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核廃絶を目指す2020ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)(全訳記事)

IPSJapan2008/07/16
激しい戦火を経験した都市の市長たちは、2007年4月にジュネーブで開催された核非拡散条約(NPT)予備会議の会期中に、広島長崎議定書を採択した。議定書は各国の核非拡散条約担当代表に対し。今後の10年で「核廃絶のための確固とした取り組み」を要求している。(全訳記事)
NA 安全保障 IPS
【国連IPS=タリフ・ディーン、6月26日】

 G8として知られる先進8カ国、米国、英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシアの首脳が来月北海道で年次サミットを開催するに当たり、彼らは広島平和記念館への招待を辞退する模様だ。

 日本の観光地の1つである同記念館は、核戦争の恐怖を物語る遺物、1945年8月6日の米国による原爆投下で廃墟と化した広島市の写真を展示している。

 広島爆撃の3日後に長崎市にも原爆が投下され、その後1年間で、原爆による死亡者は14万人に達した。

 63年前に被爆した71歳の岡田恵美子さんは、北海道洞爺湖町で7月7−9日開催されるサミット期間中に広島を訪問して下さいとG8首脳全員に招待状を送った。

 彼女は広島の被爆生存者を代表して、「原爆で愛する親族を失っただけでなく、過去62年間に亘り様々な身体的苦痛に苦しんできた我々被爆者は、皆様方に核兵器の脅威を伝えることのできる生き証人です」と書いている。

 しかし、8カ国首脳のいずれも、米国、フランス、英国、ロシアの核保有国リーダーでさえも広島を訪れる計画はないようだ。

 日本の共同通信によれば、8カ国のうち英国、ドイツ、米国の3カ国はこの招待状に返事を送ってきたが、時間的制約から広島訪問はできないとの内容だったという。

 ホワイトハウスの返事には、「大統領(ジョージ・W.ブッシュ)はこのような機会を大変喜ばれるだろうが、既に旅程、公式行事は組まれており、これに行事を追加することは不可能」と書かれていた。共同通信によれば、唯一誠意が感じられたのは、ドイツの核兵器管理・不拡散局のヘルムート・ホフマン局長からの書簡で、それには「あなたの招待状は、核廃絶を目指し努力する我々(ドイツ政府)へのアピール、激励である」と書かれていた。

 昨年8月広島市が採択した「平和宣言」は、あの運命の日の米軍爆撃の衝撃を詳説し、それをこの世の地獄と称した。

 空に広がった原爆投下のパラシュートを見ていた女の子たちの目は溶け、彼女たちの顔は黒こげの水ほうに覆われた。助けを求める人々の皮膚は爪の先から垂れ下がっていた。

 爆死を免れた多くの人々も未だ白血病、甲状腺がんなど様々な病気に苦しんでいる。

 先月広島において東京を拠とする「子どものための宗教者ネットワーク(GNRC)」の主催で開催された会議において、広島市の秋葉忠利市長は、広島市が2020ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)を主導していく旨語った。

 激しい戦火を経験した都市の市長グループは平和市長会議と呼ばれる市長グループを結成。昨年4月にジュネーブで開催された核非拡散条約(NPT)予備会議の会期中に、広島長崎議定書を採択した。

 同グループは、各国のNPT担当代表に対し“核廃絶のための確固とした10年”に取り組むよう要求。

 秋葉市長は、ジュネーブ駐在の国連大使たちに向かって「あなたがたは、我々の生存を脅かすこの忌むべき、不必要な脅威を取り除くため誠意を持って行動するだろうか、あるいはその拡散、使用を許すのだろうか」と詰問。

 「2020年までに核兵器のない世界を構築するための効果的な取り組みを行わなければ、あなたがたは、それまでに我々の身に降りかかると思われる核の大惨事の責任の一端を負うことになる。この決定の重要性、緊急性を過少評価しないよう訴える」と述べた。

 ニューヨークを拠とする「核政策に関する法律家委員会」のジョン・ボロー代表は、秋葉市長および世界2千人のメンバーで構成される平和市長会議の2020ビジョンは重要であると語る。

 ボロー氏はIPSに対し、「彼らは、世界の最有力国が国家政策の主要手段としている核への依存を実質的に終結させる行動が必要と主張している」と語った。

 同氏は、ジョージ・シュルツ元国務長官の推進努力などにより、最近は核廃絶社会の構築という主張が主流になっていると指摘する。シュルツ氏は、米国内のキャンペーンを主導している。

 「しかし、核実験禁止や武器用核分裂物質の製造禁止などの方策を推し進める用意はできているものの、意思決定者が一丸となって核の力の削減、廃絶に乗り出す兆しは見えない」と同氏は言う。

 ボロー氏は、核廃絶に対する市民の支持は確実に進んでいると言う。平和市長会議のメンバーでもある同氏は、6月19−23日マイアミで開催された全米市長会議年次総会もこの例であると語る。同会議は、2020年核廃絶支援と題された決議を満場一致で採択した。

 同決議は、米政府が広島長崎議定書を2020年までに非拡散条約の約束を履行する手段として真剣に検討するよう提案している。

 これは、厳格かつ効果的な国際コントロールの下、核廃絶に繋がる全ての協議を決着させるよう定めた1996年国際司法裁判所命令に沿うものだろう。

 同決議の議論は行われておらず、むしろ国際問題を扱う一連の決議の一部要約として承認されたものだが、ボロー氏は、実際は特別な関心を喚起するため選ばれたものではなく、国家安全保障の枠の外でグローバルな核廃絶の必要が広く受け入れられていることを示すものであると言う。

 世界の市長たちは、キャンペーンの一環として広島長崎議定書のプロモーションのため都市宣言の調印を行おうとしている。

 そして、市長グループは、2010年を期限とする核兵器協定の原案に沿って、議定書に盛り込まれた全ての協議を2010年の第65回国連総会までに完了するよう求めていく方針だ。(原文へ

翻訳=山口ひろみ(Diplomatt)/ IPS Japan 武原真一

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【IPS JAPAN/JANJANニュース】
核廃絶を目指す2020ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)(全訳記事)
国連IPSのタリフ・ディーンより、核廃絶へ向けた平和市長会議の活動について報告したIPS記事。(IPS Japan武原真一)資料:浅霧勝浩/IPS
核廃絶を目指す2020ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)(全訳記事)
激しい戦火を経験した都市の市長グループは平和市長会議と呼ばれる市長グループを結成。昨年4月にジュネーブで開催された核非拡散条約(NPT)予備会議の会期中に、広島長崎議定書を採択した。(IPS Japan武原真一) 資料:Envolverde
核廃絶を目指す2020ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)(全訳記事)
「2020年までに核兵器のない世界を構築するための効果的な取り組みを行わなければ、あなたがたは、それまでに我々の身に降りかかると思われる核の大惨事の責任の一端を負うことになる。この決定の重要性、緊急性を過少評価しないよう訴える」と述べた。(IPS Japan武原真一) 資料:Envolverde

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