【ニューデリーIPS=プラプル・ビドワイ、2月6日】
インド宇宙研究機構(ISRO)が、1月21日、南部のアンドラ・プラデシュ州からイスラエルのスパイ衛星「テクサール」を打ち上げた。衛星は合成開口レーダーを搭載している。
2月5日には、駐印イラン大使のナビザデ氏が、インドがイスラエルの衛星打ち上げを支援したことに遺憾の意を表明した。インドは技術的・商業的観点から打ち上げを正当化している。しかし、ナビザデ氏は、「この問題は、政治的観点から見ることもできる。インドと我々の関係は強く良好だ。しかし、この関係を破壊しようとする者が多くいる」と語った。
デリー大学のアチン・バナイク教授は、インド政府は、イランの核開発は正当なものであるという公式見解と、イスラエルとの間で緊密な関係を構築したいという本音との間で股裂きになっている、と解説する。
インドとイスラエルは1992年に国交回復したばかりであるが、その後は強い関係を築きつつある。イスラエルによるガザ包囲に対しても、インド政府は非難の声を上げていない。
目を見張るのは、この数年間におけるイスラエルからインドへの武器供給だ。2000年から2006年までの合計で両国は70億ドルもの武器移転契約を交わした。その中には、10億ドルの「ファルコン」【早期警戒管制機(AWACS)搭載用のレーダー:IPSJ注】や無人偵察機などが含まれている。
インド政府はさらに、海軍用の次世代型ミサイル「バラク」(Barak)のためにイスラエルと4.8億ドルの契約を2006年に結び、昨年には、レーダー「グリーンパイン」(Green Pine)を基礎にした対空・ミサイル迎撃システム開発のために、25億ドルという大型契約にサインしている。これはイスラエルの歴史の中で最大規模の受注額だ。
インド・イスラエル両国は、諜報活動も共同で行っているものとみられる。イスラエルの秘密機関モサドは、インドの対外諜報員の訓練を行っているとされる。
こうした両国関係緊密化の中で最も大きな犠牲になるものは、イラン・パキスタン・インドを通過するパイプライン計画であろう。インドは、昨年7月以来、パイプライン計画に関する3ヶ国間協議に出席することを拒んでいる。
ジャミア・ミリア・イスラミア大学のカマール・アグハ氏はいう。「インドの米国・イスラエルとの連携は、以前考えられていたよりもずっと高い政治的・経済的コストを私たちにもたらすことになるだろう」。
緊密化するインド・イスラエル関係について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=山口響(IPS Japan )
IPS関連ヘッドラインサマリー:
パキスタンの自治権闘争で危機に陥るパイプライン計画
イスラエル非難の矛先鈍らせる米印核協力
米国の対イラン・インド核政策の間で悩む中国
(IPSJapan)
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ニューデリーIPSのプラプル・ビドワイより、緊密化するインド・イスラエル関係について報告したIPS記事。( IPS Japan 山口響)
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