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【ニューヨークIPS=マリー・エレーヌ・ルソー、3月20日】 今米国で宗教的題材をベースとする漫画が注目を浴びている。その1つが、コロンビア大学経営大学院卒で精神科医学博士のクウェート人ナイフ・アル・ムタワ(36)作の“The 99”だ。同漫画の主人公は、“悪を滅ぼす”との信念で結ばれたヒーロー集団で、メンバーは、コーランが神の力とする特殊能力をそれぞれ1つずつ与えられている。例えば、ジャバールは力、ヌーラ(光)は人の闇と光を見抜く能力を持つ。小さい頃から熱烈な漫画ファンであったアル・ムタワは、卒業後拷問被害者の通訳を務めていたが、その時にイスラムの“正義のヒーロー”を登場させる必要を感じたという。同作品にはアラビア語バージョンもあり、アル・ムタワ自身の会社を通じて米国、中東で販売されている。 現在、米国ではイスラムをテーマとした10以上の漫画/劇画が販売されている。(米国には約600万人のイスラム教徒が暮らしている)しかし、そのテーマは様々だ。ブロンクス生まれのアルバニア系イスラム教徒ボッシュ・フォースティン(37)は2004年、9月11日のテロ攻撃にヒントを得て“The Infidel”(無信仰者)を発表した。同作品は、1人は原理主義者、もう1人は過激派と闘うイスラム系兄弟2人の物語だ。同作品には、極悪人のイスラム人が登場する。 他の宗教も漫画の大きなテーマとなってきた。釈迦の人生を描いた手塚治の“ブッダ”は、2003年にハードカバーで復活した。2006年にバージン・コミックから出版された“デヴィ”は、ヒンズー教の戦闘の女神の話の現代版であった。また、2003年発表の“ブランケッツ”は福音派キリスト教に対する失望を描いている他、2002年の“新Xマン”シリーズにはブルカをかぶったアフガニスタンのスーパー・ヒーロー“ダスト”が登場している。 「聖なるスーパー・ヒーロー:漫画における信仰と精神性」の著者グレッグ・ガーネットは、「宗教は、漫画の新たな題材となった。これまでの漫画キャラクターは全て似たようなもので、宗教の違いなどは問題にされてこなかった。1980年代にXマンのキティー・プライドがダビデの星をつけて登場した時は、読者に衝撃を与えたものだ。イスラム系キャラクターは存在せず、イスラムはお決まりの悪であった」と語る。また、漫画サイトの調査を行っているプレストン・ハンターは、「宗教は現在の出来事の重要要素であり、漫画に影響を与えるのは当然」と語っている。最近の米国漫画事情について報告する。(原文へ) 翻訳/サマリー=山口ひろみ(Diplomatt)/ IPS Japan 山口響 IPS関連ヘッドラインサマリー: 古くからの分裂を浮かび上がらせた風刺漫画問題 IPSコラム:宗教的寛容なきところに平和はない |