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(気候変動への対応を急げ)では、同教授の研究が6月9日発表の福田ビジョンに引用され「76の自治体」とあったが、10増えたことになる(この内7自治体は06年の再計算によって100%に達したことがわかった)。
化石燃料から自然エネルギーへ転換の時期
「自然エネルギーで地域に必要なエネルギーを供給しているところがあるのではと調べ始め、その事例をサムソに見つけ2回ほどサムソ島に行った」ことなどが永続地帯研究のきっかけとなった。産業革命以来、地中の化石燃料を掘り起こして燃やしエネルギーを得る鉱物起源のエネルギー経済が展開してきた。が、この経済は資源の枯渇、地球温暖化などから持続可能ではなくなった。これから低炭素社会を目指すには、再生可能・自然エネルギーに依存する経済の発展の方向を追求していかざるを得ない、という状況が研究の背景にある。
自然エネルギーだけでは需要を賄えないのでは、と言う人もいるがいま地球に来る太陽エネルギーだけでも人類の年間エネルギー消費量の約1万倍ある。が、それを捕まえる技術が未発達なだけ。太陽エネルギーは、どこにでも広く薄く直接入ってくる特徴があり、形も光や熱、水や風、波といろいろある。またバイオマスとして森林に固定されたりいろんな形で固定される。したがって使い方は地域によって異なりその特徴に応じて太陽エネルギーを捕まえる自然エネルギーを開発する必要がある。こうした地域を評価する指標として、永続地帯ということを考えたのだと言う。
エネルギー永続地帯の「見える化」をはかる
地域の食糧やエネルギーを地域の自然エネルギーでまかなう永続地帯を「見える化」するのが永続地帯指数の大きな役割で、それが見えると永続地帯を広げようとする政策課題が明らかになってくる。発展途上と思われていた手法が、実は持続可能性の観点からは先進的だと認識を変える指標でもある。一気にすべての地域が永続地帯とはならないが、低炭素社会のコストを稼ぐ燃料を得る途中の道筋として、自然エネルギーと化石燃料が半々という中間段階のパターンもある。永続地帯はエネルギー需要がそう多くない地域で自然エネルギーが豊かになり、田舎の方が自然エネルギーで経済をまかなえるようになる。都会は最後まで化石燃料に依存するので田舎の方が先進的という指標にもなる。
試算の考え方は、ある区域で生み出される自然エネルギーの供給量と、その区域内エネルギー需要量を、それぞれ集計し前者を後者で割る。区域は市区町村単位で、エネルギー需要部門は民生部門の電力を集計したもの。自然エネルギーの種類は、太陽光発電、事業用風力発電、地熱発電、小水力発電(1万キロワット以下の水路式に限る)、バイオマス発電。熱については太陽熱、地熱の直接利用、地中熱利用、温泉熱を集計中。
日本では小水力発電と地熱発電が大きい
2006年(再集計版)と2007年を比較すると、事業用太陽光、風力、バイオマスの伸びが大きい。全体の割合では小水力が60%、風力・地熱発電が夫々14%程度。小水力の伸びは0%で昔から動いていてまだ発電を続けており、日本の自然エネルギー供給の多くを占める。日本はやはり水の国で降水量も欧米の2倍から3倍あり、地形が急峻でダムを作らなくても発電できる可能性があることにもっと注目する必要がある。しかし、全体の民生用電力需要に対する自然エネルギー発電の比率では、2006年が3.53%、2007年は3.72%と微増だがまだ僅かなもの。
06年と07年の比較
都道府県の自給率ランキングの比較では変化がない。自給率とは計算上、地域の自然エネルギー発電で地域の民生用電力需要の何%をまかなえるかのこと。大分県は07年に30%を超えた。全国でみるとせいぜい3%くらいで、国の政策で優先順位もそう高くない自然エネルギーだが、地域から考えると現状においても無視できないエネルギー源になっていることが理解いただけると思う。
都道府県ランキング
各県ではどんなエネルギー源が使われているかというと、自給率の高いところでは地熱利用が多く20%を越える県では大分県、秋田県、岩手県があり、富山県は小水力が圧倒的に多く水力に適した長野県が続く。一方で青森県、秋田県は風力が多く海沿いで風の強いところに適しており、地域でこうした自然エネルギーの選択をしている。
再計算すると100%エネルギー永続地帯が76から83に微増している。50%エネルギー永続地帯も4つ増え、20パーセントは11増えるといった形で徐々に増えている。しかしながら低炭素型社会を目指すと政府が大きく強調している割に、そんなには多く増えていないという印象を持っている。
自然エネルギー起源の電力供給能力(都道府県別:2006)
福田ビジョンについて倉坂教授は、「低炭素社会を実現するために地方が先導役を果たす地域の取り組み推進のために、モデル都市をえらびバックアップするというようなことは国の政策としてはかなり不十分」と述べ、本気で取り組むのなら「エネルギー特別会計の一部を地方に使ってもらう自然エネルギー枠を設け、自動的に地方にお金が回るような制度や、固定価格買い取り制度などの強いルールを導入し、地方の自然エネルギー開拓をサポートをする政策を導入する時期ではないか」と国の制度強化の重要さを強調した。
(つづく)
(次回は地方自治体の挑戦)
倉坂秀史・千葉大学教授(クリックすると大きくなります)
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