名古屋の都心を進む在日ビルマ人らのデモ隊。以下すべて28日筆者撮影
9月28日午後、名古屋市中区栄公園から、在日ビルマ人らのデモ隊50数人が、市最大の繁華街に向けて行進を始めた。昨年秋、ビルマ国民の窮状を救おうと立ち上がった僧侶たちの抗議行動・サフラン革命からちょうど1周年を迎え「圧政で押しつぶされたままのビルマ国民に代わり、長井健司記者をはじめ、多くの犠牲者を忘れないために抗議デモを実施しました」と主催者の「ビルマ民主化同盟・名古屋(LDB名古屋)」代表・アウンココウ−さんは語った。
ビルマ民主化を期した国政選挙で指導者に選任されたにもかかわらず軍政に幽閉されたままのアウンサンスーチー氏の言葉「あなたの自由を、わたしたちが自由を得るために使って下さい」を信条として守る在日ビルマ人難民らが、署名やデモ行進をする自由を保障された日本で、弾圧犠牲者へ追悼の意を表すと同時にビルマ民主化への支援を訴えた。
100m道路中央に立つテレビ塔を横目に進むデモ隊
途中、松坂屋前・交差点など要所要所で、デモ隊弾圧の状況を再現する寸劇を繰り広げた。軍服姿の男やデモ隊に紛れ込んでいた私服警官らが僧侶に襲いかかり引き倒し乱暴する突然の再現劇に、声をあげて驚くなど、通行人にはかなり強烈なアピールとなったようだ。最初は事情を知らない警備の警官がかけつけたりする一幕もあった。
ビラを受け取りすぐ読む人が多いのが印象的で「ああ、よく知っています。このあいだもテレビでみました。ビデオカメラやテープがまだ戻ってこないんですよね」と60代女性。「撃たれて倒れたのをテレビでみました。もう1年たったんですか」と茶髪のギャル二人組。「知っています。ひどい国ですね、応援しています」と初老の夫婦連れ。デモ隊に「がんばって下さい」と声をかける人なども。「非常に受け取りがよく、用意したビラ500枚、ほとんど配れました」とビラ配り担当ビルマ人は同行した記者に語った。
在日ビルマ人女性を先頭にビルマ語で歌を斉唱しながら進む
ビルマ民主化を求めて国内でもビルマ人難民を中心にさまざまな活動が行われている。記者はそのなかでも在日ビルマ人の「難民不認定取り消し訴訟」を追い、数人の公判を傍聴し続けてきたが、そのうち一人に大きな変化が起きた。
ビルマ人原告に対し当局から「訴訟を取り下げたら難民認定へ向けて考慮する」との内示があったと、前回公判終了後、原告・代理人双方から支援者らに朗報として告げられた。そして次回公判24日、2、3分で閉廷。関係者に問い合わせると「取り下げた」とのこと。全国的にもまれなケースという。
これが特例でなく「難民認定基準の国際化」への第一歩とすれば、各地で相次ぐ裁判への波及も予想され、長く苦しい戦いを続けてきた在日ビルマ人にとって、初めてともいえる日本政府による人道的判断であり、改めて今後も他の原告への対応を見守りたいと思う。
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