参加して、依然として困難な状況が続く現状を訴えている。

「市民や僧侶の逮捕・投獄などの暴挙は続いている」ビルマ仏教長老が協力と支援呼びかけのため来日 | <center>ビルマの現状を訴え、支援を呼びかけたパンニャバンサ師(左)とスジャナ師(大阪市北区で)</center>
ビルマの現状を訴え、支援を呼びかけたパンニャバンサ師(左)とスジャナ師(大阪市北区で)
 来日しているのはシンガポール在住で世界各国にビルマ仏教を伝えているパンニャバンサ長老(80)と米カリフォルニア在住の僧侶スジャナ師(57)、それにビルマでの民主化運動の経験があるチョウティン師(カリフォルニア在住、52)がエスコート役として同行している。9日は京都で日本の僧侶らと交流、10日は大阪市内で市民や支援団体関係者らが参加したシンポジウムに出て発言した。

 現在のビルマ国内の状況について、パンニャバンサ師は「デモの様子が世界で報道されてから、国連も乗り出すなど一見、情勢が安定しているように思われるかも知れませんが、市民や僧侶の逮捕や投獄などの暴挙は続いています。このため海外に住むビルマの人たちから、私たちのように海外にいるビルマ仏教僧に対して『この状況をなんとかしてほしい』という声があがっていました。私たちは本来は政治活動をするものではありませんが、世界のいろんな宗教を信仰している人や、市民のみなさんに協力をお願いしたいと考え、この場にいます」と国内情勢を説明して支援を訴えた。

 パンニャバンサ師と海外在住のビルマ仏教僧らが中心となって10月27日に「ササナモリ(仏教最高長老評議会)国際ビルマ仏教僧協会」を設立、世界の市民や宗教家に向けて支援を呼びかけている。12月7日には軍事政権の弾圧を非難し、「愛と慈しみを抱いて」包括的な対話に応じるようビルマ政府に求める声明を発表した。

「市民や僧侶の逮捕・投獄などの暴挙は続いている」ビルマ仏教長老が協力と支援呼びかけのため来日 | <center>会場には9月のデモ行進などの様子を伝えるパネル写真も陳列された。</center>
会場には9月のデモ行進などの様子を伝えるパネル写真も陳列された。
 ビルマ国内における状況は日本での報道も沈静化し、散発的に続報が流れる程度になってきた。ビルマのメディアは報道が軍事政権下で規制され、真実は伝わっていないという。この点については「確かにビルマのメディアは真実を報道できていません。ただかつてと違うのは、インターネットや、Eメールで人々が本当の情報に触れる機会が増えています」という。海外メディアに何を報道してほしいかについては「ビルマでは、ほめるのも7日間、非難するのも7日間と言われ、その後は無関心になりがちです。報道でもすでに忘れかけられているかもしれないので、引き続き事実を報道していただきたい」と希望した。

 9月にビルマの僧侶が街頭に出てデモ行進したことについては「仏教僧は政治的行動は起こさないが、45年間にわたって人々が苦しめられている現状を見てきました。僧侶は信者からお布施を集め、僧侶は精神的な面で応えていくのですが、食べ物にも事欠き苦しい生活を強いられている様子を見て、政治的な意図はなく、ブッダの教えに沿って行動し対話をお願いしたのです」とし、政治的な行動というよりも仏教の教えに基づいたデモ行進だったことを説明した。

 ビルマでは僧侶や市民が依然として逮捕・投獄されるなど弾圧を受けており、その中には有名な俳優やコメディアンも含まれているという。ジョークで軍事政権に対して抗議の意思を表明するコメディアンは国民の人気も高いとした。「たとえばインドに歯の治療に行ったところ、インドの歯科医師から『ビルマにも歯医者があるだろうに、なぜインドに治療を受けに来たのか』と問われ、『ビルマでは口を開けない。だから歯を見せることができないんだ』というジョークがありました。国民の恐怖心を表したものでした」と紹介。反政府活動をするおそれがあるとして、首都圏の大学生が地方の大学に分散させられていることも話し、幅広い層にわたって弾圧が続いていることが伝わってきた。

 ビルマの僧侶に連帯する仏教徒の会」や「日本ビルマ救援センター」など日本の支援
団体は、今回の弾圧で被害を受けたビルマの僧侶や市民への支援を呼びかけている。

参考:
ビルマ仏教長老の日本訪問に際してのプレスリリース

「ビルマ緊急基金」中間報告(2007年11月20日)
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