オバマ、クリントン(ヒラリー)という名を多くの日本人は知っている。米大統領戦における民主党候補の壮絶な戦いぶりが報道・解説がされているからだ。ところが共和党候補のマケインとなるとぐっと知名度が下がるし、まして共和党副大統領候補と目されるハッカビーとなるとほとんど知られていない。
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副大統領候補−見落とせない米大統領選の視点
さて、マイクロソフトの創設者ビル・ゲイツ(William Henry Gates III、1955年〜)を知らない日本人は余りいない。世界2の富豪である。では、世界1の富豪をどれだけの日本人が知っているだろうか?(順位は年によって違うが―)米株式投資家、ウォーレン・バフェット(Warren Edward Buffett、1930年〜)である。
その世界1と世界第2位の超富豪2人は、年代も、成功の道も違うが「友人」である。その2人の「友人」がバフェットの母校ネブラスカ大学で2006年に行った「対話」(ビジネス専攻の学生からの質問に答える形)を行い、その模様は2008年2月、NHKのBS1で放映された。
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ゲイツとバフェット 後輩と語る
最初、ハーバード大のパーカーを着用のビル・ゲイツ
(左=PBSビデオ)
その原文(英語)+意訳をふくめた邦訳対話本が今週出版された。
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バフェット&ゲイツ後輩と語る 学生からの21の質問 (英日バイリンガル版)
その序文執筆を依頼された筆者は実に楽しく、かつ辛い経験をした。その記録を読み、DVDを見て、この2人の対話の実に楽しく、意義ある対話を知り、感心・感動すると同時に、それをいかに短い文章で表現するかという苦労であった。
先人の言葉を借りれば:
・時間が足りなくて(文を)短く出来なかった。(パスカル)
・2時間のスピーチならすぐ出来るが、5分間のスピーチをするには2週間準備が必要。(トウエン)
学生からの21の質問は事前に当人らには知らされていないのだが、その瞬間的反応・回答は実にアメリカ人らしいウイットとユーモアに富んだもの。
たとえば:
「(困った時に)誰にアドバイスを求めるか?」(9)と問われたら、バフェットは瞬時に「まず鏡(で自分)を見る」(聴衆、爆笑)という。それはことに投資といった即決を求められるビジネスにおいては「多数合議」ではなく、自分が全責任を負わねばならないという決意の現われをユーモアで表現している。
また、「過去の投資失敗は?」(13)と聞かれたら、直ちに「どれ位時間があるのだ?」(会場、爆笑)と切り返すが、ということは語りきれないほど沢山あるという意味に他ならない。
パーカーを脱いだビルと若々しいウォーレン
視覚的に言えば、その表紙(ジャケット)にあるごとく、この2人のノーネクタイ姿は親しい関係において、気負わない文字通り「胸襟を開いて」の対話を表わしている。2人の笑顔は象徴的に当日の現場感覚を表している。
最初ハーバード大のパーカーを身に着けていたゲイツは、学歴の話の終わりにそれを脱いだ(ゲイツは同大中退で、バフェットは入学できなかった)。
間髪をいれず、バフェットが「ようし、ビル。やっと高校生に戻ったな」と茶化す。ファースト・ネームで呼び合う2人は、まるで仲のよい親子のようでもある。
バフェットに触発されたように、ゲイツはまるで純情な青年のごとく思いを手振りを入れて熱っぽく語る。それは自社開発のゲーム機に対する思いであるし、創業期からの仕事振りとそれに対する愛情や家族への思い。
番組のほぼ最後、合わせると世界の下位60カ国の国家予算に匹敵するとも言われる個人資産を持つ2人への「富の配分」(19)についての質疑は固唾を呑む思い。
そこでの「慈善事業への寄付」はまさにこの資本主義社会における「リーダー論」について2人の見上げるべき見解が披露されている。その使命感と実行力には驚かされる。バフェットは99%を慈善事業に寄付するとし、その85%はゲイツとその夫人が設立した「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」(当初資産280億ドル)に寄付をする。そのゲイツ財団の資産は50年後にはゼロにするという計画の由。
村上、ホリエモンならずとも、この拝金、金権一辺倒の資本主義の世の中にあって、稀有の事例である。われわれ自身、その個人資産の(半分とは言わぬ)10%でも5%でも寄付をすることが出来ようか?
「『成功』とは、自分を愛してくれる人が周りにいる人生だ」というバフェットの最後の言葉が印象に残る。折しも6月27日、ゲイツがマイクロソフトの常勤を退任し、7月以後は慈善事業に専念する、との報道がなされた。
添付のDVD(英語キャプション付)を繰り返し、繰り返し観ることにより、2人の考えから、生き方、経営哲学などをヴィヴィッドに知りことができ、かつ思わず知らず英語の勉強にもなる。
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