トップ > 世界 > アフリカ:食糧価格高は今後5年間続く
世界

アフリカ:食糧価格高は今後5年間続く

IPSJapan2008/06/21
世界銀行は、6月上旬に南アフリカで開催された開発経済に関する年次会合(ABCDE)において、食糧価格高騰により途上国を中心とした世界数億の人々が更なる貧困状態に陥ると予測した。世界銀行開発経済年次会議における諸発言を紹介する。
アフリカ NA IPS
【ケープタウンIPS=ミリアム・マナク、6月12日】

 世界銀行は、6月9日〜11日の日程で南アフリカの首都ケープタウンで開催された開発経済に関する年次会合(ABCDE)において、食糧価格高騰により途上国を中心とした世界数億の人々が更なる貧困状態に陥ると予測した。

 同会議で発表された世界銀行のグローバル開発金融報告によると、今年のグローバル経済成長は、2007年の3.7%から2.7%に減少するという。しかし、一部途上国では成長が見込まれ、例えばアフリカ南部の今年の成長率は6.5%に達する模様だ。これは過去38年間なかったことだ。

 世界銀行のダニー・ライプツィガー副総裁は、「食糧価格安定には4−5年かかるだろう。しかし安定といっても、価格が数年前のレベルまで下がるということではない」と語った。

 南アフリカのダーバン市にあるクワズル・ナタル大学・アフリカ食糧安全保障研究所のシェリル・ヘンドリクス所長は、食糧価格高騰の要因として、燃料価格高騰、作物の供給不足、バイオ燃料生産などを上げ、それぞれの要因が連携していることから、食糧問題解決は容易ではないと語った。

 世界銀行のジュスティン・リン主席エコノミストは、「農業生産が低下している一方でバイオ燃料の重要性および生産は増加しており、これが食糧価格に影響している。EUおよび米国が食糧生産ではなくバイオ燃料原料の生産を奨励するため農家に出している補助金は、状況を悪化させるだけ」と指摘した。世界銀行の成長委員会議長を務めるノーベル賞受賞者のマイケル・スペンス氏も、これら補助金を食糧生産の減少/価格高騰の原因に上げ、食費が収入の大部分を占める発展途上国、特にアフリカの人々が最大の犠牲者になっていると語った。

 しかし、リン氏は、天然資源が豊富なアフリカには大きな可能性が秘められていると指摘。ブラジルや中国とは異なるアフリカ独自の新技術導入が必要だとしている。南アフリカ財務省のレセジャ・ガニャゴ部長は、技術導入の重要性を認めながらも、「食糧生産を農家にとって魅力的なものとする必要がある。保護主義的な関税障壁は導入すべきでない」と主張した。世界銀行開発経済年次会議における諸発言を紹介する。(原文へ

翻訳/サマリー=山口ひろみ(Diplomatt)/ IPS Japan 武原真一

IPS関連ヘッドラインサマリー:
「食糧危機は安保理の問題として取り組むべき」と前国連事務次長語る
新たな水への取り組みが求められる食糧安全保障

【IPS JAPAN/JANJANニュース】
アフリカ:食糧価格高は今後5年間続く
ケープタウンIPSのミリアム・マナクより、世界銀行開発経済年次会議における諸発言を紹介したIPS記事。(IPS Japan武原真一)

ご意見板

この記事についてのご意見をお送りください。
(書込みには会員IDとパスワードが必要です。)

メッセージはありません

下のリストは、この記事をもとにJanJanのすべての記事の中から「連想検索」した結果10本を表示しています。
もっと見たい場合や、他のサイトでの検索結果もごらんになるには右のボタンをクリックしてください。